My Song My Foolish Heart

4月に12年の単身赴任が終わりました!、山が好き、キースジャレットが好き、街道歩きが好き、2012年中山道を完歩しました

氷平線 桜木紫乃を読む

2024-12-31 14:21:26 | 2024年 本

氷平線 桜木紫乃の短編集

もちろん舞台は北海道 全体的にモノトーンなのですが鮮やかな部分もあり

冷たいけど生々しい。

色彩を失った大地と空の表情が、そして空虚感を抱えながら生きる男女の

体温がしっかりと伝わってくる。

ひっこもごもみんな暗い事情を抱えながら北の大地でいきている。

真っ白に海が凍るオホーツク沿岸の町で静かに再会した男女の凄烈な愛を

描いた、氷平線

酪農の地を継ぐものたちの哀しみと希望を牧草匂う交歓の裏に映し出した

雪虫

その他全6篇 北海道のモノトーンの中に描かれる風景がずんと心にくる

作品でした。

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碇星 吉村昭を読む

2024-12-31 09:43:41 | 2024年 本

碇星 吉村昭を読む。

大垣書店に年末年始読む本を買いに行ったときに、帯の言葉 定年後あなたは

そう生きていきますか。という言葉にひかれて手に取った。

定年後を迎えた男のものがたりが8編、中には吉村氏の実話に基づく話が

2編の短編集

・・・・

翌朝、眼を覚ました彼は、会社に行かなくてよいことに明るい解放感を

覚えた。

家で寝転んでもよく、背広も着ずに思いのままに街を歩いてよいことに

気分がうき立った。

・・・・

定年で退職した者には二通りの生き方があるようだ。

その一つは、退職したことが嬉しくてならず、表情も一変して明るくなる。

朝起きても出社する必要がないことに胸を弾ませ、夜就寝するまでの時間を

浮き浮きとした気分ですごす・・・・

年金生活で贅沢はできないものの、小旅行をし、案内書を手に美術館や博物館めぐり

をすることもある。

少しの束縛もない自由な生活に満足し、新鮮な日々をすごす。

それとは対照的に、虚脱感に陥るものもいる。

定年退職後は、社会が自分を必要としなかった結果だと考え、なすこともなく

今に座ってテレビの画面に眼を向けたりする、時間が犠牲のように流れる

だけで、会社なくしては自分の存在意義がないのを感じる。

・・・・・

定年まで2年、なにか自分にあてはめて読むことができた。

2年てあっという間だろうな・・


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