さて、続編です。
くちこも目出度く看護師になり就職。
※国家試験中、早々に解答用紙を提出して、勝手に一人でタクシーで帰った奴ですが・・・
引率していた担任は探しまわしたとか?
当時の労働環境って、もうさ、論外
くちこの就職先は定員50人位の病棟でしたが、地域唯一の総合病院だったので、
個室はずらりと癌末期患者。
未だ救急病棟って無かったので、夜間の救急患者も受け入れなければいけない。
多岐にわたる看護業務に加え、配食配膳まで夜勤看護師がするのですが、
17:00~24:30までの準夜勤ね、看護師一人でやるの
※20:00まで、応援が一人いたけどね。
で、
新米くちこ天使、否、怪しい看護師がバタバタと一人で踏ん張っていると、
先ず、
当直婦長から電話
「そんなに忙しいの?
どうしてもできないんだったら、私が行きましょうか?」
くちこ的には意味不明。
よおく訊いてみると、
くちこが、どうしてもできない事とは、
遺体を下に降ろすこと。
く「遺体はありません」
婦長「なんで?」
く「どこにも無いからです」
さらによおく訊いてみると・・・
未だ生きている患者が、死んだことになっていて、
あろうことか、解剖が申し込まれている
く「生きているのは事実です。」
唐突に電話は切られたのでした。
それから当直婦長がどうしたのか?
くちこは知る術も無かったのでした。
カルテを確認したら・・・
※昔なので手書き紙カルテです。
既に、死亡記事が書かれていました
あーなって、
こーなって、
何時何分に死亡。
の、時間の所だけスペースを空けて、
死亡記事として、ちゃんと赤字で記載済み。
どうも、夕方、書いて帰ったらしい、主治医が。
その内死ぬだろう、と。
しかも、手回しよく?解剖まで申し込んでいたとは・・・
呆然とカルテを見ていたら、
エレベーターの扉が開いて、
開くと同時に、怒鳴り声が
「一体、何をしているんだ」
いつもはとても温和で、医師としての腕も確かな内科部長でした。
深夜、他県から呼び出された解剖医がずっと解剖室で遺体を待っていたが、
当直に確認しても埒が明かず、
とうとう、帰ってしまったんだぞ、と
そう、
その解剖医が、くちこをあれこれ助けた、あの解剖医だったのでした。
そりゃ、腹立つよね
くちこは、内科部長に、カルテを見せました。
「・・・・・」
一言も発することなく、帰っていきました。
内科部長は、人間的にも医師的にも尊敬できる人だっただけに、
その胸の内は如何に。
この死亡記事を書いた医師ね、中堅医師なのよねえ。
さて翌日。
くちこは婦長に呼び出され、
始末書を書くように、と。
※どうも看護部長の指示らしい・・・
死んだことにされていたことも知らなかったし、
よもや、解剖まで申し込まれていることも知らなかったのに、です
そんなアクシデントに翻弄されつつも、健気に一人で病棟を支えたのに、です。
世の中は理不尽であること。
時に突き付けられるよね
くちこはね、
ただ、事実を淡々と事務的に書きました。
くちこ的には、
「じゃあ、おまえも書け!」と、あの医師に言いたかったわ。
新卒ナースの分際ですけど。
あの医師はね、
少なくとも公的には、全く問題にもされず、
叱られもしない、
反省の態度も見せない。
なんで?
聞くところによると、
博士号を持っているからだ、と。
内科部長は人品、医師としての力量的には院長にもなれるレベルだけど、
哀しいかな?博士号を持っていないから、叱る資格?が無いのだと。
※院長にもなれない。
くちこはね、
テレビなんかより、よっぽど早く、白い巨塔の世界を知っていたわ。
それからしばらくして、あの医師のお子さんの作文を偶然読んだのでした。
「僕の夢は、お父さんのような立派な医者になることです」
良いお父さんなんだ。。。
あら、
解剖医の話2なのに、
ついつい話がそれたわ。
続きは解剖医の話3にします。
そう、未だその後も、縁があったんです。
やはり、人の縁って仏縁なんだろうな。
なあんて、漫画読んでて、やっと思い出したくせにね。
閑話休題。
昨日は本来、友達と三人で温泉に行く予定でしたが、
くちこの急激な糖尿病のせいで中止。
くちこ家でランチしました。
スタートは30年前のママ友。
こんなに続くのは、やはり、仏縁かな、と。
ブロ友さんから届いたスイカと、くちこが作ったにんにくオイル。
にんにくも貰ったものです。
そんなこんなに囲まれて、丁寧に暮らす楽しさを味わいたいと思っています。
去年、生徒さんから枝を貰って挿し木で成功した紫陽花。
サメ氏が、ブログに載せて欲しいと言う空の写真。
低血糖が出なくなって四日目。
落ち着いてきたかな