時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

藁の楯 4 

2013-05-02 | 映画
政財界を牛耳る大物
蜷川の孫娘が惨殺された
容疑者は
8年前にも
少女への暴行殺人事件を起こし
逮捕され
出所したばかりの清丸国秀

全国に指名手配され
警察による捜査が続くも
行方はわかぬまま
時間だけが経過していった

そして
事件から3ヶ月後

この男を殺してください
清丸国秀
御礼として10億円お支払いします

                 蜷川隆興


と言う
前代未聞の全面広告が
大手新聞社3社に掲載された



人間の屑を殺せば10億円が手に入る
日本中が俄かに殺気立つ

新聞広告が掲載された直後
記事によって
福岡で潜伏していた清丸を
匿っていた男に
殺されそうになった清丸は
身の危険を感じ
自ら福岡県警に自首

それを受けて
警察庁の上層部は
日本警察の威信を守るため
清丸を無事に警視庁に移送することを第一に
犯罪人の移送としては異例ではあるが
清丸にSPをつける事になり
警視庁警護課第4係の銘苅一基警部補と
同じく
第3係の女性SP
白岩篤子巡査部長が選ばれた
また
警視庁捜査一課の刑事である
奥村武警部補と
神箸正樹巡査部長も同行し
福岡に発った



福岡に到着した
警視庁の護送メンバーは
留置場で
警察官に襲われたと言う清丸が
手当てを受けている病院にかけつける
福岡県警の護送メンバーである
関谷賢示巡査部長と合流し
清丸本人と対面するが…

人を殺して金を得る
そんな常軌を逸した行動を取る人間が
出てこないことを祈るも

相次ぐリストラ
倒産により
生活に困った人達が
保険金を残すために首をつる世の中
逮捕されてでも
家族に金を残したい

ましてや
殺す相手は人間の屑
たとえ未遂に終わろうと
その報酬金額は1億円

追い詰められた人間
そして
全ての国民の殺意が清丸の命を狙い
執拗に追いかけてくる



敵は
1億2千万人!
護送距離1200km

残忍な凶悪犯を
命がけで守る価値はあるのか?
いつ?
誰が?
何処から襲い掛かってくるか分からない
緊張状態の中

命とは?
正義とは?
犯人に復讐を抱く家族の思い
犯人への刑罰
そして理性

5人の精鋭は
清丸を警視庁まで
護送出来るのか?



原作を拝読していないので
断言は出来ませぬが
原作を2時間弱で
描こうとしたため
要所要所のポイントを
ハショツた感ありありです

多分
無理やり
ストーリーを
ぶった切って
強引に
くっつけまくってます

すると
どうなるか!

役者に
背景となる筋書きを
台詞で
ササッと語らせるだけとなり
結果
薄っぺらいと申しましょうか
単なる説明止まりで
残念な結果となっております

冒頭
警視庁警護部警護第四係所属
銘苅一基警部補と
亡き妻の声が語る場面と
蜷川隆興が
死んだ者は●☆▼※◆!のセリフが
活かされていない(気がします)

台湾でロケしたであろう
ニトロを積んだトラックが
護衛車に突っ込むと言う
迫力があるような
ないような中途半端な
それでも
一応
前半の見せ場を最後に
尻つぼみになっていく追跡劇

更に後半がひどい
山梨県から神奈川県~東京までの
護送シーンがまったくなし!
場面がいきなり
山梨から警視庁前とは…

撮影許可が
下りなかったわけね
諸事情みえみえ



清丸国秀の背景も
見えてこない
ただただ
藤原竜也が
変質者と言うか
精神異常者を
実にイヤ~な感じで
演しておりまして
そのあたりは
流石
藤原竜也と言いたいところですが
イマイチ

判決後の
清丸のあの発言も
流れ的には
言わざるおえないでしょうが
本来は
あそこで
観客に
凄まじい怒りとか
憤りとか
憎しみとか
挫折感とか
焦燥感とか
敗北感とか
諸々の負の感情を
抱かせるハズが…

人質の少女を助けるため
清丸を襲おうとした
男を射殺してしまった
福岡県警捜査一課・関谷賢示巡査部長
清丸を守って絶命した
警視庁刑事部捜査一課・神箸正樹巡査部長
報われない

しかも
神箸正樹巡査部長は
清丸と同じく
母ひとり子一人の母子家庭…

もっと浮かばれないのが
警視庁警護部警護第三係所属
白岩篤子巡査部長
殺人犯に
容易に背中を見せるとは…
あれでよくもまぁ~
刑事やってたわね~

因みに
松嶋奈々子さんが演じておりますが
殆ど
『家政婦のミタ』の三田灯さんです

まぁ~
ラストが
裁判所の判決シーンではなく
白岩篤子の
一人息子の笑顔と
その笑顔に微笑み返す銘苅一基
この二人が
語らいながら
仲良く立ち去る後ろ姿のが
救いかな?

原作読んだら
少しはスッキリ出来るのか?
しかし
このジャンル
読むのにパワーがいるし…

ん~~~

読むべきか
読まざるべきか
それが問題だ!