七つの短編が収められている。それぞれ違う媒体に発表したものを一つにまとめたもの。
雑誌掲載だと、読みやすく、ちょっと考えさせられても、結局は人生そう捨てたもんじゃない、また頑張ろうと、読者を元気づけるもの。それが大切。
どれも短くて読みやすく、買い物へ行く電車の行き帰りと、最近とみに重くなった私のPCでネットする時の合間に読んだ。
読者としては30代くらいの、結婚して数年から10年くらいの世代かな。しかし、結婚42年の私も面白く読みました。
ところどころに私自身の体験に引き付けてドキッとするフレーズがある。それはこれです。
人の魅力と欠点も、たいがいは根の同じものなのだ。他人を変えることはできない。こちらが変わることもできない。ただ、意地悪をしないとか、許すと言ったことができるだけだ。(シンガポールでタクシーを拾うのは難しい)
この年になるとわかるじゃない?たいていの人が、少しずつ変だわよ。百パーセントまともだなんていう人のほうが、気味が悪いわ。お互いお互いのわけわからない変なところを、許して生きていけるならいいんじゃないの?(天井の刺青)
心がほぐれて楽になりますね。そうそう、無理は禁物。人は許すこと。それでこそ、自分も受け入れてもらえる。そう言いたい人が三人ほどいますが、言いたいとこの私が思うところで、もう違いを受け入れてないも同然。いかんですねぇ。まだまだ修行が足りない。はい、人生は修業あるのみでございます。