韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

南大門のこと2

2008-02-16 14:37:19 | 韓国あれこれ
 木曜日の午後、ソウル駅まで行く用があったので、帰り道に南大門の現場によって見た。バスに乗って横を通り過ぎたのと違って、焼け落ちた南大門をすぐ前で見ると、痛々しい。大都市の中心に600年以上の歴史を持つ伝統的な建物が共存していた姿が、ソウルの魅力だ。そんな魅力のひとつが無くなってしまった事は、本当に残念だ。
 こんな事故がおきると、韓国のマスコミは決まって海外の状況を報道する。今回は文化財の保護に関した状況の報道であり、隣国の日本の状況が報道されている。まあ、防災訓練などの回数や中身は日本のほうが進んでいるかもしれない。今回の事故がきっかけになって、韓国の文化財保護政策がちょっとでも変わればと思う。都心にある文化財で夜間の警備がいなく、機械警備だったのは問題外だ。自由に近づける施設の場合は、やはりマンパワーの警備が必要だ。昼間のパフォーマンスの費用を削ってでも、そうるすべきだった。
 最近、韓国各地の寺院を訪れる機会が多いが、境内に消防車がそのまま置いてある場合がある。実際、韓国では山の中にお寺があるので、消防車を置いたままのほうが効果的だろう。でも、お寺によっては、ほとんど人がいない場合もあり(常駐している人が数人のところもある)万一火事になった場合、対応できるのか不安だ。
 有形の文化財を保護し後世に伝えるということが大事なことは、いまさら説明しなくてもいいだろう。特に、韓国の場合、有形の文化財が戦争や災害や火災などで多く失われている。豊臣秀吉の<文禄・慶長の役>や近代の植民地支配で、日本は韓国の多くの文化財を持ち帰ってきたり、破壊したりしている。こんなことを書くと、<嫌韓派>から証拠を見せろとか、正当な手続きをしたとか言われそうだが、僕はそう思っているので、あしからず。
 とにかく、日本の植民地支配でも、また韓国戦争でも生き延びてきた南大門が無くなってしまった。それを実際に見てきて、無くなったと言う歴史的な重みを一段と感じた。