少し前に食欲の旺盛な方のストレス解消ということで、大柴胡湯(だいさいことう)のお話をいたしました。 これは大黄(だいおう)という材料が含まれているので、便秘にもよろしい漢方薬です。
そして、これは気が滞っている気滞とか気鬱の症状に使う、理気剤とか柴胡が含まれているので柴胡剤グループの薬と呼ぶこともあります。 柴胡剤は、まさに現代のストレス社会のための漢方薬といえましょう。
とにかくイライラが高じて起きてくる症状にはとりあえず柴胡剤グループから選んで飲んでみるのもよろしいと思います。
私自身もストレスを感じるときは、大柴胡湯、加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏などを状況に応じて飲んでおります。 漢方薬の良いところは、すでに病名のついてしまった病気になる前から飲んでもよろしいということですね。
柴胡剤 https://blog.goo.ne.jp/keisclinic/e/3ca8bf8171768ba5e581e89d22681f85
今回は加味逍遙散(かみしょうようさん)のお話です。 これは~散と書いてありますが、粒剤です。漢方医学の古典書物の時代は散薬であったのですが、錠剤となった後も元の名前を尊重して散の字をつけているのです。
これはとにかく腹が立つとき、どうしようもなくイライラするときに飲みますと精神的に落ち着いて「ま、いいか。」というモードになりますので、私自身も非常に重宝しています。
寝る前に飲みますと余計なことを考えずによく眠れます。しかし、これは睡眠薬ではないので、日中に飲んでも睡魔に襲われることはありません。
ですので、「これから嫌な奴と会わなければならない。」「ふっと過去に誰かに言われたとトゲのある言葉が頭にこだまして思い出し怒りをしてたまらなくなる。」「なんか不安で仕方がない。」「精神的に疲れた。。」というときにゆったりとした気分にしてくれます。
ここから派生して、精神的なストレスによる消化器系の過緊張からくる過敏性腸症候群や膀胱神経症に効果があります。
そして加味逍遙散は、以前お話いたしました、心身症や神経症を改善する四逆散(しぎゃくさん)と、婦人科系の内分泌機能の異常による心身の変調を癒す四物湯(しもつとう)の合方加減でもあります。
(合方加減とは二つ以上の漢方処方を足して少しばかり内容を換えたり匙加減をした処方ということです。)
よって、婦人科系の疾患である、月経異常、更年期の諸症状などにも使う漢方薬です。
私も愛用しております。
漢方アメリカOnline
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