時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

キンキーブーツ

2019-04-25 | 舞台/役者
~エピローグ~
桟橋の上にいる寒そうな少年が
ベルト付きの赤いハイヒールを履き踊りだす
その様子を年配の男性が窓から見て注意する
一方
別の少年は
家の靴製造工場を継ぐことよりも
サッカーに興味がある

~起~
チャーリー・プライスは
イギリスの田舎町
ノーサンプトンの伝統ある紳士靴メーカー
『プライス社』 の跡取りだったが
周囲の重圧に耐えかね
転勤を機にロンドンに移住することを計画していた
しかし
ロンドンに到着したその日に父の訃報が届き
『プライス社』 を継ぐことになる
しかも会社の財政状況が火の車だということを知る
在庫の処分のため
ロンドンへ出張中にやけ酒を食らった勢いで
酔っ払いのチンピラに絡まれている美女を助けようとしたが
逆に美女に誤って叩きのめされてしまう

目が覚めると
そこは不作法なドラァグ・クイーンのローラ
本名サイモンの楽屋であり
その人物は桟橋で踊っていた少年の成長した姿であった
ドラァグ・クイーンには
専用の靴がないため仕方なく
女性用の靴をはいているが
ハイヒールは男性の重く大きな体を支えきれず
簡単に壊れてしまうことにチャーリーは興味が湧く

~承~
ノーサンプトンに戻ったチャーリーは
人員整理をしている最中
クビにしようとした社員のローレンから
「ニッチ市場を開拓しろ」と捨て台詞をはかれる
そこでチャーリーは
ローレンを顧問として再雇用し
ローラのためのハイヒールのブーツである
『女物の紳士靴』の開発に着手し
そこにローレンの言うニッチ市場を見出す
しかし
最初のデザインは機能性を重視するあまり
オバサンくさいブーツに仕立ててしまい
ローラを激怒させる
チャーリーとローレンは
ローラをコンサルタントとして迎える
しかし道は険しく
男性従業員の多くは
ローラの登場と新商品製作を快く思わず
工場を守るため家を
抵当に入れたことを婚約者のニコラに知られた
チャーリーは意見の食い違いにより
ニコラと別れてしまう



~転~
ローラの意見を取り入れ
危険でセクシーな女物の紳士靴
Kinky Boots
を作り上げたチャーリーは
ミラノの靴見本市に打って出る決意をするが
資金繰りがうまくいかず
その打開策として
モデルとメイクスタッフを
自分(ローラ)とドラァグ・クイーン仲間が担当しては?
と持ちかけるが
君たちみたいな人間がステージに立ったら
『プライス社』が笑われると辛辣な言葉をあびせてしまう
これまでありのままの自分を
チャーリーは受け入れてくれていたと
思っていたローラは失意のまま去ってしまう
また従業員に対しても
重労働を強いたチャーリーは
彼らととも対立
Kinky Boots の生産に
支障をきたす
そんな時
『プライス社』を救ったのは
ローラに対して反感を抱いていたドンだった

~結~
従業員達の協力でKinky Boots を完成させた
チャ―リーとローレンはミラノに出発する
ショー当日
最大の難題が残されていた
資金不足でたKinky Boots を履いてくれる
男性モデルがいないのだ!
チャーリーは従業員への感謝の最大限のしるしと
ローラへの謝罪の気持ちを併せ
自らがモデルとしてステージに上がる
チャーリーが慣れないハイヒールで滑って転んだその時
ローラとドラァグ・クイーン仲間が登場し
ランウェイで見事なショーを披露

~エピローグ~
後日
ローラは自身のショーで
ノーサンプトンの「キンキーブーツ工場」の栄誉をたたえて歌う
このショーには
工場の従業員達が招待されており
その中には恋仲となったチャーリーとローレンの姿もあった

【動画】ミュージカル 『キンキーブーツ』公開ゲネプロ(2019.4.15)より


初演は
2016年7月8月
新国立劇場中劇場
チケット取れなかったと言うか
必死に取らなかったので
今回の再演は
何としても観劇せねば!
と思っておりました
三浦春馬さんは
地球ゴージャスプロデュース公演で
すでに歌唱力は認めておりました
小池さんはWaTで
歌手として活動されてはおりますが
舞台にも立たれておりますので
大丈夫だろう

幕があがってみれば
・・・
冒頭から
口ぽか~ん
本当に
口あけたまま
圧倒されてしまいました

凄い すごい  スゴ~イ 

三浦さんの
圧倒的なと言うか
パワーのある声量
小池さんの
予想を超える
透き通って
のびやかな
しかも
清涼感のある声質
も~ビックリ

初演時
三浦さん
第24回読売演劇大賞優秀男優賞と杉村春子賞
小池さん
第42回菊田一夫演劇賞・演劇賞受賞
受賞したのも納得です

差別や偏見は誰にでもあり
それはローラら
ドラッグ・クィーンに限ったことではない
普通に暮らしている人でさえ
色んな形で差別されるし
失敗すれば蔑まれる
でも
それはそれとして
ありのままを受け入れることで
偏見や差別と言った
見えざる心の垣根(壁)は無くなっていく
この作品は
人間の人生のようなものをテーマにしている
ヒューマン・コメディでした
前向きになれる
作品です

実際
現実的にみて
他者を
ありのままを受け入れたら

偏見や差別が
なくなるのかと言えば
‘否’
そう簡単にはいかない
ただ
受け入れられないとしても
共存しようとする
寛容さは持っていたい
そして
共存できる道を
模索し続ける自分でありたいと
思っている
σ(^_^;)



三浦さんの
広背筋とか三角筋とか
上腕二頭筋とか
広背筋とか
綺麗なこと
美しいこと
特に
大臀筋と
大腿四頭筋
惚れぼれいちまいました

ローラは
化粧をしていても
やっぱり‘男っぽい’
女性の服を着ている蹴れと
身体つきは‘男っぽい’
女性のような口調で話すけれど
声質は‘男性’
なんだけど
踊っているローラは
‘女っぽい’
ダンサーローラに
色気を感じるんだなぁ~
ピンヒール履いて
歩く姿が凛としていて美しい
でもって
ローラのスーツ姿が変
似合わないスーツ姿
ジャケットを羽織って
キンキーブーツを履いて
工場内を闊歩するローラ
最高に
輝いていてカッコ良かった

2月に
Bunkamura シアターコクーン
罪と罰(2019_02_02)
で拝見した三浦さんと
身体つきが全然ちゃう!
短期間で
よくあれだけの身体
作りましたよね~

舞台役者として
また大きくなったなぁ~
確実に
順調に成長しているなぁ~
と嬉しくなりました

おまけ的なコメントになってしまいますが
ローレン役のソニンさん
言わずもがな
素敵です

しいて言えば
ラストで
ミラノのランウェイに
何故か
『プライス社』の従業員達が
登場して踊ってるところが
戸惑いました?
要は
‘ミラノのショー’から
時間が経過していて
‘地元ノーサンプトンのローラ&ドラァグ・クイーンのショー’
の場面に移行している
ってことなんですけど
多分
ショーは大成功
『プライス社』は
持ち直したんでしょうけど
一度暗転にして
舞台背景を
換えてた方が
すんなり受け入れられたかな?

ヘンリー五世

2019-03-08 | 舞台/役者
父ヘンリー四世の死と共に
ハル王子は新王となり
放蕩の限りを尽くした
若い時代とはうって変わり
才知溢れ尊敬を集める
ヘンリー五世に成長した
フランス皇太子からの
挑発を受けた新王は
ついに
フランスへの遠征を決意する
勇猛果敢な新王のもと
意気揚々と進軍する
イングランド軍
敵を迎え撃ち壊滅させようと
うずうずしているフランス軍
巻き込まれていく市民たち
‘名誉’の名のもと
戦いは悲惨なものとなっていく

圧倒的な兵力で
押し寄せるフランス軍に対し
瀕死の状態のイングランド軍
名君ヘンリー五世は
この窮地に何を考えるのか
どう立ち向かうのか
この大戦争は
人々に何をもたらすのか

彩の国シェイクスピア・シリーズ第34弾『ヘンリー五世』プロモーション映像


先月
観て参りました
『ヘンリー五世』

舞台は
3013年に上演された
シェイクスピア・シリーズ第27弾
『ヘンリー四世』の回想映像から
始まりました

あの
放蕩息子
ハルが
なんとまぁ~
立派な国王になったもんだ
と言うか
戦隊シリーズで
デビューしてから
学園モノ他で
ブレイク
実年齢と
ドラマで求められる
キャラとのギャップで
先細りにならなきゃ
いいんだけど
と心配したけど
そんな心配をよそに
早い段階から
舞台と言う
新たなジャンルに進出
映画においても
胸キュン路線から
脱却し
今年のアカデミー賞では
『孤狼の血』で
最優秀助演男優賞を受賞
今回
舞台を拝見して
役者として
本当に
成長したなぁ~
と思った次第です

σ(^_^;)の目に
直感に
間違いはなかった!
彩の国さいたま芸術劇場
遠かったけど
行って良かったです

しかも
5月には
『居眠り磐音』
坂崎磐音役を
演じると言うではないか!
もう狂喜乱舞
おこんさん役が
木村文乃さん
奈緒さん役を
芳根京子さんが
演じると言うのは
納得いかんが…

話し戻します
2016年10月
故蜷川幸雄の後継者として
『彩の国シェイクスピア・シリーズ』の
2代目芸術監督に就任した
吉田鋼太郎が演出した訳ですが
当たり前だけれど
舞台から
発せられる色彩
オーラとでも
言えばいいのかな?
空気感とか
蜷川さんの描く
世界とは
違いました
違いましたけど
蜷川さんの思いや情熱を
全員で表現しようとする
覇気を
役者さん達に感じました
そして
その昔
観客席の最後列
扉のあたりで
ほくそ笑みながら
舞台を見ていた
蜷川さんの姿を
ふと思い出しました

溝端淳平さんも
すっかり
舞台俳優が
板について参りましたね~

プラトーノフ

2019-02-24 | 舞台/役者
19世紀末
ロシア将軍の未亡人
アンナ(高岡早紀)の屋敷には
大佐のイワン(西岡徳馬)や
アンナに想いを寄せる
ポルフィリ(神保悟志)など
さまざまな人が集まってくる

その中で
アンナが秘かに想いを寄せるのは
妻子ある教師
プラトーノフ(藤原竜也)であった
プラトーノフの妻サーシャ(前田亜季)の弟
ニコライ(浅利陽介)は
大学生のマリヤ(中別府葵)に恋焦がれているが
マリヤもプラトーノフに惹かれている。
そんな中
アンナの義理の息子セルゲイ(近藤公園)が
結婚したばかりの妻を屋敷に連れてきた
その相手を見て
プラトーノフの心は激しく揺れ動く
何故なら
セルゲイの結婚相手は
かつての自分の恋人
ソフィヤ(比嘉愛未)だったのだ
アンナ ソフィヤ サーシャ マリヤ
4人の女性の愛が交錯する中
プラトーノフは破滅へと突き進んでいく・・・

舞台『プラトーノフ』ダイジェスト映像


久しぶりに
芸達者な役者揃いの舞台
安心して
見ていられる?
とは言え
ロシアの戯曲
堅苦しいのかなぁ~
陰鬱で抑圧された
暗く救いのない
展開ばかりなんだろうか
と思いきや…
喜劇あり
悲劇あり
悲壮感
漂う中にも
人間の滑稽さあり
それらを
芸達者な俳優陣が
好演していました

眉目秀麗にして
抜きんでた知性を持つ人物ではあるが
人間性と申しますか
人格?性格に
難ありの主人公
プラトーノフを
藤原達也が演じています
客席で
見ていたσ(^_^;)は
プラトーノフが
舞台に登場するや否や
何で
こんなしょ~もない男が
モテるんだ?

と思いました

麗しき未亡人ソフィア
聖母マリアのような妻・サーシャ
一途なプラトーノフの元恋人・ソフィア
思い込みの激しい女・マリヤ
プラトーノフと
出会わなければ
幸せな人生を
家庭を築けたと思うのですよ

幸か不幸か
出会ってしまった…


                 
金は低俗
生活は汚い
この世は汚物にまみれている
その中で
理想の女性と
高尚な愛を実践する


そんな夢想とも言うべき
持論を
自ら実行しようとする
プラトーノフが
徐々に壊れていく
理想と現実のギャップに
身動きが取れなくなり
思考回路がストップ
自滅していく行程を
藤原達也さんが
まぁ~
それはそれは見事に
演じていました
上手いです
こう言う
キャラクター演じさせたら
天下一品!?

罪と罰

2019-02-02 | 舞台/役者
~ Story ~
舞台は
帝政ロシアの首都
夏のサンクトペテルブルク
頭脳明晰な貧乏青年
ラスコリニコフこと
ロージャ(三浦春馬)は
自分が‘特別な人間’として
人類が救われ その行為が必要ならば 法を犯す権利がある
という独自の理論を持っていた
そして
強欲で狡猾な質屋の老婆
アリョーナ・イワーノヴナ(立石涼子)を殺害し
奪った金で
世の中のために善行をしようと企てている
そんな中
酒場で出会った
酔っぱらいの退職官吏
その後妻カテリーナ(麻実れい)ら
貧乏な家族を見ると
質入れで得たお金を
すべて渡してしまうのであった

ついに
殺害を決行するが
偶然居合わせた老婆の妹
リザヴェータ・イワーノヴナ(南沢奈央)まで
手にかけてしまい
罪の意識
幻覚
自白の衝動に苦しむことになる
そうして
意識を失い数日間も寝込んだ彼を
親友ラズミーヒン(松田慎也)が見守り
結婚のため
上京してきた妹ドゥーニャ(南沢奈央)と
母プリヘーリヤ(立石涼子)も心配をする

一方
老婆殺人事件を追う
国家捜査官ポルフィーリ(勝村政信)は
ラスコリニコフを疑い
心理的に追い詰めていき
更に
謎の男スヴィドリガイロフ(山路和弘)の登場に
翻弄されていく
そして
退職官吏の娘
娼婦ソーニャ(大島優子)の
家族のためへの
自己犠牲の生き方に心をうたれた彼は…

数々の
普遍的なテーマに触れながら
人間回復への
強烈な願望を訴えたヒューマニズム大作

三浦春馬 舞台「罪と罰」公開フォトコール ダイジェスト】


英国人演出家
フィリップ・ブリーン
「地獄のオルフェウス」に続き
「罪と罰」
観劇して参りました

ドストエフスキーも
『罪と罰』も
知っている
知ってはいるが
読んだことはない
読んだことはないが
雰囲気だけは
何となく
想像つく

ソーニャの母
カテリーナ・イワーノヴナ・マルメラードワ
元は
良家の出身だった彼女は
極貧生活の中
夫である
セミョーン・ザハールイチ・マルメラードフの死を境に
精神を病み狂気じみていく
このカテリーナを
麻実れいさんが
演じまいした
麻実さん久しぶりです
存在感あります



三浦春馬くん
物凄い勢いで台詞を発していた
ラスコリニコフ
いつまで
しゃべってんの?
ラスコリニコフオンステージ?
と思うくらい
台詞がエンドレス
膨大な台詞を
澱むことなく
噛むことなく
それはそれは
スラスラと
絶え間なく…
それだけで
脱帽

なのに
己の理論にしたいがい
老婆を殺害したものの
予想外の自体に遭遇
理論の反する殺人を
犯してしまった
ラスコリニコフの葛藤を
見事に表現していたのです

正当化された殺人は
大義名分のある悪は
許されるのか?
貧困に喘ぐ民衆の
不満・絶望感
その中で
神を信じる者とそうでない者との反目
理想的社会と現実社会との乖離
諸々の矛盾をかかえ
それでも人は生きていく
出口のない
救いのない
抑うつされた世界
救いが見えない

国家捜査官ポルフィーリが
絶対的正義を盾に
ラスコリニコフを追い詰めていく
ポルフィーリは正しい
正しいけれど
彼自身の言動や行動も
また
社会に適応しきれていない
正当に評価されていない
と言う矛盾をはらんでいる
矛盾に満ちた世界を
我々は生きている



光と影
正義と悪
相反するモノでありながら
対を生すモノである
そして
その定義自身も
明確ではない
常に変化し続けている
不安定な世界に
変化しないモノ
揺るぎない
確たる何か
信じうる
心の拠り所となる
救いは何なのか

ラストシーン
自らの罪を告白し
シベリアに収監された
ラスコリニコフを追って
ソーニャがやってくる
疲れ餓えた
ラスコリニコフに
バスケットから
パンを取りだし
半分を
ラスコリニコフに差し出した

パンをひとくちかじった
ラスコリニコフの背後から
光が…
後光のような光に包まれていく
ラスコリニコフは
涙する
見守るソーニャ

このシーンが
答えなんでしょう
落としどころ
なんでしょう
ソーニャが
象徴なんでしょう
一神教のお国柄的に…


                        

そうそう
いのうえひでのり氏が
観劇に来られてました
『偽義経冥界歌』
大阪公演前でお忙しいのに…
もしかして
次回作に
呼んで頂けるとか
三浦春馬さん!

民衆の敵

2018-12-10 | 舞台/役者
温泉の発見に盛り上がるノルウェー
南部の海岸町
その発見の功労者となった医師
トマス・ストックマン(堤真一)は
その水質が工場の廃液によって
汚染されている事実を突き止める

汚染の原因である廃液は
妻カトリーネ(安蘭けい)の養父
モルテン・ヒール(外山誠二)が経営する
製革工場からくるものだった



トマスは
廃液が温泉に混ざらないように
水道管ルートを引き直すよう
実兄かつ
市長である
ペテル・ストックマン(段田安則)に提案するが
ペテルは
工事にかかる莫大な費用を理由に
汚染を隠ぺいするようトマスに持ち掛ける
一刻も早く
世間に事実を知らせるべく邁進していた
新聞の編集者ホヴスタ(谷原章介)と
若き記者ビリング(赤楚衛二)
市長を快く思っておらず
家主組合を率いる印刷屋アスラクセン(大鷹明良)は
当初
トマスを支持していたが
補修費用が市民の税金から賄われると知り
手のひらを返す



兄弟の意見は完全に決裂し
徐々に
トマスの孤立は深まっていく
カトリーネは
夫を支えつつも
周囲との関係を取り持とうと努め
長女ペトラ(大西礼芳)は
父の意志を擁護する
そして
トマス家に出入りするホルステル船長(木場勝己)も
トマスを親身に援助するのだが…

トマスは
市民に真実を伝えるべく民衆集会を開く
しかし
そこで彼は
「民衆の敵」であると烙印を押される



ず~と感じていること
その都度
表面に浮かんでは
沈んでいく感情

何が正義で何が悪なのか
そもそも
正義とか悪はなんなんだ?
対極の観念でありながら
表裏一体の存在であり
片方のみでの
存在はありえない

人は
対極をなす‘観念’
両天秤の
真ん中で
危うい均衡を保ちつつ
存在しています



劇中の中で
堤真一さんが演ずる
トマス・ストックマンが
町のために
水質汚染の実態を
公表すべし!
と声をあげるも
町のために
公表すべきではない!
と言う声もあがる

民主主義の精神に則り
多数決で
公平に
事を決めようとする
一方で
言葉巧みに
多数の思考回路を
誘導しようとする者が
現れる



そもそも
多数決で決められた決議は
本当に正しいのか?
舞台上で繰り広げられる
光景は
まさに
リアル現実社会

他人の意見に
惑わさることなく
自分自身の頭で考え
判断・行動する

ひとりで立っていられる人間

大衆とか
その他大勢に
流されるな!

そうなんです
そうは思うけど…

結果的に
地球上から
人類が消滅すれば
自然の摂理は維持され
地球は救われる
と言う
発想に至るのでありました

シアターコクーン・オンレパートリー2018
DISCOVER WORLO THEATRE Vol.4
『民衆の敵』

12月23日まで公演中です



今年は

1月 
プルートゥ PLUTO
劇団☆新感線 髑髏城の七人 ~Season月/下弦の月~

2月
近松心中物語
劇団☆新感線 髑髏城の七人 ~Season月/上弦の月~

4月
地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15「ZEROTOPIA」

5月
劇団☆新感線 髑髏城の七人 ~Season極~

6月
お蘭、登場

7月
マクガワン・トリロジー

8月
ミュージカル『ナイツ・テイル - 騎士物語 - 』

9月
現代能 『陰陽師 安倍晴明』~晴明 隠された謎…~

11月
豊饒の海

12月
魔界転生
民衆の敵

13本観ることができました
有難いことです



今年の
舞台ベスト1は
これだなぁ~と
「豊饒の海」(2018_11_22)
をベスト1 に
あげた
σ(^_^;)ではありますが

数日前
WOWOWで
「プルートゥ PLUTO」
放送されたの
観たんです
やっぱり
これか!?
と思ったら
最後の最後に
「民衆の敵」が…

う"ぅ"~~~

決められない
 ベスト1 

と言う事で
ノーマル?な舞台
上位3作品は

「プルートゥ PLUTO」 「豊饒の海」 「民主の敵」 (あいうえお順に表記)

ミュージカル?エンターテイメント?作品
1位 劇団☆新感線 髑髏城の七人 ~Season極~
2位 地球ゴージャスプロデュース公演Vol.15「ZEROTOPIA」
3位 劇団☆新感線 髑髏城の七人 ~Season月/上弦の月~

今後も
舞台での活躍を期待したい役者さんは

今年
初舞台を経験した

土屋太鳳さんと
福士蒼汰さん

てな
感じです



来年は
今のところ

罪と罰 (出演:麻実れい/三浦春馬/勝村政信他)
プラトーノフ (出演:藤原竜也/高岡早紀/西岡徳馬他)
ヘンリー五世 (出演:松坂桃李/吉田鋼太郎/溝端淳平他)
キンキーブーツ  (出演:三浦春馬/小池徹平他)
ハムレット (出演:松雪泰子/岡田将生/黒木華他)
オレステイア (出演:音月桂/生田斗真/趣里他)
ブラッケン・ムーア (出演:岡田将生/木村多江/益岡徹他)

観劇予定です
ミーハーの極致的
ラインナップ


恐らく
劇団☆新感線とか
ぽつぽつ
入ってくると思われます
狂言や能も
タイミングがあえば
足を運びたいと思っています

生田斗真出演
劇団☆新感線いのうえ歌舞伎「偽義経冥界歌」
東京公演は
再来年(2020年2月)なんですよね~

              画像はエンタ☆ステージ他より引用しています

魔界転生

2018-12-01 | 舞台/役者
あらすじ
徳川幕府に反発するキリシタン一揆が
肥前国(長崎県)南島原の原城に立て籠もり
寛永15年(1638年)4月12日(旧暦2月28日)に
幕府軍の総攻撃により落城
およそ3万7千人が惨殺されるという悲劇が起きた
やがて
「魔界転生」という死者再生の術によって、
「島原の乱」の総大将
天草四郎【溝端淳平】 がこの世に蘇る
四郎は怒りと憎しみに燃え
幕府への復讐を決意する

隻眼の剣豪
柳生十兵衛【上川隆也】 は
江戸の屋敷で
北条主税【松田凌】 小栗丈馬【栗山航】 戸田五太夫【丸山敦史】 ら
配下の柳生衆たちと
日夜
剣術の稽古に明け暮れていた

幕府惣目付の父・柳生宗矩【松平健】 は
「島原の乱」後の視察を十兵衛に命じ
怪しい動きを見せる
軍学者・由比正雪【山口馬木也】 を
息子・柳生又十郎【木村達成】 に探らせる
長崎に赴いた十兵衛は、
「真田十勇士」の生き残り
根津甚八【村井良大】 と出会い
捕えられていた四郎の姉・お品【高岡早紀】 を救い出す
一方
「魔界転生」の妖術により
荒木又右衛門【猪塚健太】 田宮坊太郎【玉城裕規】
そして
宮本武蔵【藤本隆宏】 まで
歴史に名を残す猛者たちが次々と甦る
武蔵の呼び出しに応じ
宗矩は剣を交えるが
無念の想いから魔性の者に転生する

四郎は
大坂城に眠る淀殿【浅野ゆう子】 の霊を呼び覚まし
遂に「魔界衆」として
この世に姿を現す
錚々たる強敵が黄泉の国から転生した魔物たちに対し
柳生十兵衛を中心とする
勇猛果敢な「柳生衆」が立ち向かう
十兵衛は魑魅魍魎が跋扈する
悪魔の恐ろしい企てを阻止すべく
「魔界衆」と激突を繰り返す
悪鬼として甦った父・宗矩と十兵衛との闘いの結末は?
四郎の本当の狙いは何なのか?
果たして
十兵衛は魔界衆を討ち滅ぼせるのか…?




明治座
千穐楽公演
観てきました
明治座は
2006年の
『あずみ~AZUMI RETURNS~』以来

山田風太郎の伝奇小説
『おぼろ忍法帖』が
世に出たのは
やはり
深作欣二監督によって
映画化された
『魔界転生』(1981年)でしょうか
因みに
柳生十兵衛三巌【千葉真一】
天草四郎時貞【沢田研二】

その次は
2003年に映画化された
『魔界転生』
柳生十兵衛【佐藤浩市】
天草四郎時貞【窪塚洋介】

舞台では
千葉真一率いる
ジャパン・アクションクラブ
第1回公演ミュージカル
『柳生十兵衛 魔界転生』(1981年)

柳生十兵衛光厳【千葉真一】
天草四郎時貞【志穂美悦子】
伊賀の霧丸【真田広之】

(2011年 劇団ヘロヘロQカムパニー第25回公演あり)

2006年『魔界転生』
柳生十兵衛【中村橋之助】
天草四郎時貞【成宮寛貴】

そして
今回の
『魔界転生』と言う
流れとなりました

正直申し上げて
深作欣二監督版
『魔界転生』の段階で
原作『『おぼろ忍法帖』』から
結構
離れてしまってて
後の映画化&舞台化は
深作欣二監督版が
基本に
なっている気が
しないでもない


そして
何気に
2011年の舞台以外
全部見ている
記憶がある

今回の
『魔界転生』は
日本テレビの開局65周年を記念しての公演
脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦

ん?
5年前
日本テレビ開局60年特別舞台「真田十勇士」と
同じコンビ!?
堤幸彦 → SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~
そういわれてみれば
色の使い方とか
台詞の
ここそこに
SPECを彷彿させる
演出が…

音楽・映像・舞台を
融合させた
これまでになり
『魔界転生』を
楽しませて貰いました
大坂夏の陣で
自害したと思われた
豊臣秀頼が
実は生き延び
その子供が
実は天草四朗だった
と言う設定も
面白かったです

後日
DVDで
2006年度の
舞台を改めて
鑑賞~
成宮寛貴!!!!!

そして
感じたこと

何故
神は我らを見放した
エロイムエッサイム
エロイムエッサイム
我は求め訴えたり我は求め訴えたり


沢田研二の
天草四郎時貞
あれを超える
四朗はいません!
千葉真一の
柳生十兵衛三巌を超える
十兵衛も
いません

2019年劇団☆新感線39興行・春公演
いのうえ歌舞伎
『偽義経冥界歌』
この後でいいから

いのうえひでのり&中島かずき
劇団☆新感線版
『魔界転生』
観てみたいなぁ~
と思った

豊饒の海

2018-11-22 | 舞台/役者
又、会ふぜ。きつと会ふ

という言葉を残し
20歳で生命を落とした男
松枝清顕
彼を生涯追い求める男
本多繁邦

本多の人生に
松枝清顕の
生まれ変わりとして
登場する
3つの黒子の人々

清顕を
追い求めた本多にとって
彼の存在は
なにを象徴していたのか

そして
なぜそこまで
清顕に執着したのか

存在とは
世界とは
美とは
そして「私」とは




滅びゆく美に対する嫌悪
完全なる美への渇望
美しい言葉がおりなす
耽美な空間に
過去と現実が錯綜する

輪廻転生

本多繁邦が
時空の
合間にであった‘清顕’は
本多の願いも虚しく
美しいままで
自らの時を止める
本多だけが
時に流されていくのです

60年後
自らの命が
ようやく
その流れを止めようとする時
奈良の月修寺へ
清顕が愛した女性
清顕
綾倉聡子こと
月修寺門跡の元を訪れる

しかし
月修寺門跡からは
思わぬ言葉が…

すべては



まぼろし



又、会ふぜ。きつと会ふ

老いた本多繁邦が
舞台奥へと歩いていく
それは
清顕の魂を
探し彷徨う
本多自身の
輪廻転生への旅立ち…

探しに行こう
会いに行こう
美しかった
魂に

その人の名は
松枝清顕

うぅぁぁぁぁ~

もろ

三島由紀夫世界

たまらない

泣きそう

時代が錯綜するので
全神経を集中し
頭フル回転で
ひたすら咀嚼

「豊饒の海」
第一部「春の雪」
第二部「奔馬」
第三部「暁の寺」
第四部「天人五衰」
全四作が
2時間30分弱の舞台として
見事なまでに
構築されていました
いやぁ~
観劇です

ロンドンで
注目されている
マックス・ウェブスター
凄い!


Photo/ENJOY THEATER

~青年時代~
松枝清顕:東出昌大
本多繁邦:大鶴佐助
綾倉聡子:初音映莉子

~中年時代~
清顕の生まれ変わり?飯沼勲:宮沢氷魚
本多繁邦:首藤康之
久松慶子:神野三鈴
清顕の生まれ変わり?ジャントラバー姫:田中美甫


~老年時代~
清顕の生まれ変わり?安永透:上杉柊平
本多繁邦:笈田ヨシ
久松慶子:神野三鈴

物語が進んでいくうちに
清顕が
三島由紀夫と交差し
平岡公威自身になった

松枝清顕 = 平岡公威

「清顕の夢日記」= 「豊饒の海」

現世に
転生してるかもしれない
平岡公威の魂は
今この時代に
何を思う
何を憂う

東出昌大さん演ずる
松枝清顕が
中心人物(主役)と言うより
松枝清顕の魂が主役で
出演者全員が
輪廻転生する
松枝清顕の魂を
作り上げている
と言った印象を受けました
どの役者も
素晴らしかった
しいて言うなら
綾倉聡子役
初音映莉子さんではない

声が違う
立ち居振る舞いが違う
醸し出す雰囲気が違う

ならば
誰?
と言われても
困る

今年の
舞台ベスト1は
これだなぁ~


                  

現代能 『陰陽師 安倍晴明』~晴明 隠された謎…~

2018-09-10 | 舞台/役者
「陰陽師 安倍晴明」は
現代劇や映画に用いられる手法
イリュージョンなどを取り入れた演出で
注目を集める現代能
2001年に初演されて以来
これまで海外を含め
20回以上の公演が行われてきた本作が
今回
藤間勘十郎の脚本補綴
野村萬斎さんの演出によって
新たな
「陰陽師 安倍晴明」として
立ち上げられる
出演者には
葦屋道満役の梅若玄祥改め梅若実
安倍晴明役の萬斎
葛葉姫役の大空ゆうひらが名を連ねています

上演に際し
萬斎さんは
陰陽師・安倍晴明の世界と
能・狂言の世界
そして
プロジェクション・マッピングを含めた
現代劇のテクノロジーが激突し
かつ
人間国宝梅若実先生を頂点に
能・狂言・宝塚・日本舞踊が
火花を散らす
新しいエンターテインメントしての
能が誕生したと思います
と本作の魅力を
アピールしておられます



すでに
チケットが
一般発売されていたので
取れたら
行ってみよう!
と思っていた作品

2階席4列目舞台正面で観劇
3列目と2列目
空席あったから
正直
移動したかったわぁ~

だって
小生の前の人が
乗り出して観てんだもの
5列目の客は
いびきかいて
寝てるし…
マナー守れっ!

野村萬斎さん
2020年
東京五輪・パラリンピック
開会式・閉会式の総合統括
チーフ・ エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター就任で
時の人です

凄い人物なんだけど
萬斎‘さん’
とお呼びしてしまう
親しみのある
お方です



~あらすじ~
時は平安の御代
朱雀帝は宮中に今話題の陰陽師
安倍晴明と葦屋道満を呼び出し
術比べをせよ!と
命令します
その勝負に負けた
葦屋道満は
晴明を逆恨み
晴明の父・安倍の保名の許嫁
時の勢力争いに巻き込まれ
非業の死を遂げた
榊の前の霊を蘇られた
道満は
榊の前の死後
保名が
狐の精霊である
葛の葉と夫婦になり
晴明を生んだことを告げ
榊の前の
今は亡き夫
保名への嫉妬の念を
息子晴明に向けさせます

企み事を
逸早く察した晴明でしたが
彼の前に現れたのは
幼き折に別れた母
葛の葉でした

母の愛 女の嫉妬
様々な形で
晴明を苦しめる
榊の前
その背後に鬼とも化した
葦屋道満
父の許嫁である榊の前を
如何にして救うか
晴明と道満の戦いが始まる!



なるほどね~
プロジェクション・マッピング
能に持ち込みましたか…

台詞まわしは
古典に習いスローと言うか
さほど
アレンジを加えておらず
場合によっては
と言うか
人によっては
睡魔を誘う
‘呪詛’となって
客席に拡散?


正直申し上げて
新宿文化サンター大ホール
器が大き過ぎです
2階席からでは
登場人物の
表情がわからない!
世田谷パブリックシアターの
芸術監督に就任されているのなら
願わくば
パブリックシアター
我儘言うなら
シアタートラムくらいのキャパで
数日公演
して頂きたかったです

とは言え
葦屋道満を
演じておられたのが
人間国宝
重要無形文化財保持者
五十六世 梅若六郎
梅若実玄祥 
御年70歳

長期の公演は…



プロジェクション・マッピングを
導入していたわけですし
陰陽師と言う題材ならば
いくらでも
派手な演出できるところを
嫌味なく
古典から
はみ出してるけど
はみ出していない
出過ぎる下がり過ぎず
微妙なバランスを保ったあたり
流石です

日本語の台詞の美しさに
聴き入り
役者の
身のこなしの美しさに
目を奪われ
あっと言う間の
90分でした
年代問わず
楽しめる演出にだったように
感じました

2001年に
映画「陰陽師」に出演されて以来
陰陽師 安倍晴明
と言えば
野村萬斎

2015年
羽生結弦さんの「SEIMEI」で
呪縛から
若干解き放たれたと
仰ってましたが
それでも
インパクトのある
野村晴明



しばらく
能楽から離れていましたが
機会があれば
また
能楽堂に
足を運びたいと思います

本業に加え
世界が注目する
東京五輪・パラリンピック
開会式・閉会式の総合統括
チーフ・ エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターの大役を
担うことになった萬斎さん
お身体ご自愛ください!

             画像はステージナタリーより引用しています

ミュージカル『ナイツ・テイル - 騎士物語 - 』

2018-08-25 | 舞台/役者
舞台は
ギリシャのアテネ

テーベ王クレオンの甥
従兄弟にして
親友でもある
アーサイト(堂本光一)とパラモン(井上芳雄)
彼らの暮らす都市テーベは
アテネとの戦いで敗れ
捕虜となり
大公シーシアス(岸祐二)によって
アテネに連行される
由緒正しき騎士として?
共に
牢獄生活を
送っていたが
ある日
牢獄の窓から
セーセウス公の妹
エミーリア(音月桂)を見かけ
一瞬にして一目惚れし
恋に落ちてしまう
と同時に
親友だった二人は
恋敵となり
友情は突如不和となり
相手を裏切り者と
罵り合うようになる

そんな中
親族から保釈金が
支払われたことで
アーサイトだけが
牢獄から出され
国外追放
パラモンは
エミーリアの姿を
見ることが出来ない
別の牢獄に
移されてしまう
国外追放を
命じられたアーサイトだったが
愛するエミーリアを
諦めきれず
エミーリアの
誕生日を祝うために訪れた
踊りの集団に紛れ
お城へ先週
見事な踊りを披露した
アーサイトは
名を偽り
エミーリアの従者となる

一方
投獄中のパラモンは
牢番の娘(上白石萌音)の協力で
脱出に成功する
なぜ娘がが
そんなことしたかって!?
パラモンに一目ぼれ
ぞっこんだからです!
とは言え
当のバラモンは…
恋のトライアングル

森への逃げ込んだ
バラモンは
鹿狩りで森にきていた
アーサイトと再開
バラモンの逃走に手を貸すも
エミーリアの話題に
触れた途端
大喧嘩
決闘を始めてしまい
その現場を
セーセウス公に見つかってしまう
互いに
エミーリアへの愛を
騎士らしく
決闘で決着をつけたいと
願い出たセーセウス公は
それぞれ7人の助っ人を揃え
後日
戦うこと
その勝者が
妹エミーリアと結婚し
敗者には死を!
と宣言する



アーサイトに
一目惚れしていた
エミーリアでしたが
それを言えば
パラモンは殺されてしまう
そして
バラモンを逃がした
牢番の娘が
実は
幼い頃
行方知れずになっていた
親友フラビーナであり
彼女が
牢破りに加担した理由が
バラモンを愛するが故と知った
エミーリアは
ますますもって
真実を
口にすることが出来ずにいた
そして
この状況を
歯がゆい思いで
見守っていた女性がもう一人
シーシアスに
愛されながら
その実
敗戦国の人質として
半ば強引に
アテネに連れてこられた
アマゾンの女王
ヒポリタ(島田歌穂)だった

ヒポリタ
エミーリア
フラビーナは
戦うのではない
別の道が
誰も死なない
別の方法があるハズと
行動を開始する



東京芸術大学在学中から
歌唱力と演技力を
評価され
ミュージカル界のプリンス
と言われた
エリート中のエリート
井上芳雄に
堂本光一が
同じ土俵に立つ!?
それ以前に
ミュージカル界の第一線で活躍する
音月桂 島田歌穂 大澄賢也ら
正統派ミュージカル俳優陣に
ジャニーズの堂本光一が混じる!?
単身乗り込む!?
なんと無謀な挑戦するんだ
堂本光一

声のノビ・声量
太刀打ち出来るハズもなく
同じ旋律を歌う斉唱の場合
光一くんの声は
芳雄(ちゃん)さんの声量に負け
完全にかき消され
全然聞こえず
デュエットの場合は
主旋律パート芳雄(ちゃん)さん担当
確かに
頑張ってた
のど潰すこともなく
それなりに
頑張ってた
それは認める
そもそも
歌唱力
声量比べちゃいけない!

その分
ダンス良かった
魅せてた!
芳雄(ちゃん)さんと並ぶと
どうにもならない
身長差が
見ていて若干
辛かったけれど
演技自体は
ノーマルな台詞での演技は
負けてなかった
と思う
ジャニーズらしさを
完全に封印した
堂本光一を
魅せて頂きました

舞台がギリシャ
神話モノ?
騎士
戦争モノ
と思ったら
何よ恋愛モノじゃん
ん???
コメディー
最終的に
ギリシア神話の女神
アテナの名の元に
ヒポリタ
エミーリア
フラビーナの策略にハマった?
言いくるめられ??
男たちは
自分たちの取った行動が
愚かだったことに
気づかせられる!

武力では
何も解決しない
愛は地球を救う!


エミーリアも
アーサイトに一目惚れだったと告白
相思相愛だった事を知る

フラビーナは
パラモンに愛を告白
バラモンもまた
自分達の世話を
甲斐甲斐しくしてくれていた
牢番の娘を
初めて見た時から
好きだったんだと気付く

ヒポリタは
アマゾンに置いてきた
三人の妹達を
アテネまで
連れてきてくれた
シーシアスの心の大きさと
政略ではなく
心から
自分を愛してくれていたんだと気づく

求婚を受け入れ
みんな
幸せになりましたとさ

なかなかに
面白かったです

しかも
小生の好きな
俳優さんに遭遇!
舞台を
観劇するために
来場されていたのです
恐らく
井上さん繋がりかと思われます
プライベートモードの
Kさんを
私服姿のKさんを
拝むことが出来たのです!
当然
プライベートなので
騒いだり
サインや握手を
求めることなんざぁ~
致しませんでしたよ
あぁ~幸せ


         

マクガワン・トリロジー

2018-07-30 | 舞台/役者
1年おきに起きた3つのエピソードからなる
3部構成の舞台でございます
アイルランド共和軍(IRA)の内務保安部長
ヴィクター・マクガワンの3年を描いています
1部は
アジトとなっている廃れた地下のバーを舞台に
ヴィクターと同胞アハーン
司令官ペンダー
モヒカンのバーテンダーの
激しいやりとりが展開されます

2部は
背の高い草が生い茂る湖畔が舞台
手首を縛られた女を
車のトランクから出し会話が始まります
女はヴィクターの幼馴染で
そして
昔憧れと言うか
好きだった女性です
なのに
ヴィクターが
処刑しなければならない対象なのです



3部は
傷だらけのヴィクターが
老人施設に入院する
母の病室が舞台
窓か忍び込んだヴィクターを
呆けた母は彼を弟と勘違いし
話し出します
噛み合わない会話の中で
母の
ヴィクターに対する本音を
知ることになったのですが…

元々は
1部だけの
作品らしいんですけど
ヴィクターの
その後が知りたいと
見てみたいと
誰が要望いたのか
存じませんが
3部作になったとか

何故
その後が
知りたかったんでしょう
何故
そ~ゆ~発想に
なったんでしょう
お国柄?
恐らく
ヴィクターが
アイルランド共和軍(IRA)に
所属していると言う
設定だったからだろう
とσ(^_^;)は
思いました
母体の性質上
こうなるのが…



時は1984年 ベルファスト
登場するヴィクターは
支離滅裂
強烈でした
感情の起伏が
非常に激しく
既に
人格破壊しているんじゃないかと
思わせる
言動・思考・行動は
酒場の一室に
閉じ込められた人間に
狂気と恐怖を
植えつけます

ここでのヴィクターは
暴言をまき散らし
店内を動き回り
踊り歌い出す
他人の意を介さず
情報を漏らした
アハーンはおろか
司令官のペンダ―と
店にいた
バーテンダーも
殺害

現在放送中の
TBS日曜劇場
この世界の片隅に
北條周作演じている
松坂桃李と
同一人物かい!?
ってな具合に
強烈な
キャラクターを演じておりました
極端な
役を掛け持ちしているからこそ
できる演技?



1年後
1985年
メイヨー州の湖畔
処刑する対象者が
‘他人’から‘幼馴染’と
近い存在になっています
幼馴染ですよ!
しかも
恋心を抱いた女性です
彼女との
共通する思い出が
沢山あるだろう人を
処刑できるのか!?

ヴィクターが
処刑する場所と連行したのは
ふたりの故郷
懐かしい場所
そこで彼女は
話の主導権を握り
昔話をしたり
命乞いをしたり
車から流れてくる音楽に合わせ
一緒にダンスをしょうと求めます
ヴィクターの性格
知ってるからでしょうね~
内面に訴えかける心情が
見受けられます

当然
ヴィクターの内側で
葛藤が
迷いが生じ始めます
しかし
彼は実行する



そのまた1年後
1986年
ゴールウェイ州の老人施設
処刑の対象者は母
しかも
すでに呆けていて
人の判別がままならない母親です
そんな相手を
殺して何に利がある?

面会に来たのなら
入り口から
正々堂々
見舞いに来ればよいものを
何故か
窓から忍びこんだヴィクター
その顔には
殴られた刑責有り
流石に
母親を殺すことに
躊躇いを感じ
上司に殴られたとか?
ヴィクターと母親は
もの心ついた頃から
確執があったっぽい

溺愛される兄弟達と違い
嫌われたいた自分が
IRAに所属し
アイルランドのために
アイルランド人としての
誇りを持って
正義を貫いてきたのは
すべて
母に認められたい一心だった

でも
母親の口から
出てきたのは
ヴィクターの
アイデンティティーを
根底から
くつがえすモノだった

インディアンのような髪の男の子

その後
母親に
飲んでと
持参した薬を差し出します
いつもは
先生薬なんて
飲まないのに


横たわる母親を残し
ヴィクターは
入ってきた窓から…



処刑する対象者が
1部 → ‘他人’
2部 → ‘幼馴染’
3部 → ‘母親’

と恐ろしく
身近な人間になってきています
当然
ヴィクターの
言動・態度・行動
モチベーション
何より
ヴィクターの精神状態に
変化が見られます

外面と言うか
見た目にわかる
狂人じみた
突拍子のない暴言や行動パターンが
年々
抑えされてきている判明
ヴイクターの内面
感情の不安定さ
精神崩壊が
進んでいるのはあきらかでした



終わてみれば
1部で感情を
周囲にぶちまけていた頃の
ヴィクターの方が
ある意味
一番人間らしかった事に
観客は気づくのです

より自分に近い人を
殺めることで
ヴィクターが
感情のない
殺人マシーンへと変貌してく
その過程が
不気味で悲しい

呆けた母が
ヴィクター本人だと
認識せず発した
真実と言う銃弾が
ヴィクターの心を精神を
アイデンティティーを
存在する意義すら
一瞬で
‘無’にしてしまった

太陽の日差しが消え
暗くなった病室の壁に
騎乗した兵士が
剣(旗だったかも)を振りかざした人形の影が
映し出されます
これは
ヴィクターが去り際
テーブルライトを点けて
その前に
人形を置いたからなんですけど
その影は
横たわる母親を
守るようにも
先導しているようにも
みえるんです

それは
最後に残された
ヴィクターの感情欠片かもしれない
そんな気がしました

2016年の舞台「娼年」に続き
今回も
難しい役に挑戦した
松坂桃李さん
役者として
確実にキャリア積み上げてます!
嬉しいです!
2019年2月の
舞台『ヘンリー五世』
楽しみにしています

話それます

会員先行予約での
抽選ハズレに始まった
NODA・MAP第22回公演
『贋作 桜の森の満開の下』
チケット確保への道
正攻法で
手を尽くしてみたものの
健闘むなしく全滅
最後の望み
一般発売も
あかんかった
こうなったら
関係者の伝手を頼る
禁じ手が
ないこともないが…
WOWOW on the air
待ちますわ


          画像は舞台『マクガワン・トリロジー』ゲネプロより(撮影:岡千里)より引用しています