けい先生のつぼにくる話

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膀胱炎について 猪苓湯 竜胆瀉肝湯 など。(発熱の機序)

2020-01-21 09:52:27 | 東洋医学全般


先日のセミナー直前に膀胱炎と高熱が出たのですが、なんとか一晩で症状が治まり事なきを得ることができました。
使った漢方薬は猪苓湯(ちょれいとう)と葛根湯でした。

今回の疾患は、いわゆる傷寒(しょうかん)という状態です。
1.セミナーの準備と仕事と自分の稽古に追われて体力が落ちていた。
2.うっかりと着込むのを忘れていて、冬の寒気が肌に侵襲してきた。
3.肌を境に体内から熱気を発散させて寒気を押し出そうにも、体力が落ちていたので、熱気が皮下にこもってしまった。
4.寒気がそれでも侵襲を繰り返してきたので、皮膚の表面と少し内側くらいのところで熱気と寒気の攻め合いが起きてしまった。
これが寒に傷(やぶ)れる、傷寒の機序です。

東洋医学的には皮膚と粘膜は同じものと位置付けられています。体の外側の表面と内側の表面ということであります。

私の場合は、上記の機序のアンバランスが起きて、それがたまたま膀胱や尿道に先に現れ、そのご39度以上の高熱と強い悪寒が起きたということです。
初学のころは、なんで発熱しているのに寒いの?と思っていました。体力が体温より低い外気に負けて悪寒を感じさせ、それを押し出そうとする体内の熱気が、これも体力の弱りゆえに好きっと発散することができずに皮下にこもっているので発熱となるわけですね。

これらの症状には、とにかく内側の熱を強制的に外側に発散させてしまうことが必要です。体力がある10代の若者でしたら、えいやっと熱いシャワーを長時間浴びさせてしまうのもありです。しかし、そのあと放っておいて湯冷めをしてしまうと、この揺れ返しは大変大きく、肺炎などの危険な状態になるので、十分十分注意が必要です。

むしろこのように、寒くて高熱で、ガタガタ震えているときは、首肩の異常な緊張が見られます。こういうときが葛根湯の出番です。
葛根湯を服用して、熱い白湯を我慢して飲んで、たくさん布団をかけて寝ますと大量の発汗が見られ、コロッと治ってしまうことがおいいものです。

猪苓湯は、下腹部のにこもってしまった熱を発散させ、利尿作用を促すので最初にこれを使いました。
次に、発熱寒気で首肩が緊張してきたので、葛根湯でこれを発散させました。

もし、膀胱炎が長引いた場合はこれを湿熱(しつねつ)というべったりと湿った熱が慢性的にこもってしまっていると考え、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)の使用を考えることになります。



漢方アメリカOnline
http://www.kanpouamerica.com/

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