
これはプサン地方国土管理庁が慶尚南道に送った公文で、「慶尚南道が持っていた4大河川事業の事業権を取り消す」という内容です。4大河川事業は中央政府の事業ですが、一部の工事を関連自治体に代行させています。慶尚南道の場合、ナクトンガンの6~15工区の10箇所と47、48工区、合計8962億ウォンが投入されて、浚渫と河川環境整備をすることになっていました。
これに対して慶尚南道は10月26日に「ナクトンガン事業調整協議会」を設置しようと提案をしていました。ナクトンガンの7~10工区では大量の廃棄物が地下にあり、また文化財の調査も行っている最中で、周辺住民への補償問題も解決していないため、工事を進めることができなかったの主張しています。
韓国政府の考えは、唯一つです。来年、2011年末までに4大河川事業を終わらせるということだけです。すでに平均で堰(ダム)の工事は60%以上終わったという発表もありました。本格的に工事を始めて、1年ほどでこれだけのことをやったのですから、ものすごい話です。
工事のテンポの速さもすごいですが、反対の声を一切認めないという態度もすごいですね。今回の事業権の取り消しは、中央政府の地方自治への「宣戦布告」とも言えます。慶尚南道も行政訴訟で争う姿勢を見せていますし、もしプサン地方国土庁が発注元(新しい事業主)になって浚渫を始めた場合、土壌の検査や浚渫土用の土地使用許可取り消しなど、全面的に争う可能性があります。
たぶん、今回の問題が4大河川事業の今後を占う大きな試金石になる可能性があります。中央政府のゴリ押しに反対しようと、国民が声を上げるのか、あるいは中央の言うことを聞かない慶尚南道に問題があると見るのか、どちらにしても、慶尚南道に少しでも頑張ってもらうために、できることがないか考えて見ます。