Nori log

日常のちょっとした出来事を写真で残しています
3年の上海駐在を終え、今は日本の良さを再認識中

総構 実習

2023-09-22 14:21:22 | 小田原ガイド

今週の小田原ガイド育成講座は総構(そうがまえ)の実習だ。

総構とは城や城下町をぐるりと囲む外郭のこと。

小田原城は3重の構えで囲われており、最外郭の長さは9Kmに及ぶ。

ウォール シーナ・ローゼ・マリア のミニミニ版だね。

どのようなもので囲われていたかというと

この全周を3年で作ったというから驚きだ。

今回は西部の約半分の距離を実際に歩いての講習だった。

小田原駅西口を9時にスタートすると、既に暑っつい。

(講習中は撮影禁止なので、今回の写真はネット上で拾ってきたもので代用)

 

<城下張出>

右手の高くなっている部分が張出。

堀底部からの画角だが、底部は埋められて平坦にされてる。

小田原の史跡は保存状態が良くない部分が多い、というか、実生活が優先されてきた傾向にあるな。

 

<山ノ神堀切>

左の斜面が主の土塁で、右の木々の手前辺りが掻揚土塁、それらの間が堀部になる。

ここでも掻揚土塁が削られて堀が埋められているね。

 

<稲荷森>

主土塁の上から堀を見下ろす画角。

ここは往時の様子を比較的よく残している所だ。

竹藪や木々で囲まれていて、心地よい空気が流れている。

 

<東堀>

総構の記事には必ずここのシーンが出てくるほど象徴的な場所だ。

ここも比較的に保存状態はいいが、当時は10mほどの深さだったらしいので大分埋まってきてるようだな。

まあ400年経っている割にはよく残っていると言えるだろう。

ここには横矢掛(よこやがけ)というクランク部も残っている。

敵襲のスピードを落とす目的と、複数方向から弓矢や銃で迎撃するための仕掛けだ。

 

当時に思いを馳せながら下っていくと突然、なんの余韻もなく現実世界に出くわす。

なんか残念な気分にさせられたのは、俺だけじゃなかっただろう。

この後は小田原城まで住宅街等を通り抜けながら「ほら、あの斜面が土塁の跡だよ」とかの説明を受ける。

ん~ なんか、つまらんなぁ~

自分でうまくガイドできるかどうか、あまり自身がない所だ。

 

歴史遺産は一度壊してしまうと決して元に戻らない。

失くてしまった後で後悔しても後のカーニバルだもんね。

自然や動植物もそうだな。

以前の講習で

「現在の自然や遺産は自分たちのものではなく、今後の世代から借り受けているものだ」

と教わったことを思い出し、実感が湧いた一日だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする