少子高齢化が世界に例を見ないスピードで進み、すでに人口減少しつつある日本。
このままいくと2100年には日本の人口は5000万人になりピークの3分の1に。もはや日本人は絶滅危惧種になっているかも…
当然ながら経済としても先行きは暗いと言わざるをえず、成長は見込めず、縮小再生産への道をまっしぐら…
でも、人口が減ると経済は成長は見込めないのだろうか。
経済成長の要因は人口だけではないと人口と日本経済について論じたのがこの本。
人口論と言えばマルサスですが、彼の論を簡単に言えば「食料が十分にあれば人口は等比数列的に増えるが、食糧生産は等差数列的にしか増えない。」従って人口を抑制しなければいけない。貧しい人への所得の再分配は彼らの生活状態を長期的には改善しない、貧困と悪徳によって人口抑制する方がいい。改めてみてみると現代ではなかなか受け入れることのできない議論です。ここではマルサスの論を踏まえてケインズがどう評していたのか、そして私は知らなかったのですが、スウェーデンの経済学者ヴィクセル、ミュルダールの人口論を紹介しています。マルサスの予想に反して豊かになると人口は減ってきて子育て支援が必要と言う議論になっています。
因みにダーウィンはマルサスの人口論に触発されて進化論を構想したとか。これは初めて知りました。
ところで人口減少へと進む日本は、経済成長など見込めず経済は縮小していかざるを得ない。高齢化が進めば社会保障にかかる経費はどんどん増えざるを得ず、国の債務は増えていくばかりで財政破綻は免れない。
どうも日本経済の先行きは悲観的になっていくしかない。
しかし、明治以降の人口と経済成長を見てみるとほとんど相関がない。GDPは指数関数的に増大しているのに人口の伸びは大きく乖離している。戦後1950年から実質GDPはほぼ10倍になっているのに人口は2倍になるかならないか。
経済成長をもたらしているのは労働生産性であり、大きな労働生産性の向上をもたらしたのはイノベーション。もっとも戦争で生産資本が灰燼に帰し、資本増強によるイノベーションのネタは山ほどあり労働生産性は飛躍的に向上したと言うこと。加えてベビーブームで最も需要が増大する年齢層が軌を一にして増えていくことによって、需要と供給の好循環が起きていて、イノベーションがイノベーションを呼んでいた。
とは言っても結論的に言えば、先進国の経済成長は、人の数で決まるものではなく、イノベーションによって引き起こされる!
日本は世界一の高齢化した長寿大国になっているけど、そこにむしろ新しい需要があってイノベーションの余地があると考えればペシミズムに陥ることなく、成長することができるはず。長寿はまさに経済成長の最大の成果であり、そこをうまく活かせば世界に先駆けたモデルを作ることができるかも。
なかなかデフレから脱却できずに、もはや国内需要の増大が見込めない中、明るい未来を示しています。
高齢化に対応した医療、福祉のシステムなどにAIとかロボット技術とかを導入してイノベーションをもたらすことができれば、担い手不足のネックを解消して生産性を向上できれば素晴らしいのですが、医療福祉分野は社会保険制度の下で成り立っていて、よっぽど腰を据えて取り組まないと政府の統制下にあるので柔軟な対応が難しい。医療福祉分野以外では、どうしても需要は先細りとなりがち。自分自身を考えても高齢者になると、夜毎遊びに歩くことなどまっぴらだし、食べれる量も減る。いろいろなことが億劫になってしまうし、正直お金を使うことも減ってきた。国内需要を増やすのは難しいのではと言うのが実感なんですけど。
そんなこんななんですけど、これからの日本経済が破綻せずに成長するためには、不断のイノベーションを実現することが大切であり、それをどう具体化していくのか。所得倍増を言うのはいいですが、いかに具体的なイノベーションを実現する道筋を示すのが大きな課題だと思います。
新書ですが、人口と経済について網羅的に解説してあり、知的刺激を受けました。
このままいくと2100年には日本の人口は5000万人になりピークの3分の1に。もはや日本人は絶滅危惧種になっているかも…
当然ながら経済としても先行きは暗いと言わざるをえず、成長は見込めず、縮小再生産への道をまっしぐら…
でも、人口が減ると経済は成長は見込めないのだろうか。
経済成長の要因は人口だけではないと人口と日本経済について論じたのがこの本。
人口論と言えばマルサスですが、彼の論を簡単に言えば「食料が十分にあれば人口は等比数列的に増えるが、食糧生産は等差数列的にしか増えない。」従って人口を抑制しなければいけない。貧しい人への所得の再分配は彼らの生活状態を長期的には改善しない、貧困と悪徳によって人口抑制する方がいい。改めてみてみると現代ではなかなか受け入れることのできない議論です。ここではマルサスの論を踏まえてケインズがどう評していたのか、そして私は知らなかったのですが、スウェーデンの経済学者ヴィクセル、ミュルダールの人口論を紹介しています。マルサスの予想に反して豊かになると人口は減ってきて子育て支援が必要と言う議論になっています。
因みにダーウィンはマルサスの人口論に触発されて進化論を構想したとか。これは初めて知りました。
ところで人口減少へと進む日本は、経済成長など見込めず経済は縮小していかざるを得ない。高齢化が進めば社会保障にかかる経費はどんどん増えざるを得ず、国の債務は増えていくばかりで財政破綻は免れない。
どうも日本経済の先行きは悲観的になっていくしかない。
しかし、明治以降の人口と経済成長を見てみるとほとんど相関がない。GDPは指数関数的に増大しているのに人口の伸びは大きく乖離している。戦後1950年から実質GDPはほぼ10倍になっているのに人口は2倍になるかならないか。
経済成長をもたらしているのは労働生産性であり、大きな労働生産性の向上をもたらしたのはイノベーション。もっとも戦争で生産資本が灰燼に帰し、資本増強によるイノベーションのネタは山ほどあり労働生産性は飛躍的に向上したと言うこと。加えてベビーブームで最も需要が増大する年齢層が軌を一にして増えていくことによって、需要と供給の好循環が起きていて、イノベーションがイノベーションを呼んでいた。
とは言っても結論的に言えば、先進国の経済成長は、人の数で決まるものではなく、イノベーションによって引き起こされる!
日本は世界一の高齢化した長寿大国になっているけど、そこにむしろ新しい需要があってイノベーションの余地があると考えればペシミズムに陥ることなく、成長することができるはず。長寿はまさに経済成長の最大の成果であり、そこをうまく活かせば世界に先駆けたモデルを作ることができるかも。
なかなかデフレから脱却できずに、もはや国内需要の増大が見込めない中、明るい未来を示しています。
高齢化に対応した医療、福祉のシステムなどにAIとかロボット技術とかを導入してイノベーションをもたらすことができれば、担い手不足のネックを解消して生産性を向上できれば素晴らしいのですが、医療福祉分野は社会保険制度の下で成り立っていて、よっぽど腰を据えて取り組まないと政府の統制下にあるので柔軟な対応が難しい。医療福祉分野以外では、どうしても需要は先細りとなりがち。自分自身を考えても高齢者になると、夜毎遊びに歩くことなどまっぴらだし、食べれる量も減る。いろいろなことが億劫になってしまうし、正直お金を使うことも減ってきた。国内需要を増やすのは難しいのではと言うのが実感なんですけど。
そんなこんななんですけど、これからの日本経済が破綻せずに成長するためには、不断のイノベーションを実現することが大切であり、それをどう具体化していくのか。所得倍増を言うのはいいですが、いかに具体的なイノベーションを実現する道筋を示すのが大きな課題だと思います。
新書ですが、人口と経済について網羅的に解説してあり、知的刺激を受けました。
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