キリトウヤマと読みます。
塩尻・辰野両市の境にある標高1305mの低山ですが、
地元では展望の良いことで知られています。
この山の名を知ったのは、小林康彦さんの「日本百低山」
(文春文庫版)です。
短い時間で登れて展望もよいこの山へ、松本へ孫の顔を
見に行く途中で寄り道しました。
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5月22日、塩尻ICで長野道を降りて少し引き返す格好で、
飯田方面に向かいます。
かって三州街道と呼ばれた国道153号線の善知鳥(うとう)峠。
分水嶺の標識があるとおり、ここは日本海と太平洋へ流れる
水を分ける分水界の峠です。
これから登る霧訪山も分水嶺です。
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小野神社の横から山に向い、細い農道を通って着いた
登山口。登山記念ノートの入った箱や「クマ出没注意」の
他に、「登山者の皆さんへ」という看板が立っています。
マッタケ山で「止め山」であることが一番で、次に「落雷」
が多いことなどの注意が書いてあります。
マツタケについては、こののち登山道のあちこちで、くどい
ほど再三注意の看板が出てきます。
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10時45分、登山口をスタート。
どんよりした曇り空ながら、しばらくは降られずにすみそう
です。
いきなり急勾配のゴム代替プラスチック製の階段が約200段
続きます。
足慣らしなしの登りに、たちまち汗ばんでくる頃…
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木の階段に変わってぐんぐん高度をあげていきます。
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中腹に「御嶽山大権現」の石碑がありました。
横の標識によると裏面に「文化八年辛未天 講中」の文字が
彫られていることから、御岳信仰の人が祭事を行った場所の
ようです。
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送電線鉄塔の立つ小さな広場に着きました。
かって山城があったという標識があります。(11時15分)
ここから少し勾配が弱まります。
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登山道の両側には見事なアカマツの林が続きます。
マツに交じっていろんな樹木も出てきますが、名前を書いた
札が付けてあって勉強になります。
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三角屋根の避難小屋がありました。
右手(東)が開けて霧ヶ峰の方角に弱い陽が当っているのが
見えます。
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再び勾配が強まり、虎ロープや鎖が張られています。
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11時55分、1305.4m、霧訪山山頂に着きました。
標識の側面に「日本の中心地・分水嶺」と記されています。
正面の道標には「下西条登山口←大芝山 頂上 →北小野
登山口」の文字(登山道は直角に交わる形でもう一つ)が
あります)。
右の円柱は展望図の入った方位盤、背後の山は美ヶ原です。
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山頂の一角に立つ石祠・会地社(おうちしゃ)。
「小野神社の境外社の一つで…古代山岳信仰の地で健御名
方尊が跋渉された旧地といわれている。地元では、古くから
雨乞いの神としても信じられてきた。小野神社」
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反対側から見た山頂。♀ペンの足元に二等三角点、背後に
中央アルプスが見えます。
残念ながら、この天候では360度の展望は望むべくもありません。
それでも北アルプスはかすかに立山が、八ヶ岳は蓼科山から横岳
あたりまでが見えました。南アルプスは雲の中です。
山頂でゆっくり昼食をすませ、写真を撮ったり、他の二つの登山道
をちょっと下ってみたりしているうちに、空模様がいよいよ怪しく
なってきました。
名残を惜しみながら山頂を後に(12時45分)、元の道を下って
13時20分、登山口に帰りました。