先週の兵庫山からの道外れで、危うく日没になるところだった。
たまたまルートを変更したのが幸いしたが、次の目標となる
登岐山周辺は藪道らしく、コースタイム通りにいかないかもしれない。
また周回、縦走にしても取り付き点やデポする場所がなかなか難しい。
そうなるとやはり日の時間が長くなる春頃からの方が無難とのエントツ山さんからも
アドバイスをもらって、一応今年の石鎚山~剣山は前回で延期することにした。
そうなると次に考えていたのは『線で繋ぐ山歩き Winterバージョン』の阿讃縦走路の
全長130kmの県境歩き。過去にはこもれびさんのコモさんが16回に分けて線を繋いでいる。
コモさんのレポートはこちら
また例によってエントツ山さんが単独無支援で5泊6日で完歩している。
エントツ山さんのレポートはこちら
さてさて我々は何回で完結できるか、まずは西側からスタートしてみることにした。
本来ならこの阿讃縦走路は西側からのスタートなら余木崎からとなるはずだが、
皆さんのレポートを見てみると余木崎からの取りつきからの登りが怪しげな雰囲気。
ならば曼陀峠から余木崎に向かって歩けば、途中で道を外しても最後は国道に向かって
下って行けば何とかなる。もちろん同じ距離なら標高の高い峠から海岸線へ歩く方が
楽だろうという、へっぽこリーダーならではの軟弱な考えが一番の理由だった。
その行程を案内した時に『やっぱりスタートは余木崎だろう』とあっちゃんは思ったらしいが、
後になってやはり曼陀峠をスタートにして正解だったというのが判った。
まあ何はともあれ『線が繋がればいいのだ』とへっぽこリーダーと奥様たちの旅が始まる。
まずは道の駅とよはまにルリちゃんの車をデポ。そこから
あっちゃんの車で私の待つ曼陀トンネルの北側で合流。広い路肩にあっちゃんの車をデポし、
そこから旧道の曼陀峠へと私の車で向かった。(峠に車2台を置けるか分からなかったので)
峠には『四国のみち』の大きな案内板があり、その脇から西に向かってスタートする。
YAMAPでは五郎山となっている、594mの『海老済』までは四国のみち。
途中まではその四国のみちの道標が要所要所に立っている。
道は先週の玉取山~兵庫山の尾根道に比べると、道幅もあり
落ち葉が積もり柔らかく快適でとても歩きやすい。ところがあまりにも歩きやすい道が
594mの三角点を北に巻いて続いているので、その五郎山を登らず通過してしまった。
YAMAPの山頂ポイントの数が増えるのを楽しみにしていたあっちゃんが、
見逃してしまったのを残念がっている。
五郎山を過ぎると四国のみちの道標から、阿讃縦走路の札が目立つようになってきた。
前日に地形図をじっくり観察して見ると、今日のコースは小さなものを入れると
30回程のアップダウンが続いている。事前に奥様たちにもそのことを伝えていたが、
今までの県外の尾根道のアップダウンと比べると、標高差も大したこともなく
その内回数を数えるのもめんどくさくなってやめてしまった。
551mの標高点の手前で東側の眺望が開けた。谷あいの海老済の集落の奥に雲辺寺山が見える。
551mの標高点も道は南側に巻いていて、ここも踏まずに通過。
すると縦走路は広い林道に出た。五郷越えと書かれた場所は曼荼峠とは別に、
香川側の五郷と徳島側を結ぶ峠道だったのだろうか?
林道終点となっている場所から登って行くと南に肥窪の辺りだろうか、
色付いた木々の間に、段々畑と棚田が見えた。
この間にも何枚も同じような『タバコの投げ捨て注意!』の看板。
『ほらほら~』と奥様たちが私に向かってお小言を言ってくる。
倒木の跨ぎ方にも、二人の違いが出てくる。慎重に跨いでいくルリちゃんに対して
簡単そうに跨ぐあっちゃんだが、何だか平均台から落ちたように見える。
ここまでの間で一番長い坂を登りきると四等三角点 石砂に着いた。
するとルリちゃんが三角点の脇にキティちゃんのプレートが落ちているのを見つけた。
そのプレートを拾って木の幹にルリちゃんが括り付ける。
石砂からは何度かアップダウンして544mの標高点に向かって行く。
今回のように曼荼峠からスタートすると。登りきった後に道は左に振っているヶ所が何度もあった。
544mの標高点から下って行き、しばらく歩くとこのコースの中心部の防火帯の道になる。
県内なら五色台の国分台の防火帯が遠目に見ても判るくらいの幅のある防火帯だが、
ここの防火帯の見た目は3mほどの幅で、もうすでに半萱原になりつつあり、
もう防火帯の役割としてはあまり体をなしていない。振り返ると雲辺寺山が随分遠くになった。
その防火帯を登りきると金見山に着いた。二等三角点・田野々。
ここまででスタートから2時間。時間は10時20分。行程もおおよそ半分近くまで来ている。
『余木崎には13時を過ぎるけど、お昼ご飯を降りてからにします?』と奥様たち。
『それなら近くの上戸うどんに行きましょう!』と私。そう言った後は、あの太麺とイリコの出汁が
口の中に広がっていったのだった。『それじゃ~うどん目指して!』と金見山を早々に後にする。
金見山からも防火帯が続いて行く。金見山のすぐ目の前の防火帯も今は草木が
生い茂っているが、両側の木々の間を見るとその幅は10m近くはある感じだ。
この辺りからやっと川之江の辺りが見え始めた。
ここから小ピークには地元の人によるものか、山名の札が随所で掛けられていた。
途中の鞍部には地形図には載っていないが、香川側の田野々に下る道があった。
更に県境尾根に沿って続く防火帯は、建造物こそないが、さながら万里の長城の様に見えなくもない?
西には川之江の製紙工場の煙もはっきりと見え始めてきた。
地形図で見ると金見山から唐谷峠は直ぐ近くに見えるが、
小刻みなアップダウンが続き、意外と時間がかかっている。
金見山からは1.5kmの距離を50分近くかかって唐谷峠に着いた。
唐谷峠から大谷山は遊歩道となっているが、ここからもアップダウンは続き、
一般の人は決して歩かないような道。途中には2ヶ所ほど石材の丸い大きなテーブルと
バームクーヘンを切ったような椅子が並んでいた。また階段も石材で造られていて、
この辺りに石材の産地でもあるのだろうか?それにしても随分とお金をかけているのと、
2m以上ある石材の大きなテーブルを、山道のこの場所までどうやって運んできたのだろう?
三つ目の石材のテーブルが置かれたピークが大谷山だった。
時間は11時30分を過ぎている。今日の目標?のお昼ご飯まではまだ時間がかかりそうなので、
立派なテーブルと椅子に腰を降ろして行動食を口にする。
北に木々の間から観音寺市の港湾地区が望むことができる。
大谷山からは更に小刻みなアップダウンが続いて行くが、とにかく急な下りが続く。
落ち葉の積もった急坂は滑りやすく、ロープを使って下って行く。
すると途中から意味不明なPEロープが両側から張られていて、延々と続いていた。
背丈以上の高さに張られているので歩くのに邪魔にはならないが、意図していることが全く分からない。
しかも経年で朽ちたテープは切れ切れになり木に纏わりつき、景観を悪くしている。
その途中には手作りの見晴らし台?と木の枝に刺したビールの空き缶。
ここまで登ってきてさほど眺望もよくないこの場所で一杯?
見晴らし台から一旦登ると余木崎辺りがやっと見え始めた。
途中からは急坂に、真新しいトラロープが張られていた。
この時点であっちゃんが『あと5回くらいのアップダウンかな?』と言っているが、
小ピークから見えた先は、まだまだ小さなピークが続いている。
大谷山から1時間10分で四等三角点 石ノ口に到着。YAMAPのコースタイムでは
この間50分となっているが、先ほどの見晴らし台で休んだ時間を入れてもペースが落ちている。
大谷山辺りから地表には地滑り用だろうかネットが張られているが、
尾根道は樹林帯に囲まれていて地滑りを起こしそうな雰囲気もないのだが・・・・。
何だかこの辺りは解せない事ばかりだ!
相変わらず急な下り坂が続いて行く。『これ、反対から登っていたら大変だったね』と
あっちゃんと話をする。そうなると曼荼峠からスタートして正解だった。
真新しいトラロープは途中で途切れていて、それからは木の幹に掴まりながらのボーゲン下り。
次第に里山らしい、羊歯も現れ始めた。
道が高速道路の鳥越トンネル近くになると、川之江の境界杭が所々に立っている。
この縦走路には『阿讃縦走路』の札の他に、『讃岐山脈縦走路』そして
『讃岐山脈ロングトレイル縦走路』の労山の札がかかっている。
二本目の倒れた市境杭からは明瞭だった先ほどまでの道は、少し荒れ始める。
羊歯のプチ藪が無くなったと思ったら、松葉の落ちたまた滑りやすい坂。
なかなか最後まで楽はさせてくれない道だ。そうこうしている内作業小屋のある場所に出た。
そこからは左手に工場らしき建物が見え、道も続いている。
そのまま進むと工場の方へ出てしまうので、判りづらいが羊歯の中へと
テープを頼りに入って行く。すると羊歯の中の足元に四等三角点 余木崎があった。
今日最後の三角点から国道までは直ぐそこ。国道を走る車の音も聞こえてきた。
疎らな木々の間を下りきると墓地。そこからひょいっと降りると国道脇に飛び出した。
国道を向かいに渡り、コンビニの奥から工事中で作業している人に断りを入れ、
突堤を歩いて余木崎へ。突堤からは灰色の空の下、西讃の山々が見渡せた。
三人で今下りて来た山を指さし、これからスタートするフリをするが何とも白々しい。
時間はすでに13時48分。寒風の吹く余木崎から引き返して道の駅に戻り、
デポしたルリちゃんの車に乗り込み急いで『上戸うどん』に向かうが、
時すでに遅し、玉切れなのかもうお店は閉まっていた。
仕方がないので大野原まで車を走らせ別のうどん屋さんで、少し遅めの昼食となった。
うどんをすすりながら、次回のコースを相談する。次は今日の曼荼峠から六地蔵越えへと
考えていたが、あわよくば猪鼻峠まで行けないかとYAMAPの地図を見てみると、
猪鼻峠までだと20kmもあるのが判った。そして高低差もかなりのもの。
早々に諦め、予定通りで歩く結論に。お腹を満たした後はデポした峠へと戻って行く。
帰宅後カシミールでチェックして見ると、沿面距離12.3km。
累積標高は登り811m、下り1,345mとなっていた。今回のコース取りに味をしめて
次回も標高の高い六地蔵越えスタートを予定。奥様たちには『あくまで阿讃縦走路を
線で繋げればいいのです!』と言い含め、こだわりのないへっぽこリーダーの企画は続いて行くのだ。
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