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時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

蒼の乱 ~風を愛した女の伝説~

2014-04-03 | 舞台/役者
物語
都では中央集権の政のもとに
朝廷では貴族たちが贅沢三昧にくらし
地方の民たちには税が重く課され
貧しい暮らしを強いられていた
不満のたまる地方の民たちは
小さな叛乱を起こしては貴族によって封じられていた

あるとき
左大臣の屋敷で
国の行く末を占っていた渡来衆の一団が
国家大乱の卦を出したことを口実に武士たちに襲われた
窮地に追い込まれた彼らの長である蒼真と
蒼真の親友・桔梗は
坂東から京に出てきていた将門小次郎に救われる

蒼真と小次郎の運命の出会いである
二人は
その運命に導かれ夫婦となり
小次郎の故郷・坂東の地を目指し都を後にする

そこに都を騒がす大盗賊・帳の夜叉丸が現れ
蒼真達を海賊・伊予純友のもとへと連れていく
純友は
実は蒼真たちにとっては渡来の仲間
彼は小次郎に
国をひっくり返してともに新しい政府を立てようと誘うのだった
その様子を伺っていたかのように
純友の元に現れたのは
朝廷に仕える弾正淑人
何を企んでいるのか
単身
宿敵の海賊の頭領・純友に会いに来たのだった

一方
坂東に戻った小次郎と蒼真は
彼の叔父と国司
その妻・邦香らの蛮行に
坂東の民は苦しめられ続けていたことを目の当たりにし
小次郎の‘生涯の友’である相棒・黒馬鬼と一緒に
彼らを一気に蹴散らす
そこに
再び夜叉丸が現れ
小次郎を蝦夷の大王・常世王に会わせたいという

常世王の隠れ住む山奥で
王は小次郎に「この東国に小次郎が望む国を作ってほしい」
と語る
その話に共感した小次郎は
純友と常世王と共に反乱軍を組織し長となり
‘将門新皇’として朝廷と戦うが
ある出来事をきっかけに行方をくらましてしまう
そこで
妻である蒼真が小次郎の意志を継ぐ者として
‘将門御前’と名乗り
反乱軍を率いていくことになるが…



平安時代をモチーフにした
日のもとの国のお話で
これまた
日本の‘三大怨霊’※1のおひとり
様々な逸話を残す
歴史上の大物
平将門をめぐる
物語でございます

正義を愛する
勇猛果敢なイメージの将門公なのですが
以前
吉川英治歴史時代文庫「平の将門」を拝読し
既に
イメージは崩壊しております

将門公及び
将門ファンには申し訳ないが
今回「蒼の乱」に登場した
単細胞!
優柔不断?
思慮のなさは天下一品!?
とは言え
弱気を助け強きをくじく
正義の坂東武者
とも言い切れない
将門小次郎は
吉川英治歴史時代文庫「平の将門」の
将門公に限りなく近かったです

壮年期※2になったとは言え
まだ未熟感の残る将門小次郎を
松山ケンイチさんが
良い感じに演じておられました
これが
舞台2本目とは…

異国の地から渡来し
後に
将門小次郎と
運命的な出会いをする女性
蒼真を演じますのは
劇団☆新感線3作品目
4年ぶりの登場となる天海祐希
前半は
弱弱しい感漂う女性を演じ
次第に豹変(失礼)
将門小次郎以上に男っぽく
凛々しい
将門御前を魅せて頂きました

ある時は乙女
時に羅刹女はたまた明王と言わんばかりに
勇猛さを発揮
そして
菩薩の如く穏やかな境地に到達する
将門御前こと蒼真
このキャラ七変化をですね
見事に演じきっておられます

とは言え
どう見てもこの二人
夫婦と言うより
賢い姉とやんちゃな弟
百歩譲って
年上の賢い姉さん女房と
年下のやんちゃ夫…
それはそれで
悪くなかったけどねん

また
劇団☆新感線
2作品目の登場となりました早乙女太一
彼の華麗な殺陣シーン
立ち居振る舞いから台詞の投げ方
文句のつけようがございません
魅せ方を心得てますわ~
それこそ30代になって
体格的に貫録ついてきたら
益々
舞台栄えする役者になりそうです
『野獣郎見参』
『阿修羅城の瞳』
『アテルイ』等々
劇団の作品に登場する
主役を演じてくれる日が楽しみです


‘黒馬鬼’役の橋本じゅんさん
馬を…
馬になるとは…
人間臭い
素敵な馬キャラでした
その後
腰部脊柱管狭窄症はどんな具合なのでしょう
劇団に
無くてはならない存在です
御身お大事に!

クライマックス
涙腺の弱いσ(^_^;)は
涙しました

※1日本の三大怨霊…菅原道真/平将門/崇徳天皇
※2壮年…成人として体力・気力共に充実しているとされる年齢 伝統的には31歳から44歳までを指す


         
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