けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
Twitter(X)リンク @kkclinic

よい質問が来ましたのでお返事をさせていただきました。お灸のすばらしさと玉屏風散 新型コロナウィルスの予防と対策

2020-03-02 21:47:17 | 東洋医学全般



この記事に対して、開業医をされている日本の方から直球のご質問がありました。
https://blog.goo.ne.jp/keisclinic/e/ec87e1fb09149648cb31a2d23aa71ae7

このようなご質問でした。コメント欄に書いてあるのですが、もう一度こちらに載せてみますので、ご覧ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
効くのでしょうか (camper)
2020-03-03 00:20:51
すみませんがシビアな質問をさせていただきます。
玉屏風散が効くとの事ですが、中国本土では医療関係者を始め3000人以上の死者が出たと聞いております。
玉屏風散は、効果が無かったのでしょうか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.中国本土の人口が多すぎるので、それから見ると3000人の死者というのは多くはないといえます。
2.玉屏風散は東洋医学の業界では論文も実験結果も出ていますが、中国本土でそれを全員に服用させる制度が整っていないのも現状の一つです。
3.こういう場合の医師はどうしても西洋の治療が主になりますので、漢方薬を煎じている暇もないということもあります。そして、医師すべてが玉屏風散を知っているとは言えないのです。
4.東洋医学会では玉屏風散だけではなく、このような流行性の疾患に効くといわれる漢方薬が何種類もあるといわれているため、パニック状態ではどれを採用するかという議論も紛糾しているようです。
私の周りでは玉屏風散が最有力候補となっています。
5.死者が出るのは、中国の医療機関のシステムの悪さと、外来で並ぶ患者さんたちもパニック状態で、ちゃんと捌かれていないということにも関係があります。気管支炎から肺炎に移行するまで放っておかれてしまった方が多いのが理由の一つです。
6.新型コロナウィルスといえども一種のカゼであります。玉屏風散を飲んでおけばよろしいというのではなく、自己参加型のケアが必要です。私は鼻ウガイ手洗い励行です。感染してしまっても肺炎になって放っておかれなければ死にません。
7.私個人の考えでは、慌てて漢方薬を飲み始めるのも一つの手ですが、せんねん灸を足三里に一日2回するほうが、よほど免疫の向上につながります。
ようは、免疫がしっかりとしていれば、どんな病気にもなりません。
お灸をいたしますと、皮膚のたんぱく質が火傷毒素(ヒスとトキシン)という物質に変ります。すると、それを解決するために白血球などが立ち上がりその場所を治すとともに、起き上がった白血球が免疫を調整いたします。詳細は後日ブログに書きますのでお待ちください。
8.当地サンフランシスコでも非常事態宣言が出されました。いたずらに恐怖心をあおるメディアの功罪が大きいと考えます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上記のように回答をさせていただきました。

ご存じのとおり、漢方薬の場合は、一つの病名に対応して作られているのではありません。インフルエンザだからこれ、鳥インフルエンザだからこれ、新型コロナウィルスだからこの薬という概念ではありません。

今回の玉屏風散は、上記のブログの内容のとおり、黄耆(おうぎ)、白朮(びゃくじゅつ)、防風(ぼうふう)の3薬だけでできております。

黄耆(おうぎ): 体表を補って、皮膚の利水作用(水分の整理作用)を強化し、漏れ出る汗を止める。
白朮(びゃくじゅつ): 胃を強くして、体表の利水作用を助ける。
防風(ぼうふう): 發表散風といって体表を元気づけ、外からの有害な刺激を散ずる。

これらの複合作用が強力な衛気の循環を生み出して、免疫を高めて体を守ります。
また、これまで述べている表とは皮膚だけでなく、体内の表面ともいえる粘膜の作用の強化ともなりますので、結果的に外からの感染作用全般に効果が期待できるという寸法です。

さて、ここで玉屏風散は新型コロナウィルスに効くのでしょうかというご質問があったわけですが、私の答えは「はい、玉屏風散は新型コロナウィルスにの予防と対策に効果がある。感染する前から飲んでおきましょう。」とお答えいたします。
上記の三つの漢方薬の組み合わせが、体表と粘膜に強力なバリアーを作ると解釈いたします。
科学的な根拠は?と問われた場合、現時点ではその感染を食い止めることに効果があるということで、古の古典医学書物に載ってるから。。と答えるしかありません。新型コロナウィルスだからというのではなく、漢方医学でいる外因による病に対するバリアー作用と発散作用があるからということです。現代医学の指標による分析と、古典東洋医学の指標による分析は異なりますので、将来的には専門家による新型コロナウィルスと玉屏風散の研究を待つしかありません。

さて、人体では白血球が免疫作用をつかさどり、その種類もいくつかあって、例えばおたふくカゼやA型肝炎は一度罹ったら二度と罹らないなどの選択的免疫作用があります。また、マクロファージ(大食細胞)といって、相手かまわず外敵を攻撃してくれる
白血球の一種もあるわけです。

そこでお灸の出番です。
お灸の熱でごく微量の熱刺激で壊れた皮膚上のたんぱく質を火傷毒素(ヒストトキシン)といいます。
その皮膚のダメージを回復されるために立ち上がった血球成分のがその個所を修復いたします。
お灸の刺激で目覚めた、これら血球成分のうちの白血球が主になって免疫作用を調整いたします。
免疫が弱い方はそれを強くして、どうじに免疫が強すぎて自己免疫疾患やアレルギー反応を起こしている人にはそれを緩和する作用が起こります。

そこで、上記の相手かまわず外敵を攻撃してくれる、マクロファージの活躍に新型コロナウィルスに対する効果を期待をしているわけです。

一般の方は「せんねん灸」を一日2回、両側の足三里にすえることです。
せんねん灸は米国のアマゾンでも購入可能です。痕がつきにくいのでとても便利なお灸です。
https://www.amazon.com/Sennenq-cautery-Regular-moxibustion-pieces/dp/B007ZKQEYO/ref=sr_1_1?crid=17HFUMS0L32X4&keywords=sennenkyu&qid=1583211817&sprefix=sennen%2Caps%2C205&sr=8-1


私自身の新型コロナウィルス予防対策はこれです。
1. 手洗い鼻ウガイの励行。
2.玉屏風散の服用。
3.足三里の直接お灸。

「玉屏風散は新型コロナウィルスに効きますか?」というご質問でここまで引っ張ってしまいました。
漢方医としていろいろ説明をさせていただきましたが、
感染してしまったら、当然西洋医学も受診して肺炎になるまでこじらせないということもとても大切なことです。 (当たり前ですね。)

食品の買い占め騒動にも踊らされないようにいたしましょう。
食料もメーカーさんの備蓄がなくなったわけではありません。
大丈夫です。そう簡単に死にません。
とにかくおたおたしないことでです。


漢方アメリカOnline
http://www.kanpouamerica.com/


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 三度目のFort Funston!日曜... | トップ | 花椒を使いたくて使いたくて... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

東洋医学全般」カテゴリの最新記事