
再読?再再読かもしれない、藤沢周平の江戸の人情ものは何回よんでも
飽きない。本所のしぐれ町という仮定の町を設定して、具体的にあの町
とあの町のあいだにと氏は考えて設定したみたいです。
連作短編集・・・でてくる人物はしぐれ町の住人
浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら
また別の女の誘惑にのって、その女に入れ込んでしまう、小間物屋の若旦那
大酒飲みの父親の借金を身売りして返済しようとする十歳の娘。
女房としっくりいかず、はかない望みを抱いて二十年ぶりに元の恋人に
会うが幻滅だけを感じてしまう油屋。
一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持ち
のゆれをしみじみ描く・・・
何回読んでも飽きない・・
読んでいてほかの時代小説の市井ものと違うのが悪者がでてくるが、それほど
の悪者でないという感じ、悪者は悪者なりに事情を抱えているというところ
が特徴でもあります。