韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

CBD-COP10に参加して (2)

2010-10-31 02:38:31 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 2008年のラムサール条約のCOP10からちょうど2年。環境関連の国際会議もこれで2回目なので、ちょっと余裕はありましたが、今回も通訳やコーディネータであちこち行ったり来たりしていました。写真で紹介しましょう。


 

 22日の午後に行われた水田湿地のシンポジウムです。遠くに見えるのが呉地さんだと思います。このシンポジウムには韓国からIcoop生協のクォン・ミオクさんが韓国での田んぼの生き物調査について発表しました(僕は通訳)。これ以外にもミミズの話などけっこう面白しろいシンポジウムでした。


 

 実は一番最後に予定されていたFAO(国際連合食料農業機関)のMatthias Halwartさんが、他の会議に出席するためトップバッターで発表をしました。ラオスやカンボジアでの田んぼの実態について説明をしてくれ、生物多様性が高く、それが食料に直結している実態を具体的に話してくれました。


 

 同じ日の夜は「日韓を中心とした湿地と生物多様性に関するホット・イシュー」というシンポジウムが開催。諫早湾干拓事業では弁護団の堀良一弁護士と原告の平方さんが出席。先日の長崎地裁での結審でも法廷に立った平方さんの「一日も早く開門をしてもらいたい」という訴えは心に響きました。


 

 次の写真は吉野川河口の井口さん。いつも元気なお姉さんです。釜山の近くのナクトンガンと四国の吉野川は雰囲気が似ているので、いつか交流をしたいですねと会うたびに話しています。

 このあと、新栄町のホテルの近くの中華料理屋(なぜ日本で中華を食べなきゃいけないのと思いつつ)で、ラムネットと韓国湿地NGOネットワーク、そして世界湿地ネットワークのメンバー、40人ぐらいで大騒ぎ。居酒屋での2次会にも20名ぐらいが参加しました。それにしてもルーマニアの代表のピーター、名古屋名物の手羽先をよく食べていましたね。2次会の会計は韓国環境運動連合のおごりになってしまいました。マ・ヨンウンさん、ご馳走様でした。そのあと、3次会に3名ほどで出かけ、2時半ごろにホテルに戻りました。ということで、長い1日が終わりました。
 

CBD-COP10に参加して (1)

2010-10-31 00:55:33 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 今週の月曜日に韓国に戻ってきて、相変わらずどたばたやっています。

 30日の午前1時半ごろ、生物多様性条約第10回締約国会議で「名古屋議定書」と「愛知ターゲット」が採択、ぎりぎりのところで会議は決裂を避けることが出来ました。共同通信によると、「名古屋議定書」の要旨は次の通りになっています。

 一、遺伝資源の利用で生じた利益を公平に配分するのが目的。

 一、遺伝資源と並び、遺伝資源に関連した先住民の伝統的知識も利益配分の対象とする。

 一、利益には金銭的利益と非金銭的利益を含み、配分は互いに合意した条件に沿って行う。

 一、遺伝資源の入手には、資源の提供国から事前の同意を得ることが必要。

 一、多国間の利益配分の仕組みの創設を検討する。

 一、人の健康上の緊急事態に備えた病原体の入手に際しては、早急なアクセスと利益配分の実施に配慮する。

 一、各国は必要な法的な措置を取り、企業や研究機関が入手した遺伝資源を不正利用していないか、各国がチェックする

 また、「新しい生態系保全の国際目標(愛知ターゲット)は『20年までに生物多様性の損失を止めるために効果的で早急な行動を取る』とし、焦点の保護地域については、陸域は少なくとも17%、海域は公海を含む少なくとも10%を保全するとの目標で合意した」(毎日新聞)とも報道されています。

 この「名古屋議定書」と「愛知ターゲット」の評価については、これから様々なグループで討論が始まるでしょう。マスコミでも数値目標の実施義務がないので実効性に乏しいという評価もありますが、まあ、これは机上の論理であって、今回のような国際会議での決議をどれだけ実効性のあるものにしているのかという「仕組み」を考えればいいのであって、「ラムサール条約」などはそんな「仕組み」の一つだと思います。

 それにしても、土壇場で目立ったのが松本龍環境相。9月中旬に環境相になったばかりで、それも実家が九州の建設業、松本組なので、公共事業の工事には理解があっても、環境には理解がなく、大丈夫かなとNGOなどでは心配していました。ところが、予想に反して、最期の1秒まで諦めないと宣言、自らの「議長案」で各国の代表を説得するというウルトラCを見せてくれました。1カ国でも反対があればダメという国際会議の難しさは2年前のラムサールCOP10でも経験しましたが、よく頑張って「名古屋議定書」と「愛知ターゲット」をまとめ上げたなと、ちょっと驚いています。

 今回もNGOで登録をしたので会議に出席できたのですが、21日の夜に名古屋に入り、25日の午後に韓国に戻るというスケジュールのため、本会議はまったく見ることが出来ませんでした。

 そのかわり、25日の昼間、日本各地で活動している仲間たちの集会があり、それには参加してきました。下の写真でマイクを握っているのが、沖縄市議となった桑江さん。この集会では、高尾山や上関などからの発言と共に、韓国の4大河川に反対するアピールも行われました(通訳していたので写真はなしです)