里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

冬季に切りわらのすき込みと木炭で土作り

2023年12月26日 | 畑:土物類

翌年に向け、冬季に空いた畑の土作りを行っています。
この畑はインゲン、エダマメ、サトイモ、カボチャ、オクラなどを作った畑。
今年は11月半ばにはすべて片付けました。
我が家の畑は殆ど粘土質土壌。とりわけこの畑は強粘土質で扱いにくく湿害を起こしやすい。
そこで、冬季は栽培はせず、専ら土作りの期間に充てます。
1ヵ月ほど前に切りわらのすき込み作業を行い、昨日再び耕耘作業を行いました。
次のような手順です。
今年畝だった所は翌年は畝間(通路)、今年畝間だった所を翌年畝になるよう毎年交互に繰り返します。


一度に全体をやるのは大変なので隔年で畝になるところを重点的に土作りするようにしています。
尚且つ同じ所を畝にしないことで連作障害の回避も期待しています。
まず、今年畝間(通路)だったところに切りわらを入れます。ここが来年は畝になります。


切りわらは田んぼの収穫後に近くに運び堆積して置いたもの。
通路が埋まるくらいたっぷりと入れます。


次にクズの木炭を散布します。


木炭は活性炭と同様で、湿害を抑え根張りをよくする効果があると言われています。


実際どの程度の効果があるのか分かりませんが、少なくとも悪くないことだけは確か。
この木炭は30年以上前、父が健在の頃に焼かれたもの。
クズの木炭の在庫が未だ残っているから出来ることなのです。
次に石灰窒素を散布します。


これはわらを腐らせるのを促進させるためのものです。
大量の切りわらを畑に入れると腐るのに土の窒素分を取り込みます。
そのため、窒素を補給しないと作物が窒素不足に陥る心配があるのです。
数ヶ月の間にじっくりと切りわらが腐れて、強粘土質土壌が改良されることを期待しています。


次いでトラクターでゆっくりと深く耕耘します。夕日を浴びながらの作業となりました。


耕耘は重複するように行います。切りわらの量が多いため一度の耕耘では無理です。


最後にもう一度仕上げの耕耘。最後はすっかり薄暮となりました。


しかし、これでもまだ均平にはほど遠い。
それから何度か雨にも当ったので、ほぼ1ヵ月経った昨日再び耕耘しました。


切りわらもかなり土に馴染み均平度も増してきました。やはり薄暮の耕耘です。


冬を越した後、春には作付け前に再度耕耘します。


水墨画「シクラメン」

2023年12月25日 | 水墨画:草花
本画仙 色紙    

今日はクリスマス。当たり前のことながら昨日はイブ。
今や特段変わりのないごく普通の日常として過ぎていきます。
せめてもと画を描いてみました。
クリスマスの花と言えばポインセチアのイメージですが、今回はシクラメンを。
12月に花屋さんの店先に並ぶ鉢物で一番多いのがシクラメンではないでしょうか。
昔からみると今は花の色も形も非常にバラエティに富んでいます。
そして、シクラメンで多くの人が連想すると思われる小椋佳作詞作曲の「シクラメンのかほり」。
当時、小椋佳とは何者と話題になりましたが、バンカーでシンガーソングライターの二刀流だったのでした。
二刀流それぞれで功成り名を遂げたのですから、その才能に脱帽。素晴らしいの一語です。
「シクラメンのかほり」で紡がれる言葉が新鮮で印象的だったことは間違いないでしょう。
この中に出てくるシクラメンは真綿色したシクラメン、薄紅色のシクラメン、そして薄紫のシクラメン。
ここは薄紅色のシクラメンをイメージして描いてみることにしました。
描き出しの思いとは裏腹に花びらを線描きで補筆することになりました。


シュンギクは不織布のトンネル掛けで穫り続ける

2023年12月24日 | 畑:葉菜類

日本海側は大雪に見舞われたところもあるようですが、当地は薄ら白くなったものの積雪量カウントはゼロでした。
しかし、かなり冷え込んではいます。
そんな中シュンギクは不織布をトンネル掛けし、穫り続けています。
品種は「中葉春菊」。
種播きは9月21日。10月20日過ぎから抜き取り収穫を開始。
気温が高く経過したため11月早々から摘み取り栽培に移行、11月下旬からは側枝(わき芽)の摘み取りとなりました。
側枝(わき芽)の摘み取りが始めれば最盛期入りです。
気温が高く経過したこともあって生育は旺盛。
しかし、葉物の中ではシュンギクは低温に弱い。強い霜が降りると凍害を起こしてしまいます。
そこで今年は少し早めに12月10日頃から不織布をトンネンル掛けしました。
かなり収穫しているのですが、すぐに伸びてくるので未だ畝全体に茂っています。


主枝(親茎)は極力2、3芽で切るようにしているのですが、数芽残しになっている株が結構あるようです。
それでもしっかりした茎が多く、徒長はしていません。
主枝(親茎)を摘み取ると、側枝(わき芽)が伸びてきます。
側枝は初め横に伸びた後、次第に立ってくるので茎葉やや湾曲します。
側枝は長さが20~25㎝くらいになったところから順次摘み取ります。
沢山茂って伸びているこの辺りを収穫してみます。


この株の伸びている側枝(わき芽)を2芽くらい残して3本切ってみます。


1本目


2本目


3本目


切り跡です。


周辺を纏めて数株摘んでみました。


軟弱徒長した細いシュンギクは品質がよくありません。
茎のしっかりしたシュンギクが穫れました。


1本でも十分なボリュームです。


早く切った側枝(わき芽)からは孫のわき芽が大分伸びてきました。


当地の露地栽培ではこの孫茎まで穫るのは容易でありません。
これから厳寒期に向かいますが、不織布のトンネル掛けでどのくらい持つでしょうか。


干し柿づくり'23~贈答品にする

2023年12月23日 | 干し柿づくり

干し柿を贈答品にしました。
今年は順調に乾燥が進み、輸送時に傷む心配もなくなりました。
近年はあんぽ柿の状態で早めに贈るようにしています。
少々負担に感じるようにもなっていますが、この時期相手方もその気になっているので止められません。
近くの親しい方には縄付きをそのまま届けます。
箱詰めにして贈るのは、遠方の親戚、知人あてのものです。
昔は、縄付きで数十個贈ることも珍しくありませんでしたが、今は20個程度にさせて貰っています。
但し、姿の良いものを選別し、贈答らしい体裁を整えて箱詰めにしています。
贈答にするのは主に横吊りにしている方で、現在はこのように覆いをしています。


横吊りにしている片方の覆いを外し、姿の良いものを選びます。


こちらは縦吊りですが、今年は特大玉はないので横吊りとの違いはあまり感じません。


昨年と比べると全体に小さく、ボリューム感では見劣りします。
色上がりはまずまず。見栄えは白粉が少し吹いてきた頃の方が良いとは思いますが。
昨年は大玉のためまだ軟らかく潰れる心配がありました。今年はその心配はありません。
まず一つ作ってみます。


昨年は少し盛り上がり押し潰されそうになった記憶があります。
それから見ると今年は大玉が少なく物足りなさは感じます。
それでも比較的大玉のものを選び20個詰めにしてみました。


結構ボリューム感が出て、それなりの姿になりました。


もう一つ作ってみます。


こちらはサイズが一回り小さいので25個詰めに増量しました。


ボリューム不足は個数で勘弁願うことにします。
さすがにこちらは少し盛り上がる感じになりました。


今はあんぽ柿の状態で贈っていますが、昔はもう少し白粉が回ってから贈っていました。
小生的にはそのくらいに進んだ方が好きです。しかし、贈る時期が遅くなってしまいます。
今、当地方では殆どあんぽ柿の状態で店に出回るので、むしろ白粉の回らないのが一般的かもしれません。
贈る側も早めに贈った方が管理の期間が短く気楽ではあります。
白粉が吹いた硬めの干し柿が好みの人は受け取ってから少し置いて食べてもらえばいいと思います。
何はともあれ贈答が済めば一安心と言ったところ。


冬至に「雪化粧」カボチャ

2023年12月22日 | 畑:果菜類

今日は冬至です。
冬至と言えばカボチャ。
何とか冬至カボチャを確保できました。
冬至カボチャ用に作っている品種はサカタのタネの「雪化粧」。
7月1日に直播きしたものの初期の生育が思わしくなく、最後に残したのが5株。
9月の姿がこんな感じでした。


気温が高すぎ干天続きで、着果には悲観的でしたが、このような白い果実数個が辛うじて着果。


そもそも厳しい作型ですが、今年の酷暑ではなおさらでした。
これは収穫時。茎葉も大分傷んでいました。


サカタのタネでは、「雪化粧」は開花後50日で最高の品質になるとしています。
今年の気温を積算すると45日くらいで同等に達しましたが、遅い開花のものに合わせたので完熟は間違いありません。


10月9日に小さい果実1個を含め5個を一斉収穫しました。これが収穫直後のもの。


過去には収穫ゼロの年もあったので、今思えばあの猛暑でよく実が着いたものだという気がします。
「雪化粧」は極粉質の貯蔵性が極めて高い品種です。
サカタのタネでは、1カ月程度の貯蔵で甘みが増し食味が最高になるとしています。
冬至カボチャへの利用が目的ですが、最も美味しいところで食してみようと2個はすでに消費済みです。
確かにホクホク感抜群で美味しい。助っ人の評判も頗る上々。
今残っているのは小さい果実含めて3個です。


九重栗カボチャの3番果もまだ残っています。


こちらは9月13日に一斉収穫。沢山穫れましたが、ここまで置けばかなり劣化しているはず。
冬至カボチャの確保のため取り敢えずはここまで取っておきました。
外観上の傷みは見られないので利用するのは十分可能でしょう。
これまでに何度か作っている同じ白皮系のカボチャに渡辺採種場の「白爵」があります。
「白爵」はほぼ純白ですが、「雪化粧」はやや青みがかった灰色。
収穫当初に比べると色合いが少し変化しています。


「雪化粧」を切ってみました。綺麗で良さそうに見えます。


見た目では11月に食した「雪化粧」と変わりないようです。
「九重栗」など黒皮カボチャと比べ黄色味がやや薄いのが白皮カボチャの特徴です。特に皮に近いところ。
冬至にカボチャを食べる風習は全国各地にあると思います。
当地方でも昔からの習わしで、カボチャを食べると風邪をひかないと言われます。
当地方の冬至カボチャは小豆と一緒に煮込むのが一般的。我が家ではシンプルなかぼちゃ煮です。
冬至にカボチャを食べ、先日頂いたユズで柚子湯に浸かれば某かの御利益はありや。