時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

吉原裏同心36 ~陰の人~

2022-04-29 | 読書
吉原を過去最大の危機が襲う
吉原遊郭四郎兵衛会所
四郎兵衛の無残な姿
すべてを乗っ取らんと
着々と勢力を固める一味
その周到な計略に
残された面々は苦境に耐えるばかり
一方
修業中の京から姿を消した神守幹次郎
最後の頼みの綱ともいえる彼は
一体どこにいるのか? 
そして、吉原は生き残れるのか
いま「吉原裏同心」は新たな時代へと踏み出す!



荒波屋金左衛門と紗世は
江戸市中にいるので
成敗すことも可能でしたが
江戸城やら屋敷にいる
徳川家斉の
御側御用取次
朝比奈義稙(よしたね)を
市中に引っ張り出してくるのは
難しかろうと思ったら
なんてことはない
吉原があった!

会所も
南北奉行所
老中幕閣も
お手上げ状態の状況で
幹次郎が
ほぼ単独で
解決してしまうわけですよ
サクッと
どんだけ~~~

御側御用取次が
死んだにも関わらず
老中・南北奉行が
朝比奈なんていう人物は
この世に
存在すらしていませんでした的に
事件をサラッと
消し去った下りは痛快
事なかれ主義バンザイ!
この時代だからこそ許される
顛末

一年の謹慎(修業)が解け
江戸に戻る
幹次郎と麻ですが
われら、一年の修業期間に得たものがあるのかと
思っているようです
あります!
『第5章 業の人(四)』329頁6行目以降
別れの宴に招かれた
メンバーをみればわかります
ズバリ
人脈
それしかない!

江戸札差伊勢亀屋後見にして
祇園旦那衆七人衆
名前は不明ですが
今回の件で
老中のおひとりにも気に入られたっぽい
江戸に戻れば
ゆくゆくは
吉原遊郭会所八代目頭取…

いつまで
この話は続くんだろう

以下
余談です
シリーズ35『祇園会』で
ぬい → お花さん → 四郎兵衛
と渡った
紗世の文箱
四郎兵衛亡き後
その所在が
不明となっていたのですが
何故か
ぬいが持っていました
ぬい曰く
九郎助稲荷神社の拝殿の傍らの
猫の巣箱に突っ込まれていたのを
見つけた
 … 『第4章 仇討ちの始末(四)』266頁以降の会話一部抜粋
らしいんですけど
四郎兵衛が
隠したんでしょうか
本当に
ぬいが偶然
見つけたんでしょうか
気になります

一年前
京に屋敷を構え
ツガル(阿片)で銭儲けしようと
企んでいた
豊後竹田岡藩ですが
あっけなく
京都町奉行に潰されたらしい … 『第5章 業の人(三)』316頁
話に加える必要
あったのか疑問

『第5章 業の人(三)』317頁13行目
幹次郎と麻が
京都所司代太田備中守資愛(おおたびっちゅうのかみすけよし)を
訪問した帰り
鴨川の右岸に出て
河原道を四条大橋へと下っているシーン

「幹どの、いい日どしたわ」
と麻が呟いた
「ああ、京に来る機会を作ってくれた
四郎兵衛様や三浦屋の四郎左衛門様に
感謝せぬとな」
「幹どのはに戻りはったら大仕事がまってますな」
「こればかりはそれがしがいくら独り頑張ってもどうにもなるまい
いまや四郎兵衛様はこの世におられぬ」

この会話の
麻の台詞
σ(^_^;)的に
に戻りはったら❜
ではなく
江戸(或いは吉原)に戻りはったら❜
が正しいのでは?
と言うか
しっくりくるんですけど…

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