たまごのなかみ

千葉県北西部在住。映画・観劇、近隣のこと。毎日 元気に機嫌良く♪

背番号137

2012年10月06日 21時36分02秒 | 観る
池袋・東京芸術劇場 リニューアル後のこけら落とし

NODA・MAP 第17回公演
エッグ(10/5 ソワレー)
作/演出:野田秀樹
音楽:椎名林檎
美術:堀尾幸男
衣装:ひびのこづえ
出演:妻夫木聡(阿倍比羅夫)
   深津絵里(苺イチエ)
   仲村トオル(粒来幸吉)
   秋山菜津子(オーナー)
   大倉孝二(平川)
   藤井隆(お床山)
   野田秀樹(場内案内係/芸術監督)
   橋爪功(消田監督)



いやぁ~ 誰が出るのかって事くらいしか知らずに出掛けたので、騙された騙された☆

劇場の梁に張り付けられていた寺山修司の遺稿『エッグ』を手に入れた劇場監督。戯曲『エッグ』を読み進める芸術監督の思い込みや勘違いのままに『エッグ』の登場人物達が物語を演じるという、入れ籠式の変形の様な仕立て。芸術監督が新たな事実を見付ける度に 登場人物の設定が変わっていきます。当初、エッグというスポーツの 選手達の物語だと思って観始めました。てっきり てっきり。そのエッグの対戦相手に、やたら 中国 中国と出てくるから、尖閣諸島の問題でも絡んでいるのかと思いきや、実は 第二次世界大戦中の満州 731部隊 の物語。

思い返せば、入団当初 補欠だった阿倍比羅夫(妻夫木聡)の背番号は、731部隊を連想させる「137」。“裸足のあべべ”として スター選手となってからの背番号は「1」、平川(大倉孝二)が「3」、往年の名選手 粒来(仲村トオル)は「7」だったのです。かなり重く暗いテーマを、観客が そうと気付く頃には すっかり物語に引き込んでしまっています。尤も、初日じゃあるまいし その位の予備知識を以て臨んだ観客も多いことと思いますが、私たち家族は 終盤近くまで すっかり騙されてしまいました。そんな演出上のトリックも含め、装置の使い方 アンサンブルの動かし方、cleverな演出家です。因みに、寺山修司に『エッグ』という作品は存在しないとのこと。



劇中、歌手役として 椎名林檎提供の8曲を 見事に歌って聞かせる深津絵里の歌声も 見所です
ICHIGO ICHIE movie
毒苺
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする