けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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男子の本懐 スタミナ治療

2007-02-14 09:32:43 | 泌尿器科系
前回女性の疾病に関するコラムを書いたところ、多くの方々から、じゃあ男はどうするのか?という質問が多く寄せられました。
確かに世の中には強壮剤とか強精剤とかいう名前で、社会でストレスと過労と戦っている方のための薬が横行しています。その多くは付け焼刃的で、あまり体によいとはいえません。
結果的にのぼせたり舌や顔に吹き出物が出たり、血圧が上がってしまったりするものが多いです。

日本の鍼灸学校時代に足の親指の先にお灸をすると、「足の 肝経という経絡(氣のとおりみち)が充実する。この経絡は足の親指から始まって、足の内側を通って登り、陰部を通過して肝臓と胆のうをめぐって上行し、胸を抜けて両眼の後ろで終わる。よって足先にお灸をするとその通り道である陰部の気力が充実するので結果的に強い男になれる。」と教わりました。
翌日の実技の時間、みんな服を脱いでお互いに治療をしあうのですが、そのときに男子生徒全員の足の親指が真っ黒く焦げていました。
一同大爆笑でした。

もう一つはこの足の親指から少し足の甲に上がったところにある、太衝(たいしょう)というツボにお灸をして、八味地黄丸(はちみじおうがん)を飲むという方法がよいでしょう。即効性もある程度期待ができる上に、根本的な体力をつけてゆく効果があります。
この八味地黄丸は別名金匱腎氣丸(きんきじんきがん)ともいわれて、体がやや冷え気味で、上半身にのぼせ感や、のどが渇きやすい腎虚陰虚証という状態に使用する薬です。
日本では糖尿病や白内障の薬として服用している場合が多いのですが、例えば男性不妊症にもよくつかいます。精子の尾の動きが弱くて力強く泳げない場合や、放射線関連のお仕事をされていて子供が欲しいということで、一定期間職を離れたのちに改めて子供さんを授かる努力をしたい方などに使います。
また、八味地黄丸を服用して胃腸に負担がかかる気がするという方は右帰丸(うきがん)でも同じ効果が期待できます。

もう一つは四逆散(しぎゃくさん)を飲むというのもよい手です。これは消化器がやや弱めで、胃十二指腸潰瘍などになりやすい体質で、少し怒りっぽい方に適合します。消化器系統を落ち着かせ、肩こり、性欲減退、勃起不全などに使います。

この四逆散から派生した方剤に解労散(かいろうさん)というのがあります。
これは肩こりの方剤として有名なのですが、ようは肩がしっかりしてしまって(硬くなってしまって)しっかりしていなければいけない足腰の方は手薄になっているのを調整する薬です。もちろん男女ともに効果が期待できます。
当診療院では毎回これをバケツいっぱい作るのですが、すぐに売り切れてしまいます。

コメント (4)
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