こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「ある料亭の再生物語<第2部>(その5)」
今度は、もうひとつの課題である料亭千樹の活用だった。
ここで採用された2つのうちのまずひとつ目は、女将が言った「劇場型」の利用だった。
大広間をメインとし、付随して各室もそれぞれひとつの劇場と考え、それぞれに活用していくということだった。
具体的には、定期的に生け花とお茶、それに和裁・洋裁、等の習い事を千樹で講師を呼び開催するという、いわばミニカルチャー教室としての活用で、他のカルチャー教室とは違って、講義代金が高い分、そこに千樹のお弁当をつけるということで、他との差別化を図った。
他にも自由に各種のお教室にも使ってもらい、そこに千樹弁当をつけるということで、カルチャー教室の充実も図った。
月に1回の千樹寄席は、さすがに地方でのことであり、また開かれる場所が公共のステージではなく、有名料亭のお座敷でということがネックになり、なかなか一般客を呼ぶことがむずかしかった。
3回目までのお客様はやはり千樹のかつてのお客様が多く、お付き合いという感じが強かった。
さらに予想していたよりも客数が上がらなかった。
30人あればいいかなあという目論みよりも毎回少なく、3回目は10数名という客数だった。
これはやめた方がいいかなと考え始めた時、また従業員から声が上がった。
「いっそ、無料で一般の方を招待していたらいいんじゃないの。
まずは落語や演芸の面白さを知ってもらわないと、やっぱり千樹では敷居が高いから入りづらいからというお客さんも多いんじゃないかなあ」
「そうだよなあ。どうかなあ、ほら大学の落研に声をかけて、落研の落語会を開いてもらったら。只で場所提供して。一度千樹に足を踏み入れてもらえば、分ってくれるんじゃないかなあ。そこで千樹寄席のチラシを渡して、決して高いものじゃないってことを分ってもらえたらいいんじゃないかと思うんですけど………」
この意見を取り入れて早速地元の大学の落研に声をかけ、千樹特別寄席を開いてもらうことになった。
もちろん話を持ちかけられた落研も、自分たちの芸を発表できる場所、それも一流料亭でということで、渡りに船と喜んだことはもちろんだった。
この落研作戦が成功したのかその後徐々にお客様が増え、中には若い女性もちらほらとお客様の中に混ざるようになってきた。
これには落研の影の力が功を奏したと言っていい。
自分たちに無料で場所を提供してくれる代わりに、彼等がいたるところで千樹寄席の面白さ、料理のおいしさ、それでいてリーズナブルなところを、吹聴してくれたのだ。
開催時には、落語のCDも地元の商店街のレコードショップに委託して販売した。
これは地元の商店を少しでも活性化させたいという熱意を持っている本田のアイデアだった。
千樹寄席はこうして少しずつではあるが知られていくようになった。
しかし何といっても、メインは板長の料理教室と有名人を呼んでの板長の料理を楽しむ会だった。
料理教室は隔週に1回、定期的に開くようにした。
初心者コースとベテラン主婦コースを隔週に開催し、1コース6回で、6ヶ月で修了というコースのしたところ、初心者コースよりもベテラン主婦コースに生徒が集まった。
さすがに千樹というネームバリューのことはあると女将も社長も思ったが、本田としては初心者の方にウエイトを置きたかった。
そうすることで、今まで千樹に縁がなかったお客様が増えるからだった。
従って初心者コースの生徒を充実させるために様々な手を打った。
そのひとつが、“プロが教えるかんたん手抜き料理教室――冷蔵庫の余ったものを最後まで生かそう”という、
敷居を少し低くした不定期の料理教師の開催だった。
ここでは板長の下で包丁ふるう職人たちが交代で担当した。
ここでは思いがけない効果もあった。
職人たちの顔が生き生きしてきたのだ。
直接お客様とふれあうことで緊張感が増し、またお客様と楽しく会話ができるということで、職人たちの笑顔も増えたのだ。
いいことづくめだといいたいが、やはり逆効果もあった。
今までひいきにしてくれていたお客様から批判の声が上がったのだ。
しかしこれは織り込み済みだった。
その声は無視しようと話し合っておいた。
いずれは落ち着く。
もちろん離れてもそれはそれでしょうがない、その人たちには今までは恩があるが、そうかといって彼等だけを大事にしてこのまま営業を続けていけば、千樹は早い段階でなくなってしまう。
そうなれば元も子もなくなってしまう。
そういう人たちも新しい千樹についてきて来てほしいが、ついてきてくれなくても、追いかけないでおこうという了解を取っていたのだ。
離れていく人はしょうがない。
そういう人は本当に心から千樹を愛してくれているわけではなかったのだと思うおう。
それよりも新しい千樹についてきてくれるお客様の方を大事にしよう。
そうすることで千樹は暖簾を守りながら、お客様と一緒に未来を見ることができるのだ。
こうしてかつての料亭千樹は、徐々にではあるが時代に合わせて変わることができた。
暖簾を大事にしながら時代に合わせて変化していくこと。
特にこのように変化の激しい時代を暖簾を一方では守りながら、常に新しいことに挑戦していくこと、昔から続く企業でも店でも、この暖簾を保守的に守るのではなく、その暖簾を利用しながら、常にその暖簾に恥じないように、常にその企業、業種ではトップの層に位置しながら走り続けることこそ、伝統を守るということなのだということが、社長も、女将も実感として分った。
2年後、今まで来てくれたお客様を招待して、従業員の素人芝居を見せ、お料理を楽しんでもらおうという計画もある。
おわり
(このストーリーはフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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藤田販促計画事務所
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TEL.027-261-6671(FAX.同様)
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今度は、もうひとつの課題である料亭千樹の活用だった。
ここで採用された2つのうちのまずひとつ目は、女将が言った「劇場型」の利用だった。
大広間をメインとし、付随して各室もそれぞれひとつの劇場と考え、それぞれに活用していくということだった。
具体的には、定期的に生け花とお茶、それに和裁・洋裁、等の習い事を千樹で講師を呼び開催するという、いわばミニカルチャー教室としての活用で、他のカルチャー教室とは違って、講義代金が高い分、そこに千樹のお弁当をつけるということで、他との差別化を図った。
他にも自由に各種のお教室にも使ってもらい、そこに千樹弁当をつけるということで、カルチャー教室の充実も図った。
月に1回の千樹寄席は、さすがに地方でのことであり、また開かれる場所が公共のステージではなく、有名料亭のお座敷でということがネックになり、なかなか一般客を呼ぶことがむずかしかった。
3回目までのお客様はやはり千樹のかつてのお客様が多く、お付き合いという感じが強かった。
さらに予想していたよりも客数が上がらなかった。
30人あればいいかなあという目論みよりも毎回少なく、3回目は10数名という客数だった。
これはやめた方がいいかなと考え始めた時、また従業員から声が上がった。
「いっそ、無料で一般の方を招待していたらいいんじゃないの。
まずは落語や演芸の面白さを知ってもらわないと、やっぱり千樹では敷居が高いから入りづらいからというお客さんも多いんじゃないかなあ」
「そうだよなあ。どうかなあ、ほら大学の落研に声をかけて、落研の落語会を開いてもらったら。只で場所提供して。一度千樹に足を踏み入れてもらえば、分ってくれるんじゃないかなあ。そこで千樹寄席のチラシを渡して、決して高いものじゃないってことを分ってもらえたらいいんじゃないかと思うんですけど………」
この意見を取り入れて早速地元の大学の落研に声をかけ、千樹特別寄席を開いてもらうことになった。
もちろん話を持ちかけられた落研も、自分たちの芸を発表できる場所、それも一流料亭でということで、渡りに船と喜んだことはもちろんだった。
この落研作戦が成功したのかその後徐々にお客様が増え、中には若い女性もちらほらとお客様の中に混ざるようになってきた。
これには落研の影の力が功を奏したと言っていい。
自分たちに無料で場所を提供してくれる代わりに、彼等がいたるところで千樹寄席の面白さ、料理のおいしさ、それでいてリーズナブルなところを、吹聴してくれたのだ。
開催時には、落語のCDも地元の商店街のレコードショップに委託して販売した。
これは地元の商店を少しでも活性化させたいという熱意を持っている本田のアイデアだった。
千樹寄席はこうして少しずつではあるが知られていくようになった。
しかし何といっても、メインは板長の料理教室と有名人を呼んでの板長の料理を楽しむ会だった。
料理教室は隔週に1回、定期的に開くようにした。
初心者コースとベテラン主婦コースを隔週に開催し、1コース6回で、6ヶ月で修了というコースのしたところ、初心者コースよりもベテラン主婦コースに生徒が集まった。
さすがに千樹というネームバリューのことはあると女将も社長も思ったが、本田としては初心者の方にウエイトを置きたかった。
そうすることで、今まで千樹に縁がなかったお客様が増えるからだった。
従って初心者コースの生徒を充実させるために様々な手を打った。
そのひとつが、“プロが教えるかんたん手抜き料理教室――冷蔵庫の余ったものを最後まで生かそう”という、
敷居を少し低くした不定期の料理教師の開催だった。
ここでは板長の下で包丁ふるう職人たちが交代で担当した。
ここでは思いがけない効果もあった。
職人たちの顔が生き生きしてきたのだ。
直接お客様とふれあうことで緊張感が増し、またお客様と楽しく会話ができるということで、職人たちの笑顔も増えたのだ。
いいことづくめだといいたいが、やはり逆効果もあった。
今までひいきにしてくれていたお客様から批判の声が上がったのだ。
しかしこれは織り込み済みだった。
その声は無視しようと話し合っておいた。
いずれは落ち着く。
もちろん離れてもそれはそれでしょうがない、その人たちには今までは恩があるが、そうかといって彼等だけを大事にしてこのまま営業を続けていけば、千樹は早い段階でなくなってしまう。
そうなれば元も子もなくなってしまう。
そういう人たちも新しい千樹についてきて来てほしいが、ついてきてくれなくても、追いかけないでおこうという了解を取っていたのだ。
離れていく人はしょうがない。
そういう人は本当に心から千樹を愛してくれているわけではなかったのだと思うおう。
それよりも新しい千樹についてきてくれるお客様の方を大事にしよう。
そうすることで千樹は暖簾を守りながら、お客様と一緒に未来を見ることができるのだ。
こうしてかつての料亭千樹は、徐々にではあるが時代に合わせて変わることができた。
暖簾を大事にしながら時代に合わせて変化していくこと。
特にこのように変化の激しい時代を暖簾を一方では守りながら、常に新しいことに挑戦していくこと、昔から続く企業でも店でも、この暖簾を保守的に守るのではなく、その暖簾を利用しながら、常にその暖簾に恥じないように、常にその企業、業種ではトップの層に位置しながら走り続けることこそ、伝統を守るということなのだということが、社長も、女将も実感として分った。
2年後、今まで来てくれたお客様を招待して、従業員の素人芝居を見せ、お料理を楽しんでもらおうという計画もある。
おわり
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