浅田次郎 帰郷
このインパクトのある装丁!
戦場から帰還した兵士が女性と子供に敬礼をしている、写真は米国公文書館に保管 GHQの写真
この写真から内容がわかると思いますが・・・
敗戦しその残された悲しみを描いている作品集 戦争の悲惨さは分かっているがこの浅田次郎さんの作品
から見る敗戦で残ったものの悲しみや苦しみを描く視点は今まであまり強調されてこなかったかもしれない。
反戦小説でもあるが、戦争の悲しみの小説というべきだろうか
標題の帰郷は
帰還兵の古越庄一は信州松本の総領息子で嫁と小さなこどももいるが出征をした、テニアンにいったが玉砕したと
いう知らせで、残された妻は弟の嫁にこどもの娘に・・そこに庄一が帰還したがことをしり戻らずに上野へ
そこでアメリカ相手の売春婦 綾子(マリア)と会う、体が目的でないがとりあえず話を一晩きいてくれと
一晩をすごす・・戦争により運命がひきさかれた男と貧困で娼婦との心のふれあい・・悲しみがいっぱいだ。
「私、神様なんかじゃないわ、アヤコと読んでよ!」
夜の遊園地は舞台は後楽園球場と遊園地 そこで働く苦学生 勝男の話し・・
父を戦争で亡くし、母と親戚ひきとられ、母は再婚、勝男は叔父に育てられた・・母にすてられた悲しみ
はずっと背負っていく
戦争だから仕方ないと人はいうが、女房子供をしった苦労を考えれば敵前逃亡だろうが捕虜の辱めを受けようが
生きる方法がなかったはずはない、自分ならきっとそうすると思うほどに、戦死という事実が父の悪意の様な気が
してくるのだった・・・
最後は無言歌
無言は学徒動員の象徴
信州上田に無言館という美術館がある以前長野にいたときにいったことがある、この美術館は学徒動員された
美術学生の作品が展示してる美術館です。
無言の歌、学徒動員で海軍に動員された学生の会話の作品
無言のうた・・・
このような反省はないのだおるか、今の自民党や日本会議は・・いやいや実際戦争を経験しない人や
戦争で出世した二世や三世などわかるはずはない、日本は超階級社会になつていると思うが
明治150年を念仏のようにいう政権を恐ろしく思う。