「男の人が弱いっていうのは 世の中が平和な証拠」。今朝、某局の朝ドラに出てきた台詞です。同感☆ 平和で温々育つから へなちょこが増えると嘆く方もお有りでしょうが、平和が故に根性が育たないというなら それも結構な話じゃないかと。
さてさて、延び延びになっていた芝居の感想です。
『隅田川の線香花火』(浅草 木馬亭 6/28)
脚本 / 演出:篠本賢一
出演:増山浩一、 横尾香代子、柘植英樹、
西村舞子、渕野陽子、柳鶴英雄、
中嶋義広、大沢一起、東郷淳、久堂秀明、
丸本育寿、原野寛之、大竹宏枝、
川居奈緒実、大沢静加、今野智子、
坂田純子、佐々木梅治、桂右團治 他
「日本の劇」戯曲賞2011(主催・文化庁)の最終候補作品。
幕末から明治時代に活躍した落語家 三遊亭圓朝と 不詳の息子朝太郎の、寄り添おうとするのにどんどん離れていく親子の切ない思いを描いた作品。落語の物語を 浅草 木馬亭 という小屋で上演するというのも面白い。小道具を使わず、扇子の見立てを使うなど、落語の技法を使った演出も見所のひとつです。記録が残っていないからか、圓朝の描写に比べ 息子の描写が薄いのが ちょっぴり残念。
物語の進行役を務めつつ圓朝の弟子(男性)を演じる女優さんの語り口が、どうも噺家さんじゃないかしら と思ったら、案の定 桂右團治 とおっしゃる噺家さん。なんと、真打ちです。
コクーン歌舞伎
『天日坊』(シアターコクーン 6/29)
原作:河竹黙阿弥「五十三次天日坊」
脚本:宮藤官九郎
演出 / 美術:串田和美
出演:中村勘九郎(法策 後に天日坊)
中村七之助(人丸お六)
市村萬次郎(猫間光義)
片岡亀蔵(お三婆/赤星大八)
坂東巳之助(北條時貞)
坂東新悟(傾城高窓太夫)
近藤公園(越前の平蔵)
真那胡敬二(観音院/鳴澤隼人)
白井晃(久助)
中村獅童(地雷太郎) ほか
宮藤官九郎の書く軽妙な台詞も効いているけど、それにもまして 串田演出には いつもながら感心する。テレビ画面を見るかの様な幕開き、舞台上の小屋を入れ替えることで 回り舞台よりずっとスピーディーな場面転換、『夏の夜の夢』さながらの被り物、ドラムやトランペットを使っての鳴り物... 等々、ん~~美しい
今回のコクーン歌舞伎では 役者が大幅に若返りました。これまでも 勘三郎が出ない年もありましたが、中村福助 中村橋之助 坂東彌十郎 中村扇雀といった面々が ガッチリと守り固めていたものです。それが 今回は 主役の若返りのみならず、脇も ぐっと新しい。淡路屋(笹野高史)さんも出ない代わり、近藤公園(大人計画)や白井晃、オンシアター自由劇場出身の真那胡敬二など 歌舞伎以外の役者を起用。テンポの良いクドカンの台詞に よく合っていると思う。
芝居の内容も 原作の流れを保ちつつ、「俺は誰だあっ!」の台詞に込められている通り 自分探しを織り込んだ作品です。勘九郎という若い主役を得て 新たに産声を上げたコクーン歌舞伎に相応しい エネルギッシュで若々しい舞台というわけです。若い芝居が求められる内容故か、「わぁ~~ 勘三郎そっくり!!」と思っていた最近の勘九郎(勘太郎)の芝居が リフレッシュした様に思われ、勘三郎をなぞるだけではない まさに勘九郎自身の「俺は誰だあっ!」という作品になっているのではないかしらん。なにより、勘九郎のキレが良くて、立ち回りもカッコイイ
その他、若手では 獅童も嵌り役でしたし、七之助 これがまた絶品
成駒屋の血筋を感じさせる芝居に 惚れ惚れしちゃいました。お嬢吉三を演じる福助が大好きなんだけど、いやぁ~ 負けず劣らずですョ 七之助の人丸お六
なかなかのものです
その他、坂東新悟の高窓太夫なども ひと皮剥けた感があって、勘九郎襲名と共に 新しい時代が幕開いたのだな と実感した舞台でした。
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切れの良い立ち回りを見せる 獅童 勘九郎 七之助
『三人吉三』みたいで好きだぁ~~♪
さてさて、延び延びになっていた芝居の感想です。
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脚本 / 演出:篠本賢一
出演:増山浩一、 横尾香代子、柘植英樹、
西村舞子、渕野陽子、柳鶴英雄、
中嶋義広、大沢一起、東郷淳、久堂秀明、
丸本育寿、原野寛之、大竹宏枝、
川居奈緒実、大沢静加、今野智子、
坂田純子、佐々木梅治、桂右團治 他
「日本の劇」戯曲賞2011(主催・文化庁)の最終候補作品。
幕末から明治時代に活躍した落語家 三遊亭圓朝と 不詳の息子朝太郎の、寄り添おうとするのにどんどん離れていく親子の切ない思いを描いた作品。落語の物語を 浅草 木馬亭 という小屋で上演するというのも面白い。小道具を使わず、扇子の見立てを使うなど、落語の技法を使った演出も見所のひとつです。記録が残っていないからか、圓朝の描写に比べ 息子の描写が薄いのが ちょっぴり残念。
物語の進行役を務めつつ圓朝の弟子(男性)を演じる女優さんの語り口が、どうも噺家さんじゃないかしら と思ったら、案の定 桂右團治 とおっしゃる噺家さん。なんと、真打ちです。
コクーン歌舞伎
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原作:河竹黙阿弥「五十三次天日坊」
脚本:宮藤官九郎
演出 / 美術:串田和美
出演:中村勘九郎(法策 後に天日坊)
中村七之助(人丸お六)
市村萬次郎(猫間光義)
片岡亀蔵(お三婆/赤星大八)
坂東巳之助(北條時貞)
坂東新悟(傾城高窓太夫)
近藤公園(越前の平蔵)
真那胡敬二(観音院/鳴澤隼人)
白井晃(久助)
中村獅童(地雷太郎) ほか
宮藤官九郎の書く軽妙な台詞も効いているけど、それにもまして 串田演出には いつもながら感心する。テレビ画面を見るかの様な幕開き、舞台上の小屋を入れ替えることで 回り舞台よりずっとスピーディーな場面転換、『夏の夜の夢』さながらの被り物、ドラムやトランペットを使っての鳴り物... 等々、ん~~美しい
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今回のコクーン歌舞伎では 役者が大幅に若返りました。これまでも 勘三郎が出ない年もありましたが、中村福助 中村橋之助 坂東彌十郎 中村扇雀といった面々が ガッチリと守り固めていたものです。それが 今回は 主役の若返りのみならず、脇も ぐっと新しい。淡路屋(笹野高史)さんも出ない代わり、近藤公園(大人計画)や白井晃、オンシアター自由劇場出身の真那胡敬二など 歌舞伎以外の役者を起用。テンポの良いクドカンの台詞に よく合っていると思う。
芝居の内容も 原作の流れを保ちつつ、「俺は誰だあっ!」の台詞に込められている通り 自分探しを織り込んだ作品です。勘九郎という若い主役を得て 新たに産声を上げたコクーン歌舞伎に相応しい エネルギッシュで若々しい舞台というわけです。若い芝居が求められる内容故か、「わぁ~~ 勘三郎そっくり!!」と思っていた最近の勘九郎(勘太郎)の芝居が リフレッシュした様に思われ、勘三郎をなぞるだけではない まさに勘九郎自身の「俺は誰だあっ!」という作品になっているのではないかしらん。なにより、勘九郎のキレが良くて、立ち回りもカッコイイ
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その他、若手では 獅童も嵌り役でしたし、七之助 これがまた絶品
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切れの良い立ち回りを見せる 獅童 勘九郎 七之助
『三人吉三』みたいで好きだぁ~~♪