こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。
この<コピーライターになりたいか>というカテゴリーでは、50回連載限定で、コピーライターになりたい人や、キャッチコピーを作りたい経営者の方向けにコピーとは何だということを解説しています。
かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
それでは第22回目です。
22.何が一番大事か(前回の続きになります)
前回の後、読者のT・Y様(ご本名でいただきましたが、差し障りが生じるといけないと思いますので、頭文字にさせていただきました)からいただいたメールのお答えしたいと思います。
■メールの内容
<ここから>
>今回のなかで
>クライアントは、いってみれば自分達の商品に酔っています
>…本当にそうだと思いました(笑)
>メーカーさんは、商品が売れないのは広告代理店のせいとか
>時代のせいとかなんですよね。悲しい事だと思いますが、そう信
>じている方って多そうです。
>その酔いを、上手に覚まさせてあげなくてはいけません
>「上手に・・・」
>ん~~~、難しそう。。。(笑)
>今度は、「上手に」のテクニックをちょびっとお教え頂けると
>メルマガ発行に期待が膨らみワクワクしますっ!!!
>なぁーんて我がままでしょうか。。。
>なんとなくこんな読者もいたりして。って思って頂けるだけで嬉しいです。
>突然のメールでも目を通して頂いてありがとうございました。
>これからも拝読させて頂きます!
>失礼しました!
<ここまで>
ここからは、上記についてのお答えにはなっていないと思いますが、日頃ちょっと思っていることを、まとまらないとは思いますが、書いてみたいと思います。
よろしくお願いいたします。
ここからです。
人それぞれにいろいろな考え方があり、それぞれがそのクライアントの性格に合わせていかなくてはならないのが辛いところです。
あるクライアントは商品をほめてほめてほめ倒してから、僕もぜひ欲しいけれど、そのためにはこんな表現の方がいいんじゃないですか、とさり気なく、違う方向に持っていく。
メーカーのトップは、その売り出す商品なりサービスの特性ならいくらでも挙げることができるけれど、じゃあ、その商品なりサービスが、コンシューマーの生活にどのように関わり、どのような利便性があるのかという点になると、なかなか気のきいた答えは得られないということがよくあります。
どんなにそれが立派な商品であり、サービスであっても、誰もが賞賛したとしても、実際暮らしに役立たなくては、商品なり、サービスなりの価値はゼロだということをあまり判っていない人がまだまだ多いというのが現状です。
生活から商品を発想するという感覚でなく、技術屋の視点から、変な、役に立たない商品を作ってしまうということがあるんです。
そんな一見役に立たなさそうな商品こそ、こんな使い方をという提案もなく、また一見場違いとも思えるところにディスプレイすると、コンシューマーの方からその商品に一番見合った使い方を教えてくれることも多々あります。その提案をするのも、コピーライターや企画マンの力の見せどころと言えますが。
そのような冒険は、弱小メーカー(日本の企業の約90%がそうではないでしょうか)にはできません。そんなとき、コピーライターなどに一度相談してもらいたいのですが、だいたいが社内に図って、さあ誰かいいアイデアを出せ、と迫るというのがだいたいのパターンではないでしょうか。
それはなぜか。
社外に出すと、金がかかるというのが一番の本音です。さらに、この新しい商品の秘密がばれるからという小さな心臓。新聞や雑誌、テレビなどでたまに紹介される、社内の思い掛けない人からいいアイデアが出て、そのアイデアで売り出したらヒットしたという話を間に受けて、社内に図るんです。
そんなの、実際にはなかなかありません。
なかなかない、稀なことだから、紹介されているだけなんです。マスコミに紹介されることは、ユニークだから紹介されるんだ、ということを判っていないんですね。それが自分の会社内にも当てはめることができると、ちょっと淋しい錯覚をしてしまうんです。そんなことが日常茶飯事にある、なんてことになれば、わざわざ誰が紹介なんてするものですか。
そんな、ちょっと考えれば判るようなことでも、特に技術屋さんは考えられないのですね。よくできた商品(製品)に酔ってしまっていますから、冷静に考えられなくなってしまうんです。
これだけいいんだから、絶対に売れるはず、なんてね。
商品は、ほとんどの商品は、ある程度メディアの利用の仕方、アイデアの持って行き方で命が決まってしまうものなんです。
確かに、思いがけない売れ方をしてしまうという商品も実際にあります。たとえば、以前にも書いたことがあるかも知れませんが、それはある介護用の商品のことです。
その商品は、寝たきりの方の髪を洗うために開発された、水を使わないシャンプーです。その商品が、阪神大震災で被災された方たちに、大いに売れたということです。いくら被災されたといっても、何日も髪を洗わないでいられません。特に女性はそうです。しかしお湯はもちろん、水さえそんなことには使えない状況のなかで、俄然そのシャンプーは力を発揮したのです。
またこれは有名な話でみなさんもよくご存じだと思いますが、現在では世界中どこへいっても売っていると言われている日清のカップヌードルも、初めは全然売れなかったそうです。日曜日の繁華街、歩行者天国などで無料の試食会をしても、どんなに販促をかけても売れない。販売店でも売る気がない。
しかしあるときを境に、爆発的に売れだしたのです。
そのあるときとは。
それは、日本中の人がテレビに釘付けになった事件からでした。
それは、「あさま山荘」事件の実況中継です。
そこでは、警察官が寒い、雪の降る戸外でたき火にあたりながら、何か湯気の立つ温かそうな食べ物を食べているちょっとした光景が流されました。それがカップヌードルでした。
それは、どんなに広告で仕組んでもできないドキュメントでした。これがメディアの力です。
しかしこれは偶然の産物でしたが、広告はそんな偶然さえも演出できる力が、今では持っています。
その偶然のシーンを演出してあげるのも、コピーライターであり、企画マン、広告に携わる人間の役割ではないでしょうか。
残念ながら、僕が属しているのは、地方であり、さらに広告代理店といっても、クライアントのほとんどが流通業であり、サービス業です。企画提案といっても、SP(セールスプロモーション)が中心で、中心メディアのほとんどはチラシであり、あとはちょっとしたイベントであり、あまり商品そのものの販売促進企画という依頼がないのが、淋しいところです。
たまに来る商品の販促も、クライアントが開発し、ネーミングも、パッケージも、使用するメディアも、さらには下手をすると、コピーまで自分で決めていて、それのリーフレットのデザインを依頼されるというのがほとんどです。
そんなときに下手にコピーライターでございとばかりに得意がって口出しすると、かのクライアントは、だいたいが嫌がってしまいます。それがわたしの“クライアントは、自分の製品に酔っている”という表現になったのです。
企画から依頼するのに慣れていないということでしょうが、やはり、そこまでソフトに予算をかけられない、企画から依頼するととんでもない予算を見積られるという、クライアントの無知な恐怖もあります。
ですから仕方なくリーフレットの印刷だけを依頼する、ということになるのだとも思いますが。
ネーミングからメディア戦略までの一連の販促企画を依頼してくれたらいいのにと思う商品も幾らかありましたが、どうしても口出しできない雰囲気がそこにはありました。
そんなところが地方の中小企業を相手にしている代理店の悲哀でしょうか。しかし印刷だけを依頼されても、できるだけこれはこういった販売戦略がいいのではないでしょうかと、ちょっとした企画をつけて提出することはあります。
しかしたいていは「いいね。でも予算がねえ・・・」です。
そうして世にひっそりと送りだされた商品は、ほとんどがひっそりと世に出回って、静かに消えていきました。
さらには大手メーカーに同じようなものを出されて、どんどんシェアを広げられていくのを、横目で眺め、歯噛みしながら、消えていくのを経験したこともあります。
マーケティングなんか知らなくてもいいんですよ。
マーケティングを無視しても、いい商品は売れます。マーケティングはコンシューマーが決めるもので、マーケティングマンやマーケティング専門会社が決めるものではないんです。ただし、世に広めなければ、商品としての価値はありません。それがどんなに素晴らしい商品であっても。
コンシューマーに知られなければ、製品は商品にはなりません。製品として消えていくだけです。
わたしはいつも不思議に思うのは、そんなにいい製品なら、どうしてもっと販売促進に力を入れないのだろうということです。
中小企業のほとんどは、販売促進というものを無視します。無視しながら、製品を商品にしようと考えて、ほとんど失敗しています。その製品にパッケージが付き、リーフレットを作成するところまではいいんです。(リーフレットまでまだ自社の簡易印刷機で社長や社員が作成し、それで間に合わせようとしているところがありますが、それで本気で売ろうと思っているんでしょうかと、疑問に思うときもあります。
それは、コンピュータの功罪のうちの罪のひとつでしょうね。誰でも、ある程度までカンタンに作れてしまうので、デザインにあまり関心がなく、製品に自信のあるメーカーがそれでいいと思いこんでしまうのでしょうか。しかし、そのリーフレットをそのままコンシューマー向けにまで使ってしまうのですね。
いかにも素人が作りましたとでもいうような、安っぽいリーフレットで、果たしてコンシューマーはその商品を信用するでしょうか。コンシューマーはそれだけで、その商品をうさん臭く思ってしまうということが理解できないんです。商品に下手に自信があり、ちょっと、あともう少し予算をかければいいリーフレットが作れるというのに。
そのまま街の、近くの印刷屋さんに頼んでしまうのですね。
話はちょっと横にそれてしまいますが、わたしたちのライバルは、その街の印刷屋さんなんです。
印刷屋さんは、それをただ言われた通りに印刷するだけ。印刷会社と名乗っていますが、会社ではありませんね。印刷屋さんです。印刷会社は、ちゃんと企画部門を持っていてこそ、会社です。私たちの周りにはほとんど印刷会社がありません。ほとんどが印刷屋さんです。だから、安いんです。そりゃそうでしょう。ただ機械を動かすだけですから。僕たちはそんな印刷屋さんを向うに回して、同じ価格か、さらに安く仕事を受けなくてはならないんです。
ある一部のクライアントは、企画やデザインはいまだにサービスだと思っていますから。
最近、やっと制作というものには少しお金がかかるんだということが理解されてきましたが。
いいデザイン、売れるSP企画。
わたしたちはそれを加味しながら、印刷屋さんと戦わなくてはならないです。
閑話休題。
はっきり言いましょう。
とんでもない僥倖がない限り、中小メーカーが出す製品は、それがどんなに素晴らしいものであっても、売れません。ちゃんとした販売促進戦略がなくては。
そこまでクライアントに納得させるテクニックとは、という問いかけでした。はっきりいってわたしにはその答えはありません。
しかしひとつ言えることは、まずは、その製品をほめることが一番です。自分ではあまり必要ではないなと感じても、どんなところにニーズが転がっているかも判りません。
まずほめてから、受注したら、自分なりにそのニーズをいろいろなパターンで考えます。
それでクライアントに認められれば、今回はその企画分が赤字であっても、次回からは多分ある程度の予算は引きだせると思いますから。
まずは、クライアントの自尊心を壊さないようにしながら、いい企画をしてあげることでしょうか。最初は無償であっても。
■ここまでです。
ご批判はあると思いますが、それは謙虚に受けたいと思います。
よろしくおねがいいたします。
(上記は数年前の文章ですので、今と合わない現実もあると思いますが、基本的なことはまだ変わっていないと思います)
<23>へつづく。
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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TEL.027-261-6671(FAX.同様)
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。
この<コピーライターになりたいか>というカテゴリーでは、50回連載限定で、コピーライターになりたい人や、キャッチコピーを作りたい経営者の方向けにコピーとは何だということを解説しています。
かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
それでは第22回目です。
22.何が一番大事か(前回の続きになります)
前回の後、読者のT・Y様(ご本名でいただきましたが、差し障りが生じるといけないと思いますので、頭文字にさせていただきました)からいただいたメールのお答えしたいと思います。
■メールの内容
<ここから>
>今回のなかで
>クライアントは、いってみれば自分達の商品に酔っています
>…本当にそうだと思いました(笑)
>メーカーさんは、商品が売れないのは広告代理店のせいとか
>時代のせいとかなんですよね。悲しい事だと思いますが、そう信
>じている方って多そうです。
>その酔いを、上手に覚まさせてあげなくてはいけません
>「上手に・・・」
>ん~~~、難しそう。。。(笑)
>今度は、「上手に」のテクニックをちょびっとお教え頂けると
>メルマガ発行に期待が膨らみワクワクしますっ!!!
>なぁーんて我がままでしょうか。。。
>なんとなくこんな読者もいたりして。って思って頂けるだけで嬉しいです。
>突然のメールでも目を通して頂いてありがとうございました。
>これからも拝読させて頂きます!
>失礼しました!
<ここまで>
ここからは、上記についてのお答えにはなっていないと思いますが、日頃ちょっと思っていることを、まとまらないとは思いますが、書いてみたいと思います。
よろしくお願いいたします。
ここからです。
人それぞれにいろいろな考え方があり、それぞれがそのクライアントの性格に合わせていかなくてはならないのが辛いところです。
あるクライアントは商品をほめてほめてほめ倒してから、僕もぜひ欲しいけれど、そのためにはこんな表現の方がいいんじゃないですか、とさり気なく、違う方向に持っていく。
メーカーのトップは、その売り出す商品なりサービスの特性ならいくらでも挙げることができるけれど、じゃあ、その商品なりサービスが、コンシューマーの生活にどのように関わり、どのような利便性があるのかという点になると、なかなか気のきいた答えは得られないということがよくあります。
どんなにそれが立派な商品であり、サービスであっても、誰もが賞賛したとしても、実際暮らしに役立たなくては、商品なり、サービスなりの価値はゼロだということをあまり判っていない人がまだまだ多いというのが現状です。
生活から商品を発想するという感覚でなく、技術屋の視点から、変な、役に立たない商品を作ってしまうということがあるんです。
そんな一見役に立たなさそうな商品こそ、こんな使い方をという提案もなく、また一見場違いとも思えるところにディスプレイすると、コンシューマーの方からその商品に一番見合った使い方を教えてくれることも多々あります。その提案をするのも、コピーライターや企画マンの力の見せどころと言えますが。
そのような冒険は、弱小メーカー(日本の企業の約90%がそうではないでしょうか)にはできません。そんなとき、コピーライターなどに一度相談してもらいたいのですが、だいたいが社内に図って、さあ誰かいいアイデアを出せ、と迫るというのがだいたいのパターンではないでしょうか。
それはなぜか。
社外に出すと、金がかかるというのが一番の本音です。さらに、この新しい商品の秘密がばれるからという小さな心臓。新聞や雑誌、テレビなどでたまに紹介される、社内の思い掛けない人からいいアイデアが出て、そのアイデアで売り出したらヒットしたという話を間に受けて、社内に図るんです。
そんなの、実際にはなかなかありません。
なかなかない、稀なことだから、紹介されているだけなんです。マスコミに紹介されることは、ユニークだから紹介されるんだ、ということを判っていないんですね。それが自分の会社内にも当てはめることができると、ちょっと淋しい錯覚をしてしまうんです。そんなことが日常茶飯事にある、なんてことになれば、わざわざ誰が紹介なんてするものですか。
そんな、ちょっと考えれば判るようなことでも、特に技術屋さんは考えられないのですね。よくできた商品(製品)に酔ってしまっていますから、冷静に考えられなくなってしまうんです。
これだけいいんだから、絶対に売れるはず、なんてね。
商品は、ほとんどの商品は、ある程度メディアの利用の仕方、アイデアの持って行き方で命が決まってしまうものなんです。
確かに、思いがけない売れ方をしてしまうという商品も実際にあります。たとえば、以前にも書いたことがあるかも知れませんが、それはある介護用の商品のことです。
その商品は、寝たきりの方の髪を洗うために開発された、水を使わないシャンプーです。その商品が、阪神大震災で被災された方たちに、大いに売れたということです。いくら被災されたといっても、何日も髪を洗わないでいられません。特に女性はそうです。しかしお湯はもちろん、水さえそんなことには使えない状況のなかで、俄然そのシャンプーは力を発揮したのです。
またこれは有名な話でみなさんもよくご存じだと思いますが、現在では世界中どこへいっても売っていると言われている日清のカップヌードルも、初めは全然売れなかったそうです。日曜日の繁華街、歩行者天国などで無料の試食会をしても、どんなに販促をかけても売れない。販売店でも売る気がない。
しかしあるときを境に、爆発的に売れだしたのです。
そのあるときとは。
それは、日本中の人がテレビに釘付けになった事件からでした。
それは、「あさま山荘」事件の実況中継です。
そこでは、警察官が寒い、雪の降る戸外でたき火にあたりながら、何か湯気の立つ温かそうな食べ物を食べているちょっとした光景が流されました。それがカップヌードルでした。
それは、どんなに広告で仕組んでもできないドキュメントでした。これがメディアの力です。
しかしこれは偶然の産物でしたが、広告はそんな偶然さえも演出できる力が、今では持っています。
その偶然のシーンを演出してあげるのも、コピーライターであり、企画マン、広告に携わる人間の役割ではないでしょうか。
残念ながら、僕が属しているのは、地方であり、さらに広告代理店といっても、クライアントのほとんどが流通業であり、サービス業です。企画提案といっても、SP(セールスプロモーション)が中心で、中心メディアのほとんどはチラシであり、あとはちょっとしたイベントであり、あまり商品そのものの販売促進企画という依頼がないのが、淋しいところです。
たまに来る商品の販促も、クライアントが開発し、ネーミングも、パッケージも、使用するメディアも、さらには下手をすると、コピーまで自分で決めていて、それのリーフレットのデザインを依頼されるというのがほとんどです。
そんなときに下手にコピーライターでございとばかりに得意がって口出しすると、かのクライアントは、だいたいが嫌がってしまいます。それがわたしの“クライアントは、自分の製品に酔っている”という表現になったのです。
企画から依頼するのに慣れていないということでしょうが、やはり、そこまでソフトに予算をかけられない、企画から依頼するととんでもない予算を見積られるという、クライアントの無知な恐怖もあります。
ですから仕方なくリーフレットの印刷だけを依頼する、ということになるのだとも思いますが。
ネーミングからメディア戦略までの一連の販促企画を依頼してくれたらいいのにと思う商品も幾らかありましたが、どうしても口出しできない雰囲気がそこにはありました。
そんなところが地方の中小企業を相手にしている代理店の悲哀でしょうか。しかし印刷だけを依頼されても、できるだけこれはこういった販売戦略がいいのではないでしょうかと、ちょっとした企画をつけて提出することはあります。
しかしたいていは「いいね。でも予算がねえ・・・」です。
そうして世にひっそりと送りだされた商品は、ほとんどがひっそりと世に出回って、静かに消えていきました。
さらには大手メーカーに同じようなものを出されて、どんどんシェアを広げられていくのを、横目で眺め、歯噛みしながら、消えていくのを経験したこともあります。
マーケティングなんか知らなくてもいいんですよ。
マーケティングを無視しても、いい商品は売れます。マーケティングはコンシューマーが決めるもので、マーケティングマンやマーケティング専門会社が決めるものではないんです。ただし、世に広めなければ、商品としての価値はありません。それがどんなに素晴らしい商品であっても。
コンシューマーに知られなければ、製品は商品にはなりません。製品として消えていくだけです。
わたしはいつも不思議に思うのは、そんなにいい製品なら、どうしてもっと販売促進に力を入れないのだろうということです。
中小企業のほとんどは、販売促進というものを無視します。無視しながら、製品を商品にしようと考えて、ほとんど失敗しています。その製品にパッケージが付き、リーフレットを作成するところまではいいんです。(リーフレットまでまだ自社の簡易印刷機で社長や社員が作成し、それで間に合わせようとしているところがありますが、それで本気で売ろうと思っているんでしょうかと、疑問に思うときもあります。
それは、コンピュータの功罪のうちの罪のひとつでしょうね。誰でも、ある程度までカンタンに作れてしまうので、デザインにあまり関心がなく、製品に自信のあるメーカーがそれでいいと思いこんでしまうのでしょうか。しかし、そのリーフレットをそのままコンシューマー向けにまで使ってしまうのですね。
いかにも素人が作りましたとでもいうような、安っぽいリーフレットで、果たしてコンシューマーはその商品を信用するでしょうか。コンシューマーはそれだけで、その商品をうさん臭く思ってしまうということが理解できないんです。商品に下手に自信があり、ちょっと、あともう少し予算をかければいいリーフレットが作れるというのに。
そのまま街の、近くの印刷屋さんに頼んでしまうのですね。
話はちょっと横にそれてしまいますが、わたしたちのライバルは、その街の印刷屋さんなんです。
印刷屋さんは、それをただ言われた通りに印刷するだけ。印刷会社と名乗っていますが、会社ではありませんね。印刷屋さんです。印刷会社は、ちゃんと企画部門を持っていてこそ、会社です。私たちの周りにはほとんど印刷会社がありません。ほとんどが印刷屋さんです。だから、安いんです。そりゃそうでしょう。ただ機械を動かすだけですから。僕たちはそんな印刷屋さんを向うに回して、同じ価格か、さらに安く仕事を受けなくてはならないんです。
ある一部のクライアントは、企画やデザインはいまだにサービスだと思っていますから。
最近、やっと制作というものには少しお金がかかるんだということが理解されてきましたが。
いいデザイン、売れるSP企画。
わたしたちはそれを加味しながら、印刷屋さんと戦わなくてはならないです。
閑話休題。
はっきり言いましょう。
とんでもない僥倖がない限り、中小メーカーが出す製品は、それがどんなに素晴らしいものであっても、売れません。ちゃんとした販売促進戦略がなくては。
そこまでクライアントに納得させるテクニックとは、という問いかけでした。はっきりいってわたしにはその答えはありません。
しかしひとつ言えることは、まずは、その製品をほめることが一番です。自分ではあまり必要ではないなと感じても、どんなところにニーズが転がっているかも判りません。
まずほめてから、受注したら、自分なりにそのニーズをいろいろなパターンで考えます。
それでクライアントに認められれば、今回はその企画分が赤字であっても、次回からは多分ある程度の予算は引きだせると思いますから。
まずは、クライアントの自尊心を壊さないようにしながら、いい企画をしてあげることでしょうか。最初は無償であっても。
■ここまでです。
ご批判はあると思いますが、それは謙虚に受けたいと思います。
よろしくおねがいいたします。
(上記は数年前の文章ですので、今と合わない現実もあると思いますが、基本的なことはまだ変わっていないと思います)
<23>へつづく。
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
あ、そうそう、下記のメルマガ「売れるキャッチコピーを作ろう」をぜひお読みください。
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