引き揚げ者を乗せた列車は
南を目指して出発しました
沿線は 高梁畑(こうりゃん)が
地平線まで続いていて、
列車が一時間走っても景色は
一向に変わりません
途中、食事時間がくると
どこででも列車は臨時停車します
各貨車の中から代表が集まって
食事の用意をします。
… … …
子供だった私は貨車から
降りられないので、どういう段取りで
どこで調理しているかわかりません
引き揚げ列車は何日の何時に到着という
スケジュールもなく列車は止まったり、
走ったりでひたすら、目的地、葫蘆島(ころとう)を
目指します。
途中、些細なこともありましたが
奇跡的に雨が一滴も降りませんでした
… … …
幸運に恵まれて、列車の全員無事に
葫蘆島(ころとう)に到着しました
大きなバラックの小屋が並んでいて
そこへ全員、収容されました
… … …
部屋の中は東北の震災で小学校の講堂へ
避難した家族の様子と似ています
… … …
この引き揚げ者収容所のまわりは
鉄条網が張り巡らされていました
鉄条網は引き揚げ者がみだりに外出して
行方不明になるのを防ぐのか
また、外の怪しい人間から
防ぐためだったのでしょう
… … …
港には引き揚げ船が待っていました
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