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戦場から京都へ帰って,ホテルで休暇をとって
撮りためたフィルムを店に預けて
翌日の夕方か翌々日の朝に仕上がった
写真を受け取って,帰国するのです
… … …
当時の為替レートは1ドル=360円でしたから
兵士にとって写真仕上げ代金は安かったでしょう
… … …
私は10日間のスピード仕上げを経験して
カメラ店から写真というものを改めて
考えてみました
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当時のカメラは自動露光ではなかったので
ネガフィルムの露光の過不足がずいぶんありました
引伸機に入れたネガフィルムの一コマ、一コマを見て、
このネガは焼けるとか焼けないとかを
瞬間に判断していました
そのほか、ネガフィルムのピントが合っているか
ボケているかも同時に判断していました
… … …
したがって、ネガフィルムの一コマを眺めて
露光がまあ適切で、ピントもまあまあ合っている
コマを探し探して焼き付けていくことになります
すると現像された一本のネガフィルムから
プリントできるコマ数は限られてきます
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やがてカメラも自動露光時代に入ります
すると現像済みネガフィルムの露出が揃うことになります
そして、カメラが自動焦点(オートフォーカス)になって
カメラは被写体のどこかにピントが合っていないとシャッターが
落ちません、
一本のネガフィルムで
全駒、露出が揃って、しかもピントが合うことになります
同時プリントで全駒無駄なく焼き付けられます
… … …
カメラ店から見て,お客さんから預かったフィルムで
プリントできる枚数の多い、歩留まりの高い結果になります
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