韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

北朝鮮の砲撃について

2010-11-25 03:53:09 | 韓国あれこれ
 火曜日の夕方、有明訴訟団の皆さんのスンチョン湾ツアーでプサンの金海空港まで見送りに行ったあと、このニュースを知りました。テレビのニュースを見て、ついにここまでやるようになったのか、というのが最初の印象でした。その後、テレビやインターネットで仕入れた情報を元に、現時点での感想を述べましょう。

 日本や韓国のマスコミが分析しているように、キム・ジョンウン体制を固めるためにやったのは、まず間違いないと思います。ただ、民間人を含めて4名もの死者が出るという大規模な砲撃にエスカレートするのは予想外です。今までの北朝鮮のやり方を見ていると、強硬路線と柔軟路線を上手に組み合わせて、自分たちの要求を実現するという路線だったと思います。言い換えれば、キム・ジョンイル体制では強硬路線と柔軟路線を、大きな枠の中ではコントロールしていたということになります。

 今回の砲撃は、この<大きな枠>をはみだしたという気がします。つまり、コントロールが利かないレベルの砲撃をしたのではないかということです。聨合通信の報道によると、戦闘機同士の戦闘が起こる寸前だったというニュースもあります。韓国側が、若干の躊躇をしたおかげで、1日だけの交戦になりましたが、もし戦闘機がミサイルを発射していたら、1日ではすまない闘いになっていたでしょう。

 韓国のニュースでは今後も北朝鮮側の挑発行為は可能性が高いと報道しています。今回の交戦でキム・ジョンウンが、南側の軍事力はたいしたことがないと判断して、再度挑発行為を続けたら、かなり危ない話になります。西海岸の離島への攻撃だけでなく、非武装地帯や東海岸での挑発行為も考えられます。(このぐらいのことは、米韓の軍人たちは予想しているでしょうが)

 そうなると、アメリカ側の動きが気になります。ピンポイントで北側の中枢部に反撃をするというシナリオが進んでいるかもしれません。90年代中盤の核疑惑のときは、このような作戦が検討されたといいますし、実際にアメリカと韓国の軍事力で、やろうと思えば、十分可能でしょう。そうなったら、かなりの戦線の拡大と長期戦が予想されます。こんな予想が外れてくれることを祈っていますが。

 さて、こんな状況で、韓国国内は挙国一致体制に進むでしょう。そうなると、アメリカとのFTA交渉はいつのまにか成立してしまいますし、4大河川事業に反対することも難しい状況になるでしょう。予算も福祉関係はばっさり削られ、軍事予算が大幅に増えますし、自由に物が言えなくなるような気がします。

 とはいえ、まだ僕の回りはいつもと同じで、こんな大事件があったことが信じられないぐらいです。したたかと見るか、無関心と見るか、あるいは韓国軍を信頼しているのか、自分だけ助かればいいと、裏では準備をしているか、どうも良く分りません。あと、2~3日したら、事態の変化があるでしょう。そのときは、またお知らせします。


追記:両棲類シンポとスンチョン湾ツアーについては、明日あさって中に、くわしくお知らせします。