以前、テキストサイトでUPしてた記事です。今回は「お気に入りエピソード」の紹介。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、20年近く前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。
このビバップという作品は、各エピソード、キャラ、BGM、そして次回予告など、“各部”においても、非常に魅力的といえます。
で、このうち、各エピソードについてなんですが・・・って、「エピソード紹介」というより、「お気に入りの回の紹介」ですかね?
個人的なお気に入りは、「ホンキー・トンク・ウィメン」「堕天使たちのバラッド」「ガニメデ慕情」「ジュピター・ジャズ(前編)(後編)」「ブラックドッグ・セレナーデ」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「道化師の鎮魂歌(レクイエム)」「ブキ・ウギ・フンシェイ」「カウボーイ・ファンク」「ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)(後編)」辺りですね。
まあ、それらの中から、かいつまんでレビューしています。
堕天使たちのバラッド
この回は、
序盤のヤマ場です。
この回は、「スパイクと彼自身の“過去”との因縁の始まり」ですね。
スパイクとしては、「もうどうでもいい」としたい記憶・・・だが、それを許さない男――かつての盟友・ビシャスの登場・・・。
じつは双方とも「過去そのもの」には拘ってないんだよね。まあ、スパイクの場合は、「ジュリア」という要素が絡んでくると、話は別だけど。
スパイクは「組織」だとか「抗争」だとか、そういったものに縛られるのを「よし」とせず、気ままな生活を望み、それを実践している。
一方のビシャスは、「スパイク(とジュリア)との過去」ではなく、「過去のスパイク」に一応の拘りを見せてるだけ。しかも、「牙」を失った、すなわち「戦いが生き様」だったころのスパイクでないと知ると、さっさと殺そうとする。
それでいて、ふたりとも、互いとの直接対決ともなると、
完全に過去に戻ってしまう。
ちなみに、このとき、スパイクは、人質に取られたフェイのことなどお構いなしに、彼女を盾にしている男の眉間を撃ち抜いてます(フェイの顔に返り血が/笑)。
こんときの彼の表情や佇まいはカッコよかったですねぇ・・・冷めきったものではあるものの、珍しく「意志」のこもった眼差しを浮かべ、静かに、そしてゆっくりと引き金を引く・・・。
一方のビシャスのほうも、戦闘を通じてスパイクが昔の彼に戻ったせいか、彼に対する殺害目的こそ変わってないけど、途中からその顔に、どっか(ビシャスなりの)喜色みたいなものが見受けられるようになってたもんね。
この辺りの描写は好きですね。
いま述べたような「視聴者にも明確にわかる心理描写」と、「なぜ、ビシャスは、“スパイクとの”過去には拘ってないのに、彼個人の“変化”は許せなかったのか?」「拘ってないはずなのに、なぜスパイクはビシャスとの戦いに応じたのか?」といった、
「視聴者に“想像”の余地を残した心理描写」
を併せ持ってるような気がしてね。
一見、っていうか、かなり矛盾してるでしょ? (苦笑)
でも、人間の心理なんてもんは、やっぱ矛盾が伴うわけで、この矛盾を見せたことで、スパイクとビシャスの彼らなりの“人間らしさ”というものを垣間見ることができてよかったと思います(創作におけるすべての『矛盾』を肯定してるわけじゃないので、注意)。
で、「ジュリア」という、ある意味、「物語のキー」となる人物を軽く、それでいて確実に、印象に残るような紹介をしておいて、「跳ねっ返り女」であるはずのフェイの意外性(スパイクを看病?)を見せておいて、この回は終了。
同じような状況で、偶然同じ鼻歌を歌ってたジュリアとフェイに対する、「スパイクの対応の違い」というものが、ジュリア、フェイというヒロイン(?)たちの性格やキャラの相違というものを、なにげにうまく表していると思います(それにしても、フェイのキレ具合はちょっと笑えた/笑)。
ガニメデ慕情
この回はジェットが主役です。
「昔の女(アリサ)との再会・・・そして、彼女のいま現在の男に賞金が・・・」っていう感じです。
まず、ジェットとアリサのやりとりがいいですね。
ジェット「・・・結婚したのか?」
アリサ「・・・
もう子供が三人」
これ、彼女によるジョークなんですが、大人の男女――「大人」といっても「若僧」といえる世代じゃない、「中年」といっていい世代による「年相応のカッコよさ」が滲み出ている会話であり、ジョークですよね。
まあ、ジェットはなんだかんだで35歳だし、アリサも20代後半に見えるくらいなんで、「中年」といっていいものか、わかりませんが(笑)。
ちなみに、ここでフェイが、(その場にはいなかったけど)お得意の下世話ぶりを発揮してくれます(笑)。
「男って、昔の女がいつまでも自分を想ってくれてる、なんて思ってんのよね~」
いかにも彼女らしい、意地の悪い物言いです(笑)。
まあ、結局、スパイクに、
「『女がみんな、自分と同じ』だなんて思ったら、大間違いだぜ」
みたいなことをいわれ、フェイとしては「ぬっ・・・」といった表情を浮かべるわけですが(笑)。
また、エドによる名文句(?)・
「♪浪花節ブシ、鰹節~」
は、このふたりのやりとりの直後に見られます(笑)。
ともかく、ジェット周りに話を戻すと――。
この回のジェットの心情は、男としては痛いほどわかる気がしましたねぇ。
スパイクにいわれるまでもなく、「情け」なんてかける気はさらさらないんだけど、やはり相手は昔の女・・・。
強がりでも何でもなく、未練などあろうはずがない。それでも、男というのは「情の生き物」・・・とくにジェットは、ほかの誰よりも情に厚い・・・。
さらにいえば、「追いかけているのは、昔の女のいまの“男”」・・・見逃せば、「情けをかけた」、捕まえれば、「やはり嫉妬も・・・?」などと、あらぬ疑いをかけられるかもしれない。
それでも最後、アリサに発砲されながらも(彼女は素人なので、当たるはずもない)、結局は相手をとっ捕まえ、
「・・・守ってやれるほど、強くなれ」
なんて台詞を吐きながら、その場をあとにする・・・
男やね(笑)。
まあ、相棒のスパイクは、「やはり嫉妬も・・・?」なんて考える奴じゃないし、フェイにしたって、下世話ではあっても最低限の“境界線”みたいなものは、さすがにわかってるだろうしね。
だから、「仲間に恵まれたからこそ、やれたこと」ともいえるかもしれないけど、それでも、なかなかできることではないし、なかなかいえることではありません。
ジュピター・ジャズ(前編)(後編)
この回は、
中盤のヤマ場です。
「金庫の金を持ち逃げしてビバップ号を出ていったフェイは、木星の場末のジャズ・バーで、グレンと出会う。一方、『ジュリア』の名前を耳にしたスパイクもやはり木星へと飛び出していく。その木星にはビシャスとリンの姿も・・・」って感じの回です。
前編は、はっきりいってフェイにやられました(笑)。
「ほら、あたしって、いい女じゃない・・・?
――だから、男どもで取り合いになっちゃうのよねぇ・・・」
こんときの口調と仕草における、「微妙なアダルトさ、セクシーさ」が、何とも彼女らしくっていいですね。
しかも、いってることは、おもいっきり嘘っぱちですし(スパイクもジェットも、彼女にそんな感情持ってません/笑)。
まあ、結局、グレンに本心を見抜かれちゃうんですが。
で、後編のほうは・・・こっちもやっぱ、フェイですかね(笑)。
つまりは、私個人としては、「ジュピター・ジャズ」はフェイの心理描写が好きな回のようです(笑)。
結局、彼女、グレンの部屋で、ベッドで手錠かけられて軟禁されてたトコをジェットに助けられるんですが・・・
「ねぇ・・・ジュリアって女・・・何なの?」
などと、ハンマー・ヘッド(ジェットの愛機)の後部座席から、あくまで「興味はないんだけどさ」といわんばかりのアンニュイな口調と態度で、ジェットに問いかけてたシーンがあってね。
じつはグレンからも「ジュリア」の名を聞かされてたんで、単に「男どもに何らかの“縁”を持たせるその女は何者なのか?」といった、「ジュリアという女に対する好奇心」みたいなものからくる台詞なのか、あるいは「スパイクがこれほど固執する女って・・・」といった感覚からくるものなのか・・・?
まあ、最終回と照らし合わせると、後者のほうが強い気もしますが、この時点ではどちらともとれるような描写がいいですね。
それと、「仲間に対して素直になりきれない」という、「彼女特有の可愛げ」も、この2話では読み取ることができるんですよね。この辺りも、「名エピソード」たる所以といえるかと思われます。
ちなみに、「ベッドで手錠かけられて軟禁」されてたことから、ジェットに「そういう趣味の男だったのかぁ?」なんていわれてたのには、ちょっと笑ってしまいましたが(いや、意外とシリアスなシーンなんですがね/笑)。
マイ・ファニー・ヴァレンタイン
フェイの過去にちょっとだけ触れてます。
彼女がコールド・スリープから目覚めた際、なにかと面倒を見てくれた初恋(?)の相手(ウィットニー=ハガス=マツモト)とのシーンにおける、「ドレスを纏ったせいか、ちょっとだけ恥ずかしそうにウィットニーの顔を見上げるフェイ」がかわいいですね。
ちなみに、その回想は「フェイがアイン(犬)に語りかける」という手法をとってたんですが・・・じつはそのすぐ後ろにあるトイレにスパイクが入っていて、ようやく話が終わるころ、トイレの水を流す音とともに、
「・・・話、長ぇよ」
などと、手を拭きながら出てきたのには、ちょっと笑ってしまった(そのときのフェイの表情と態度――『い、いたの・・・?』/笑)。スパイクとしては一応、気を使ったんですけど、“出るタイミング”というものが、なかなかね・・・(笑)。
で、その後、ウィットニーが賞金首として、しかも変わり果てた姿でビバップ号にしょっぴかれてくるんですが・・・この際の、ガンを飛ばすかのような目でジロジロと確認するフェイの表情が、前述の「テレたような表情」と対比になってて、なかなかおもろいです(笑)。
ラストにおける、
フェイ「そんなに、あたしに帰ってきてほしかった?」
スパイク「よっくいうぜ」
フェイ「妬けたくせに。
――あたしの過去、なーんも、わかんなくなっちゃったな・・・」
スパイク「過去はどうあれ、未来はあるだろ?」
といった、フェイとスパイクによるやりとりも、よかったですね。
ただ、この際のスパイクによる最後の台詞が、最終回のふたりの会話に、あのような形で絡んでくるとは、思いも寄らなかったですが・・・。
で、最後に、「ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)(後編)」もやりたかったんですが・・・2話だけであるにもかかわらず、かなりの量になってしまうので、後日。
軽く推敲、加筆修正はやってますが、20年近く前に書いた記事がベースですんで、いろいろとご容赦を(笑)。
このビバップという作品は、各エピソード、キャラ、BGM、そして次回予告など、“各部”においても、非常に魅力的といえます。
で、このうち、各エピソードについてなんですが・・・って、「エピソード紹介」というより、「お気に入りの回の紹介」ですかね?
個人的なお気に入りは、「ホンキー・トンク・ウィメン」「堕天使たちのバラッド」「ガニメデ慕情」「ジュピター・ジャズ(前編)(後編)」「ブラックドッグ・セレナーデ」「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」「道化師の鎮魂歌(レクイエム)」「ブキ・ウギ・フンシェイ」「カウボーイ・ファンク」「ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)(後編)」辺りですね。
まあ、それらの中から、かいつまんでレビューしています。
堕天使たちのバラッド
この回は、
序盤のヤマ場です。
この回は、「スパイクと彼自身の“過去”との因縁の始まり」ですね。
スパイクとしては、「もうどうでもいい」としたい記憶・・・だが、それを許さない男――かつての盟友・ビシャスの登場・・・。
じつは双方とも「過去そのもの」には拘ってないんだよね。まあ、スパイクの場合は、「ジュリア」という要素が絡んでくると、話は別だけど。
スパイクは「組織」だとか「抗争」だとか、そういったものに縛られるのを「よし」とせず、気ままな生活を望み、それを実践している。
一方のビシャスは、「スパイク(とジュリア)との過去」ではなく、「過去のスパイク」に一応の拘りを見せてるだけ。しかも、「牙」を失った、すなわち「戦いが生き様」だったころのスパイクでないと知ると、さっさと殺そうとする。
それでいて、ふたりとも、互いとの直接対決ともなると、
完全に過去に戻ってしまう。
ちなみに、このとき、スパイクは、人質に取られたフェイのことなどお構いなしに、彼女を盾にしている男の眉間を撃ち抜いてます(フェイの顔に返り血が/笑)。
こんときの彼の表情や佇まいはカッコよかったですねぇ・・・冷めきったものではあるものの、珍しく「意志」のこもった眼差しを浮かべ、静かに、そしてゆっくりと引き金を引く・・・。
一方のビシャスのほうも、戦闘を通じてスパイクが昔の彼に戻ったせいか、彼に対する殺害目的こそ変わってないけど、途中からその顔に、どっか(ビシャスなりの)喜色みたいなものが見受けられるようになってたもんね。
この辺りの描写は好きですね。
いま述べたような「視聴者にも明確にわかる心理描写」と、「なぜ、ビシャスは、“スパイクとの”過去には拘ってないのに、彼個人の“変化”は許せなかったのか?」「拘ってないはずなのに、なぜスパイクはビシャスとの戦いに応じたのか?」といった、
「視聴者に“想像”の余地を残した心理描写」
を併せ持ってるような気がしてね。
一見、っていうか、かなり矛盾してるでしょ? (苦笑)
でも、人間の心理なんてもんは、やっぱ矛盾が伴うわけで、この矛盾を見せたことで、スパイクとビシャスの彼らなりの“人間らしさ”というものを垣間見ることができてよかったと思います(創作におけるすべての『矛盾』を肯定してるわけじゃないので、注意)。
で、「ジュリア」という、ある意味、「物語のキー」となる人物を軽く、それでいて確実に、印象に残るような紹介をしておいて、「跳ねっ返り女」であるはずのフェイの意外性(スパイクを看病?)を見せておいて、この回は終了。
同じような状況で、偶然同じ鼻歌を歌ってたジュリアとフェイに対する、「スパイクの対応の違い」というものが、ジュリア、フェイというヒロイン(?)たちの性格やキャラの相違というものを、なにげにうまく表していると思います(それにしても、フェイのキレ具合はちょっと笑えた/笑)。
ガニメデ慕情
この回はジェットが主役です。
「昔の女(アリサ)との再会・・・そして、彼女のいま現在の男に賞金が・・・」っていう感じです。
まず、ジェットとアリサのやりとりがいいですね。
ジェット「・・・結婚したのか?」
アリサ「・・・
もう子供が三人」
これ、彼女によるジョークなんですが、大人の男女――「大人」といっても「若僧」といえる世代じゃない、「中年」といっていい世代による「年相応のカッコよさ」が滲み出ている会話であり、ジョークですよね。
まあ、ジェットはなんだかんだで35歳だし、アリサも20代後半に見えるくらいなんで、「中年」といっていいものか、わかりませんが(笑)。
ちなみに、ここでフェイが、(その場にはいなかったけど)お得意の下世話ぶりを発揮してくれます(笑)。
「男って、昔の女がいつまでも自分を想ってくれてる、なんて思ってんのよね~」
いかにも彼女らしい、意地の悪い物言いです(笑)。
まあ、結局、スパイクに、
「『女がみんな、自分と同じ』だなんて思ったら、大間違いだぜ」
みたいなことをいわれ、フェイとしては「ぬっ・・・」といった表情を浮かべるわけですが(笑)。
また、エドによる名文句(?)・
「♪浪花節ブシ、鰹節~」
は、このふたりのやりとりの直後に見られます(笑)。
ともかく、ジェット周りに話を戻すと――。
この回のジェットの心情は、男としては痛いほどわかる気がしましたねぇ。
スパイクにいわれるまでもなく、「情け」なんてかける気はさらさらないんだけど、やはり相手は昔の女・・・。
強がりでも何でもなく、未練などあろうはずがない。それでも、男というのは「情の生き物」・・・とくにジェットは、ほかの誰よりも情に厚い・・・。
さらにいえば、「追いかけているのは、昔の女のいまの“男”」・・・見逃せば、「情けをかけた」、捕まえれば、「やはり嫉妬も・・・?」などと、あらぬ疑いをかけられるかもしれない。
それでも最後、アリサに発砲されながらも(彼女は素人なので、当たるはずもない)、結局は相手をとっ捕まえ、
「・・・守ってやれるほど、強くなれ」
なんて台詞を吐きながら、その場をあとにする・・・
男やね(笑)。
まあ、相棒のスパイクは、「やはり嫉妬も・・・?」なんて考える奴じゃないし、フェイにしたって、下世話ではあっても最低限の“境界線”みたいなものは、さすがにわかってるだろうしね。
だから、「仲間に恵まれたからこそ、やれたこと」ともいえるかもしれないけど、それでも、なかなかできることではないし、なかなかいえることではありません。
ジュピター・ジャズ(前編)(後編)
この回は、
中盤のヤマ場です。
「金庫の金を持ち逃げしてビバップ号を出ていったフェイは、木星の場末のジャズ・バーで、グレンと出会う。一方、『ジュリア』の名前を耳にしたスパイクもやはり木星へと飛び出していく。その木星にはビシャスとリンの姿も・・・」って感じの回です。
前編は、はっきりいってフェイにやられました(笑)。
「ほら、あたしって、いい女じゃない・・・?
――だから、男どもで取り合いになっちゃうのよねぇ・・・」
こんときの口調と仕草における、「微妙なアダルトさ、セクシーさ」が、何とも彼女らしくっていいですね。
しかも、いってることは、おもいっきり嘘っぱちですし(スパイクもジェットも、彼女にそんな感情持ってません/笑)。
まあ、結局、グレンに本心を見抜かれちゃうんですが。
で、後編のほうは・・・こっちもやっぱ、フェイですかね(笑)。
つまりは、私個人としては、「ジュピター・ジャズ」はフェイの心理描写が好きな回のようです(笑)。
結局、彼女、グレンの部屋で、ベッドで手錠かけられて軟禁されてたトコをジェットに助けられるんですが・・・
「ねぇ・・・ジュリアって女・・・何なの?」
などと、ハンマー・ヘッド(ジェットの愛機)の後部座席から、あくまで「興味はないんだけどさ」といわんばかりのアンニュイな口調と態度で、ジェットに問いかけてたシーンがあってね。
じつはグレンからも「ジュリア」の名を聞かされてたんで、単に「男どもに何らかの“縁”を持たせるその女は何者なのか?」といった、「ジュリアという女に対する好奇心」みたいなものからくる台詞なのか、あるいは「スパイクがこれほど固執する女って・・・」といった感覚からくるものなのか・・・?
まあ、最終回と照らし合わせると、後者のほうが強い気もしますが、この時点ではどちらともとれるような描写がいいですね。
それと、「仲間に対して素直になりきれない」という、「彼女特有の可愛げ」も、この2話では読み取ることができるんですよね。この辺りも、「名エピソード」たる所以といえるかと思われます。
ちなみに、「ベッドで手錠かけられて軟禁」されてたことから、ジェットに「そういう趣味の男だったのかぁ?」なんていわれてたのには、ちょっと笑ってしまいましたが(いや、意外とシリアスなシーンなんですがね/笑)。
マイ・ファニー・ヴァレンタイン
フェイの過去にちょっとだけ触れてます。
彼女がコールド・スリープから目覚めた際、なにかと面倒を見てくれた初恋(?)の相手(ウィットニー=ハガス=マツモト)とのシーンにおける、「ドレスを纏ったせいか、ちょっとだけ恥ずかしそうにウィットニーの顔を見上げるフェイ」がかわいいですね。
ちなみに、その回想は「フェイがアイン(犬)に語りかける」という手法をとってたんですが・・・じつはそのすぐ後ろにあるトイレにスパイクが入っていて、ようやく話が終わるころ、トイレの水を流す音とともに、
「・・・話、長ぇよ」
などと、手を拭きながら出てきたのには、ちょっと笑ってしまった(そのときのフェイの表情と態度――『い、いたの・・・?』/笑)。スパイクとしては一応、気を使ったんですけど、“出るタイミング”というものが、なかなかね・・・(笑)。
で、その後、ウィットニーが賞金首として、しかも変わり果てた姿でビバップ号にしょっぴかれてくるんですが・・・この際の、ガンを飛ばすかのような目でジロジロと確認するフェイの表情が、前述の「テレたような表情」と対比になってて、なかなかおもろいです(笑)。
ラストにおける、
フェイ「そんなに、あたしに帰ってきてほしかった?」
スパイク「よっくいうぜ」
フェイ「妬けたくせに。
――あたしの過去、なーんも、わかんなくなっちゃったな・・・」
スパイク「過去はどうあれ、未来はあるだろ?」
といった、フェイとスパイクによるやりとりも、よかったですね。
ただ、この際のスパイクによる最後の台詞が、最終回のふたりの会話に、あのような形で絡んでくるとは、思いも寄らなかったですが・・・。
で、最後に、「ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)(後編)」もやりたかったんですが・・・2話だけであるにもかかわらず、かなりの量になってしまうので、後日。