韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

南大門のこと1

2008-02-14 11:10:00 | 韓国あれこれ
 きのう、全焼した南大門を見た。ミョンドンに向かう149番バスがちょうど南大門の横を通るので、バスの中から見たのだ。テレビやネットでは見ていたが、直接焼け落ちた南大門を見ると、なんともいえない感じになった。
 すでに日本でも報道されているが、今回の南大門の火事は70歳近くの老人による放火だった。以前にもソウル市内の昌慶宮(チャンギョングン)に放火したことがあると言う。アパート建設のための再開発で、自分の土地の買収価格が低いため世の中をうらみ、放火をしたそうだ。こんな話を聞いても、だんだん人間がおかしくなってきたような感じがする。
 南大門の火災に関して、もうひとりおかしい人がいる。
 今度、大統領になる李明博(イ・ミョンバク)だ。現場を訪れたとき、国民の募金で南大門を再建すると言い出した。募金はするべきだ。韓国国民だけでなく、韓国を訪れた観光客も募金をしたらいいと思う。ホテルやレストラン、免税店で募金箱を設置してもいいと思う。
 でも、大統領になる人がまず言わなくてはいけないことは、国の責任だ。文化財の管理の問題や、南大門の再建について、まずはっきり言うべきだ。とくに、この人はかつてソウル市長をしていた時、南大門のまわりを公園にして自由に立ち入れるようにした人物だ。南大門の前で、朝鮮時代の服を着た<守護兵>のパフォーマンスが始まったのも、この頃だったはずだ。こんなパフォーマンスは熱心だが、肝心の、南大門の管理や警備が後回しになっていたことが分かった。夜、8時以降は管理をする人間はいなく、機械警備に任せていたと言う。
 このことは、今回の火災ではじめて知った。韓国は徴兵制があり、軍隊の代わりに警察や公務員や駅員として働く若者もいる。そんな人が警備をしているものだと思っていたが、実は誰もいなかったのだ。これではいくら開放しても、意味がない。余りにも無責任だった。
 日本人の僕が、こんなに怒るのも異常かもしれない。でも、ソウルで20年近く暮らし、ここ2~3年は毎朝のように南大門の前を通っていた。だからこそ、怒るし言いたいことはたくさんある。二度と繰り返さないために、韓国や南大門を愛するゆえ、言いたいことがたくさんあるのだ。(続く)