経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

■■【経営コンサルタントの発見・発想】見えないコトが、見える人<3>

2016-02-18 10:31:41 | ◇経営特訓教室

 ■■【経営コンサルタントの発見・発想】見えないコトが、見える人<3>

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★★ お客様の「望んでいること」が分かればいいのに・・・

★★ でも何もしていない、うまくできていない、どうすれば?

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 前回は「お客様を観察する」「自分でお客様になってみる」というお話をしました。今回も「観察」という言葉を使って、その続きをお話します。

 

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◆◆ 「人」を感じるということ

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 ここで言う「観察」とは「人中心」の視点で行うことで、「モノ中心」ではありません。店舗の商品がどう優れているか、機能を持っているか、形やデザインがどうか、陳列の仕方がどうか、などを優先しません。商品を購入したりサービスを受ける時、人がどういう気持ちなのか、購入した結果どういう気持ちになるのか、ということに焦点を当てます。

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 私は長年IT業界で、パッケージ型ソフトウェア(予め開発済みの状態で、容易な設定によりすぐに利用できるソフトウェア)の販売や導入のビジネスに従事していました。商品のソフトウェアを紹介し提案していた時のことを振返ると、内容のほとんどはその豊富な機能、新機能、他社との違い、価格、導入実績などを強調していました。つまり「モノありき」だったのです。

 

 あるお客様から、こう言われました。「そのソフトウェアの機能が優れているという説明は、自動車で言えばいかにすごいエンジンを開発して積んでいるか、すごい馬力が出るか、ということでしょう。我々はその車に乗って走った時、何を感じ、何が見えるか、何が起こるか、変わるか、ということを知りたい・・・」 私は心臓に痛みがあるくらい大きなショックを受けました!

 

 まさに「人の経験」ということ!それをこの例で学びました。皆様も自社のサービスや商品に対して、お客様やユーザーがどういう気持ちを持つかという視点で観察してみてください。

 

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◆◆ 「感情」はどこから生まれるか?

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 ところで人の感情はどんな仕組みから、どう生まれてくるのでしょう?それは目に見えないので捉えるのが困難です。人の気持ち(感情)というのは「刺激」「関心」がベースになっているという、オランダの学者の説を聞いたことがあります。そこにその人の「価値観」が加わって感情が生まれる、そういう構造のようです。

 自社のサービスや製品に「刺激」「関心」「価値観」という要素があれば、接する人の「感情」を生み出すことに繋がるでしょう。その「感情」を伴ったコトが、人に「経験」を記憶させます。

 

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◆◆ 「経験」の見える化!?

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 「観察」にはいくつかコツがありますが、その一つに「経験を見える化する」ということがあります。お客様や店員の観察結果、自分がお客様になった経験を文字や絵で表すのです。

 これはなかなか一般的に行われていないと思いますので、ピンとこないかもしれませんが、一つの方法として、色分けしたポストイットにあらゆる「状況」「経験や感情」「疑問」等、見たことを書き出し、並べてみましょう。状況を大まかに捉えることは容易なので、見過ごしがちなより細かい事実を書き出すよう努めましょう。

 集めた情報に簡単な図や線も加えてみましょう。決まったやり方はないので、自在に平面、空間、流れを意識しながらまとめてみるのです。人の感情を表すことがポイントです。たくさんのポストイットを俯瞰していると、意外なかたまり(グループ)に気づくことがあります。喜び、驚き、不満、不便というグループや、自社固有の特徴などを発見しましょう。

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 一例で、私があるドラッグストアに来店して出てくるまでの「気持」を、線を使って図にしたものを載せます。(ポストイット、コメントは省略)

                 

 

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◆◆ 「発見」から「発想」へのステップ

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 改めて、キーワードは「行動観察」「顧客経験」。収集した「事実」や「疑問」がどういう「意味」を持つかを、より深くより細かく掘り下げていくと、発見したことが次の発想へ繋がります。

 コツの追加として、統計のようにより多くデータ収集するというのではなく、少人数を「人中心」視点でより深く観察します。更にインタビューができればもっと効果的です。

 

 次回<その4>へ続きます。手間や費用をできるだけかけないで、独自にすぐにでも始めてみましょう。「観察」から始める、新価値(サービス)発見・発想の活動を。当ストーリーは、ご自分の、または御社の今後を左右する「気づき」と「発見の習慣」が生まれることを狙っています。

 

 筆者

【 山成充高 氏 プロフィール 】 (Mitsutaka Yamanari)

 マーケティングや経営の創造性向上を重視し、IT基幹システム開発・導入の経験や実積を活かして、社内に蓄積された「知」を新分野のビジネスに結びつけるコンサルティングを実施。企業のサービスを、顧客・社員の「動き」「心理」「経験」から面や空間で見直し、新価値創造を狙う「コトづくりのデザイン」を支援している。

  ユー・ビー・コンサルティング代表
  HP: www.ubctrust.biz

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■■【今日は何の日】 2月18日 嫌煙運動の日

2016-02-18 09:18:11 | 今日は何の日

■■【今日は何の日】 2月18日 嫌煙運動の日


 1970年代以来の経営コンサルタント経験から、

  ◇ 経営者・管理職の皆様
  ◇ 経営コンサルタントを目指す人
  ◇ プロの経営コンサルタント

の皆様に、時宜に即した情報を毎日お届けしています。




 一年365日、毎日が何かの日です。
 季節を表す日もあります。地方地方の伝統的な行事やお祭りなどもあります。誰かの誕生日かも知れません。歴史上の出来事もあります。セミナーや展示会もあります。
 これらをキーワードとして、私たちは自分の人生に、自分の仕事に、自分自身を磨くために何かを考えてみるのも良いのではないでしょうか。
 独断と偏見で、エッセー風に徒然のままに書いてみました。皆様のご参考にと毎日続けていこうと・・・というよりも、自分自身のために書いてゆきます。
 詳細 ←クリック

今日は何の日インデックス】  日付を指定して【今日は何の日】を閲覧できます

 

 
 【今日の写真】 花の女王「ラン」 国際らん展より 
  ランは、英語でOrchidといいます。ランは、熱帯の湿潤地に生息する種類が多いのですが、直射日光には弱いのです。夏場の管理が難しいといわれています。

● 2014年2月15日(土)~2月23日(日) 一般公開=9日間
● 公開時間:午前10時00分~午後5時30分(入場は午後4時30分まで)
● 東京ドーム(東京都文京区後楽1-3-61)

今日は何の日   2月18日
 
■ 嫌煙運動の日

 1978(昭和53)年2月18日に、東京・四谷で「嫌煙権確立をめざす人々の会」が設立されました。

 それまで「嫌煙」という言葉がありませんでした。「日照権」という言葉にヒントを得て「嫌煙権」という新語でアピールしたことにより、嫌煙運動が全国に広まる景気となりました。

 毎朝、近所を散歩しますが、人通りが少ないせいか、早朝に出勤する人が歩行喫煙をしています。喫煙者の呼気は5分間くらい喫煙の臭いがすると言われます。煙が出ていなくても、周囲の人に迷惑をかけていることを認識して欲しいですね。

 因みに「世界禁煙デー」は5月31日です。

■ その他
◇ 岡山西大寺会陽裸祭(第三土曜日)  
◇ 横手かまくら(第三土曜日~日曜日)  
◇ 犬っこまつり(第三土曜日~日曜日)  
◇ 常光国師忌

  
 

■ ■【きょうの人】 マーク・トウェイン

 1885年2月18日に、マーク・トウェインの「ハックルベリー・フィンの冒険」が刊行されました。世界ではじめたタイプライターで書かれた小説であると高校の英語の教師から聞いた記憶があります。(真偽の程は定かでありません)

 マーク・トウェインというと「トム・ソーヤーの冒険」をイメージする人も多いと思いますが、ハックルベリーはトムの親友です。

 この小説は、俗語というか方言の会話が多く、当時この本を原書で読み始めて、言葉がわからない、辞書を引いても出ていないなどでギブアップしたことを記憶しています。

 

■■ 経営コンサルタントへの道 ←クリック 経営コンサルタントを目指す人の60%が閲覧

経営コンサルタントへの道
経営コンサルタントになるには メニュー 
1. 経営コンサルタントになる前に考えよう
2. 経営コンサルタントは何をする人か
3. 有能な経営コンサルタントが持っている資質
4. なぜ経営コンサルタントに依頼するか
5. 信頼できる経営コンサルタントとは
6. 経営コンサルタントになるための資格
7. 経営コンサルタントとしての成功のポイント
8. 経営コンサルタントを召さす人の実力養成
9. 経営コンサルタント独立起業の手順
   まとめ

 


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◆◆【時代の読み方】 シャープはなぜ経営不振に陥ったか 2016/02/18

2016-02-18 08:33:00 | 知り得情報

◆◆【時代の読み方】 シャープはなぜ経営不振に陥ったか 2016/02/18

 時代の流れを時系列的に見ると、見えないものが見えてきます。NHKの放送や新聞・雑誌などを見て、お節介心から紹介しています。

【経営コンサルタントの視点】シャープはなぜ経営不振に陥ったか 2016/02/11

 経営不振に陥っていたシャープは、液晶技術の海外流出を望まない政府系ファンドの産業革新機構による、官主導での再編案が本命と見られていました。ところが、台湾のEMS・大手電子機器メーカーでありますホンハイ精密工業の傘下に入って再建を目指すことが大々的に発表されました。

 なぜ、シャープが産業革新機構を袖にして、ホンハイに走ったのかは、ぶら下げられたにんじんに釣られたというところがホンネのところかもしれません。支援金額が、前者の二倍以上の金額であれば当然のことかもしれません。

 ホンハイは、社員の解雇をしないとか、ブランドを残すとかいっています。しかし、数年後には、それがどうなるかは解りません。パナソニックという日本企業でさえ、サンヨーを買収したときには同じようなことを言っておきながら、結局サンヨーは消えてしまいました。

 では、なぜシャープは経営不振に陥ってしまったのでしょうか?同じ轍を踏まないためにもその理由を知っておくべきでしょう。

 シャープに限らず、日本のメーカーはほとんど垂直型統合といわれる経営形態をとってきました。開発から、製品化、製造、販売、アフターサービスと一貫して経営を行うやりかたです。

 すでに30年も前から、水平型といわれます経営への移行が、経営コンサルタント業界から持ち上がっていました。

 水平型経営では、例えば開発に経営資源を集中して、製造はホンハイのようなEMS企業に委託生産してもらうというアップルに代表されるやり方です。

 それに対して、シャープのみならず、多くの日本企業は垂直型を執ってきました。垂直型というのは、自社の技術をフルに活かすという点で、私は優れたやり方だと考えています。

 では、それにも関わりませず、なぜシャープは経営不振に陥ってしまったのでしょうか?

 エコノミストの大半が、シャープの経営悪化の原因は、液晶テレビの「亀山モデル」にあると言っています。

 2004年に奈良県の亀山工場でフルライン生産を始め、その工場名がブランドになる程の注目度を浴び、シャープとしても2007年には、その投資のおかげで過去最高の利益を挙げることができました。

 しかし、韓国を初めとする海外勢の追い上げで好調は長続きできませんでした。2009年には、逆に液晶事業を一気に拡大しようと大阪の堺工場で操業を始めました。しかし、時すでに遅く、タイミングを外してしまい、一時的に収支トントンレベルまでに至りましたが、過大な投資は、経営の足を強く引っ張ることになりました。

 この頃から主力製品は、スマートフォン用の中小型液晶パネルに替わり、業績も一時的に回復した。その前後にホンハイからの経営支援策が提案されましたが、一時的回復に期待を寄せすぎ、構造改革が先送りされてしまったのです。

 その時にホンハイは、シャープの意思決定の遅さに苦言を呈しましたが、シャープは謙虚にそれに耳を傾けませんでした。

 シャープの意思決定の遅さは、シャープに限らず、日本におけます大半の大手企業と同様に「大手企業病」にかかっていて、その認識の甘さが原因です。それが顕著に表れたのが、シャープだったのです。

 日本企業に共通した問題点は、それ以前の経営体質にも由来しているのです。

 日本メーカーは、かつては「日立のモーター」とか「東芝の電球」とか、とそのコアコンピタンスが明確でした。それが、高度成長期、ITバブル期などを経るに従い、総合メーカーを目指すことになりました。

 その結果に、自社のコアコンピタンスが何処にあるのかを見失ってしまったのです。

 この問題に真剣に取り組んだのが、カゴメであり、電機業界では、経営不振をいち早く体験した日立、続いてパナソニックが代表的です。その動向を横目に見ていたシャープは、今のなって遂にそのつけが回ってきたといえます。

 垂直統合と多角化から、経営資源の分散状態に陥りました。その組み合わせによるマトリックスのひとつひとつのセルは、貧弱で、中小企業にも劣る開発力となってしまいました。

 海外のメーカーが、選択と集中で経営資源を集中してきたことと比べれば、競争力の弱体化は火を見るよりも明らかです。

 謙虚さを取り戻せる日本企業は、これからも生き残れ、その間に真の経営力を蓄積することに繋がり、勝てる企業へ返り咲くことができるのではないでしょうか。

 【映像に見る今日の話題】欄が独立しました。

【 注 】
【今日のブログ】や「映像」は、閲覧と発行時間が異なる場合には、掲載ブログとは異なるブログが表示されたり、リンクが切れていたりすることがあります。

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