深田久弥さんの何かの随筆に、山に登るときは必ず国土地理院の広域地図、いまでいうなら20万分の1地勢図を持っていき、頂上から遠くに見える山の名前を当てるのを楽しみにしていると書いていたのを思い出した。その地図の中でも20万分の1「日光」は地図上のほとんどが山また山である山深い地域であるような書き込みをしていた記憶がある。(違ったらごめん、今度調べておく)
いまオイラも注目している日光・尾瀬を含んだ会津の山々を地図に収めているのがこの「日光」であり、今日は、秋山に出かけようとしている会津の山々の位置関係を調べるためにこの地図を求めに行きつけのジュンク堂に行ったが、何と7月20日に閉店していた。ジュンク堂は、かつて駅前に2店舗を要して羽振りよく営業していたが、オイラが沖縄にいる間に今の店のあったビル1店に集約・移転していたが、とうとう仙台から撤退したみたいだ。さみしい。本屋の栄枯盛衰か、情報はネットで容易に調べられるし、若者を中心とした活字離れで、大型の本屋も大変みたいだ。
仕方なく国土地理院の地図を売っている駅前の丸善に足を伸ばし、この「日光」と「新潟」を買ってきたが、この丸善もいつまで続いてくれるか。ちなみに仙台には「地図の店」という小さな専門店があって、とうに廃業しているかと思っていたが、しらべたらしっかり営業していた。(失礼)。オイラの目の黒いうちに、国土地理院の地図が買える店が残っていてほしいと願うばかりだ。スマホで地図情報が得られても、やはり紙の地図の感触、とくに国土地理院の紙の地図の手触りの柔らかさと意外な丈夫さは、他に代えられない。
いまや、登山用の地図はほとんど昭文社の「山と高原地図」の紙とスマホアプリで足りるが、約100K四方の範囲の山を収めた20万分の1地勢図は、国土地理院の独壇場で、オイラも深田さんに習って、これからはこの種の地図を持参して、深田さんのように晴れた頂上で、眺める山々の名をを当てながら1時間も長居するオジサンでいよう。昔のぼった山と、これから登る山と、けっして登ることはないだろう山と、草花と同じように名前だけは確かめよう。それにしても「日光」・「新潟」気が遠くなるような山また山。
追記
調べてみたら、2015年にジュンク堂は丸善に吸収されていて、仙台は丸善に一本化されたということらしい。不勉強だった。本屋の名前が、どんどん消えていくのはさみしい。