こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です。
おまけに先週は休んでしまいました。すみません。もしかしたら楽しみにしていた人、いました? いたら本当に、ごめんなさに!)
「ある料亭の再生物語<第2部>」(その4)
「じゃあまずメインは千樹弁当を売り出すという方向でいいですか」と本田がまとめ始めた。
「それに対して、千樹弁当を売り出すにあたっては、ただそのパンフレットを作ったり、宣伝をするんじゃなくて、寄席やお花、お茶会等を積極的に誘致して、そこで出す千樹弁当を味わっていただき、その際に千樹弁当を販売しているということを、来ていただいたお客様にパンフレットやチラシ等を渡してアピールするということですね」
「それともうひとつ、都内の老舗デパートに板さんの作ったお弁当を私が持っていき、扱ってくれるように営業するよ」と社長が自分からも動くことを宣言した。
「私もいくわ」
女将も乗り気になった。
「板さん、何種類か腕によりをかけて作ってくれるかな、見本を。それにいくらぐらいで売れるかも出してくれるかな」社長が板さんに早速依頼した。
「社長、デパートで売るとなるといくらぐらいがいいんでしょうかね。社長や女将さんからまずいくらぐらいという値段を出してもらった方が、こちらとしては作りやすいんですが」
「そうか、じゃあまず2,000円と3,500円という設定で2種類作ってみてくれるかな。本田さん、どうでしょう、その値段で」
「そうですね、やはり千樹の味を出すには最低でもそれくらいは必要でしょうからね。でも逆にもっと高い5,000円ぐらいのものもデパートに提案してみるのも手ではありますね。1日限定10個とかにしてアピールすれば、それが評判になって、2,000円とか2,500円、3,000円という弁当が売れると思うんですが。さらにいえば、もっと安い千樹としては作りたくないでしょうけど、700円、800円ぐらいのものも作ってみるというのも手ですね」
本田は戦略的な価格案を出した。
「百円台かあ、それはちょっと………、いくら何でも、うちの材料じゃ作れないだろ」
社長が難色を示した。
女将も無言で頷いた。
「作れないことはないですよ、社長。味を落とさず材料だけ少し安いものを入れてもらえれば大丈夫ですよ」と板長はここでも積極的に意見を出してきた。
「というのは、それははっきり言って捨て駒なんです。もちろん買っていただく限りはおいしいものを作らなくちゃなりませんが、それは2,000円、3,000円の、一番買ってほしい弁当を売るための作戦なんです。松竹梅理論ですよ」
「松竹梅?」
「消費者心理として、3種類の価格帯のものがある場合、だいたい真ん中の価格を選ぶ人が多いんです。それは商売をなさっている社長や女将さんは充分ご存知のことでしょう」と本田が続けた。
「お店のランチなんか、一番粗利が多い、売りたいものの下にちょっと安くて、1、2品数の少ない『梅』クラスをわざと用意しておくと、ほとんどその上の、一番売りたいものをお客さんは頼むんです。さらにもうひとつ『松』クラスとして『竹』よりもわざと高めで豪華なものも準備すると、そこまで高いものはなあという心理で、だいたいが『竹』に落ち着くという寸法なです」
「なるほど。そういう行動というか心理状態で品物を無意識に選んでるんだね、われわれは。心理を分析するとなるほどと納得できるね」
社長が頷いた。
「でも逆にその安い方に人気が出ちゃったらどうするんです?」と女将が不安げに呟いた。
「安いものに人気が出るのは、お店の方でそれをメインに、安さを強調して売ろうとするから、激安が人気になるんです。その安さをアピールしないで、さらっとそこに安いものもあるというように置いておけば、そんなことはほとんどないと思います。まあそれが評判になるようなら、それならそれで安いお弁当も中身を濃くして、限定10個ぐらいにして、それを餌にというのはちょっと悪いかなあ、それをイベントとして楽しんでもらうような感覚でアピールしましょう。激安弁当はあくまでイベントで」と本田が言った。
「うん、イベント、ね。面白いね、激安弁当はイベントか」
「あくまでイベントですよ」
「い弁当、ね」女将が珍しくダジャレを言った。
みんながニコッとした後、爆笑になった。
こうして、千樹のお弁当作戦は着々と計画され、3ヶ月後実行に移された。
幸いデパートの担当者は千樹を知っていてくれたので、すんなりと会ってくれた。
料理の中身の変更や価格設定で何度か議論があったが、まずはイベントとして扱うということで、1ヶ月限定でコーナーを作ってくれた。
価格は880円の激安日替わり弁当が限定20個、定番は2,500円、3,800円のの2種類、そしてこれも限定で、1日5個限定の5,980円のお弁当も用意することになった。
そして定番の中から数点を試食してもらうために、別に作り、通りがかりのお客様に食べてもらうことにした。
千樹弁当のネーミングも決め、価格別のラインナップも作り、デパートでは扱っていない弁当も購入してもらえるようにパンフレットも作り、その場で手渡すようにした。
こうして具体化した千樹弁当の挑戦が始まった。
<5>へつづく。
(このストーリーはフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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おまけに先週は休んでしまいました。すみません。もしかしたら楽しみにしていた人、いました? いたら本当に、ごめんなさに!)
「ある料亭の再生物語<第2部>」(その4)
「じゃあまずメインは千樹弁当を売り出すという方向でいいですか」と本田がまとめ始めた。
「それに対して、千樹弁当を売り出すにあたっては、ただそのパンフレットを作ったり、宣伝をするんじゃなくて、寄席やお花、お茶会等を積極的に誘致して、そこで出す千樹弁当を味わっていただき、その際に千樹弁当を販売しているということを、来ていただいたお客様にパンフレットやチラシ等を渡してアピールするということですね」
「それともうひとつ、都内の老舗デパートに板さんの作ったお弁当を私が持っていき、扱ってくれるように営業するよ」と社長が自分からも動くことを宣言した。
「私もいくわ」
女将も乗り気になった。
「板さん、何種類か腕によりをかけて作ってくれるかな、見本を。それにいくらぐらいで売れるかも出してくれるかな」社長が板さんに早速依頼した。
「社長、デパートで売るとなるといくらぐらいがいいんでしょうかね。社長や女将さんからまずいくらぐらいという値段を出してもらった方が、こちらとしては作りやすいんですが」
「そうか、じゃあまず2,000円と3,500円という設定で2種類作ってみてくれるかな。本田さん、どうでしょう、その値段で」
「そうですね、やはり千樹の味を出すには最低でもそれくらいは必要でしょうからね。でも逆にもっと高い5,000円ぐらいのものもデパートに提案してみるのも手ではありますね。1日限定10個とかにしてアピールすれば、それが評判になって、2,000円とか2,500円、3,000円という弁当が売れると思うんですが。さらにいえば、もっと安い千樹としては作りたくないでしょうけど、700円、800円ぐらいのものも作ってみるというのも手ですね」
本田は戦略的な価格案を出した。
「百円台かあ、それはちょっと………、いくら何でも、うちの材料じゃ作れないだろ」
社長が難色を示した。
女将も無言で頷いた。
「作れないことはないですよ、社長。味を落とさず材料だけ少し安いものを入れてもらえれば大丈夫ですよ」と板長はここでも積極的に意見を出してきた。
「というのは、それははっきり言って捨て駒なんです。もちろん買っていただく限りはおいしいものを作らなくちゃなりませんが、それは2,000円、3,000円の、一番買ってほしい弁当を売るための作戦なんです。松竹梅理論ですよ」
「松竹梅?」
「消費者心理として、3種類の価格帯のものがある場合、だいたい真ん中の価格を選ぶ人が多いんです。それは商売をなさっている社長や女将さんは充分ご存知のことでしょう」と本田が続けた。
「お店のランチなんか、一番粗利が多い、売りたいものの下にちょっと安くて、1、2品数の少ない『梅』クラスをわざと用意しておくと、ほとんどその上の、一番売りたいものをお客さんは頼むんです。さらにもうひとつ『松』クラスとして『竹』よりもわざと高めで豪華なものも準備すると、そこまで高いものはなあという心理で、だいたいが『竹』に落ち着くという寸法なです」
「なるほど。そういう行動というか心理状態で品物を無意識に選んでるんだね、われわれは。心理を分析するとなるほどと納得できるね」
社長が頷いた。
「でも逆にその安い方に人気が出ちゃったらどうするんです?」と女将が不安げに呟いた。
「安いものに人気が出るのは、お店の方でそれをメインに、安さを強調して売ろうとするから、激安が人気になるんです。その安さをアピールしないで、さらっとそこに安いものもあるというように置いておけば、そんなことはほとんどないと思います。まあそれが評判になるようなら、それならそれで安いお弁当も中身を濃くして、限定10個ぐらいにして、それを餌にというのはちょっと悪いかなあ、それをイベントとして楽しんでもらうような感覚でアピールしましょう。激安弁当はあくまでイベントで」と本田が言った。
「うん、イベント、ね。面白いね、激安弁当はイベントか」
「あくまでイベントですよ」
「い弁当、ね」女将が珍しくダジャレを言った。
みんながニコッとした後、爆笑になった。
こうして、千樹のお弁当作戦は着々と計画され、3ヶ月後実行に移された。
幸いデパートの担当者は千樹を知っていてくれたので、すんなりと会ってくれた。
料理の中身の変更や価格設定で何度か議論があったが、まずはイベントとして扱うということで、1ヶ月限定でコーナーを作ってくれた。
価格は880円の激安日替わり弁当が限定20個、定番は2,500円、3,800円のの2種類、そしてこれも限定で、1日5個限定の5,980円のお弁当も用意することになった。
そして定番の中から数点を試食してもらうために、別に作り、通りがかりのお客様に食べてもらうことにした。
千樹弁当のネーミングも決め、価格別のラインナップも作り、デパートでは扱っていない弁当も購入してもらえるようにパンフレットも作り、その場で手渡すようにした。
こうして具体化した千樹弁当の挑戦が始まった。
<5>へつづく。
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