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「空き家問題ー1000万戸の衝撃」 牧野知宏

2016-04-12 | 読書

昨年四月、ドイツ、ザスバッハバルデンで。暮らすには快適な家に見えました。


 

空き家が増えている。我が町内にもちらほら、賃貸ビルも古いのは埋まってない。

日本全体が人口減少する時代に向かい、それでもマンション、戸建ては増え続けているので単純に考えても、古い、人が住まなくなった家から空き家になって行く。売れないし、借り手もない。

昔なら三世代同居は当たり前、家が余ることはなかった。国の政策が高度成長期以後、住宅を増やして景気を刺激するものだったので、ついにその付けが回ってきたのかなと私は思う。

この本を読んで思ったのは、個人的には不要な資産を整理し、身軽になること。制度としては、都市や市町村の機能をコンパクトにまとめ、社会インフラの負担を少なくし、都会も地方も快適な暮らしができて、若い人が安心して仕事をし、子育てのできる社会にすること。

著者は三井不動産に勤務し、都市の再開発に携わってきた経験から、ある程度は私権も制限しつつ、大胆に使えない不動産を価値あるものへと組み替える必要があると説く。

一部はうなずけるし、そうできる地区も確かにあるだろうけど、個人の家もまとめて、一人暮らしの老人達が一つの家で助け合って暮らすという提言はちょっと首をかしげた。歳とると自分の気持ちをコントロールすることも難しく、性格は純化されます。いい人はそれなりに、我儘な人はいっそう我儘にグレードアップして、そこで上下関係もないとしたらうまくいくはずがない。

お互い家事能力のある姉妹が連れ合い亡き後一緒に住む・・・くらいしか想像できない。

空き家は今後も増えると思う。自治体に無償で寄付、私なら要らない不動産はそれでもいいけど・・・無理だろうし。

ことほど左様に空き家問題は解決が難しそうなのでした。

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