時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

孤高のメス 57

2010-06-10 | 映画
1989年
地方の市民病院に
外科医・当麻鉄彦が赴任してきた

見栄と体裁を気にかけ
簡単な外科手術ひとつまともに出来ない
外科医揃いの腐敗した病院で
次々と困難なオペを成功させる当麻



当麻の
目の前の患者を救いたい
という信念が
医療に従事するスタッフの意識を
徐々に変えていく

地域密着医療を目指そうとしていた
市長・大川松男が
市民病院へ搬送されてくる



彼を助ける方法は只ひとつ
脳死状態になった
武井静のひとり息子・誠から
肝臓移植を受けること

しかし
それは日本の法律では
いまだ認められていない禁断の手術だった



当麻は
患者や提供者を見守る
家族たちの熱い想いに打たれ
最後の決断をする

ただ
そこにある命を救うために…



『孤高のメス-外科医 当麻鉄彦』全6巻を
どう映画化するのかと
思っておりましたが
20年後の現在
当時
当麻をオペ看として
支えた看護師・中村浪子が他界し
彼女が遺した日記を
新米医師である息子の弘平が
読み進めるかたちで始まりました

回想シーンとして描かれております
上手い演出です



日記には
浪子の看護師としての姿勢
医師として当たり前のことを
当たり前にする当麻の生きざま
人から人へ
親から子へと
命をつなぐ事の大切さが綴られており
母浪子の日記を通して
弘平もまた
自分がここに存在する意義と重みを再認識します
医師としてどうあるべきか
患者とどう向き合って行くべきかと…



原作にない
中村弘平と云うキャラクターを登場させ
しかも新米医師

その後
弘平は田舎の病院に赴任するんですね~
院長先生のデスクには※%$#□&~
因みに
院長は手術中で
その院長が★△!!?@
なんですよ



良く出来てますよ
手術シーンもやたらリアル
移植した肝臓に
血が通って
肝臓が徐々に赤くなっていくとこなんざぁ~

リアルタイムで
肝臓の手術見たことないけど


倫理的な面については
賛否両論あると思いますが
その当たりは
流石に作品の中では
描き切れないですから…



そうそう
当麻と大川翔子との
恋花には触れておりません
胸糞悪い市民病院の外科医師や
町医者についてもサラッと語られる程度
実川剛先生が
ヘボ医者をバッサリと印籠渡してくれますし
スカッとしますよ!



                 

原作では
本当に沢山のエピソードがあるんですが
見事に削ぎ落としてます
ですが
その度合いも良い!

監督!
良くぞおさめるところに
おさめてくれました
って感じです

派手さはありませんが
気負わず
姑息な演出をせず
奇をてらうようなことも無く
じっくり作り上げた作品だと思います



当麻鉄彦を演じるにあたり
前に出ることなく
控えめに淡々と演じることを心がけた
何より
武井静や中村浪子のキャラクターが
しっかり描かれていて
それが良かったと
話されておりました

確かに…



余貴美子さんも夏川結衣さんも
素晴らしかったです
ですがやはり
堤さんの演技は
何て言うんでしょう
燻し銀のような
味のある演技でした

くぅ~

堪らんよ

‘感動をよぶ’とか
そういう部類の映画ではありません
安易に感動したとか
コメントしてはいかん!



先週でしたが
堤さんが出演された『A-Studio』の中で
つい最近
役者を辞めようと思っていたと云うコメントを聞き
驚いておりました
ここまで演ずることが出来る役者なのに…

応援してますから
役者続けて下さい!

ついでに
舞台は
もそっと大きな劇場でお願いします
シアタートラムだと
チケット取れません!
『アット・ホーム・アット・ザ・ズー』
観たかったのに…






        

この記事についてブログを書く
« 赤い指 85 | トップ | いざ鎌倉 »
最新の画像もっと見る

映画」カテゴリの最新記事