仙台も緊急事態宣言下となり、野草園も30日月曜日から休園になるのだという。真夏日の予報だったが、解除が長引けば当分公園ともお別れなのかもしれないので、汗を拭きながら歩いてくる。
夏の終わりにミンミンとツクツクが盛んに鳴いていた。俳句の世界では、ミンミンが夏の季語、ツクツクが秋の季語となっている。カナカナも秋のセミということになっているが、立秋をすぎたら当地でもうカナカナを聞かない。かわって8月も終わりだというのにミンミンがやかましい。あらためてカナカナの儚さが愛しく思うが、オイラにとって、やはり秋のセミはツクツクに限られるのかもしれない。耳を傾けると「オーシツクツク、オーシツクツク・・」と鳴いて最後は「オオイイヨ、モオイイヨ」と聞こえてしかたがない。
「もお十分生きたよ、恋もしたよ、いい人生だった、もう死んでもいいさ・・」とおしゃべりしているのかもしれない。
つくほうし 別れの挨拶 オオイイヨ
空蝉も 花のにほひに 留まりぬ
ミズヒキと キンミズヒキの 糸縺れ
ツユクサや 千切りて揉んだ 指の色
精霊花 墓碑に傾け 祈りたき
*精霊花はミソハギのこと
まっすぐを めざしてのびる すすきかな
独活(ウド)の花 みどりの蜘蛛に 家を貸す
臭木(クサギ)の実 あと何日と 指を折り
*美しい藍色の宝石が顔を出す
ユリの銃 エメラルドの弾 放たれし
*テッポウユリか
秋 降りて レンゲショウマてふ 宇宙船
アカトンボ 五輪候補となりぬかな