歴史学者 網野先生の本を読む
独特な歴史観 問題意識が日本人は同じ言語・人種からなるという単一民族説にとらわれすぎていないか?
日本列島の東と西に生きた人々の生活や文化に見られる差異が歴史にどんな作用を及ぼしてきたかを考察し
考古学から社会 民俗 文化人類等に分析して
通説化した日本史像を根本から見直した野心的な論考。
ゆがめられた日本史像が、それ自体、日本人にさまざまな形で影響を与え、歪んだ社会現象を生み出している
いるものを見逃すことができない。
現代の日本人である沖縄人、アイヌに対する屈折した差別、さらに朝鮮人に対する長年のいわれなき差別は
間違いなく単一の日本民族、古代以来の単一な日本国家を前提とする歴史像にその根拠をもってると氏は思う。
また被差別を異民族とする全く誤った偏見も、同じ根から発するもといえよう・・・
この縄文文化の分布をみれば日本が東の文化と西は大きく違う
もちろん稲作が伝わるまで相当の時間もかかった。
などなど読んでいてほんとにおもしろい、歴史の教科書でならったのをひっくり返す本だった。
なかなかいい、歴史の見方がかわる。