ごっとさんのブログ

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杭工事データ偽装問題

2015-10-31 10:42:30 | 時事
最近杭工事のデータ偽装が、次々と明らかになり、全国的な広がりを見せています。もともとは横浜の大型マンションが、一部傾いてきたことから始まり、基礎工事の杭が固い基盤まで届いていなかったことが判明したことが発端のようです。

この報道を聞くと、たぶん10年前ぐらいになりますが、1級建築士の耐震偽装問題を思い出します。これも千葉県あたりのマンションの耐震データのねつ造が明らかになり、全国的に波及していったのだと思います。この事件以後耐震構造を確認し、色々な建物の耐震強度不足が明らかになり、改修・補強工事が大々的に行われました。

それ以前なのですが、私が勤務していた研究所も、この耐震強度が不足しているという調査結果が出て、建物の外側に太い鉄骨を作るという改修工事が行われ、見た目の非常に悪い外観となりました。私は基本的には、地震のような天災には、人間はとてもかなうものではなく、倒壊するか助かるかは時の運に任せておけばよいという考えです。

地震については詳しくないのですが、震度6とか言ってもあくまでもそのあたりの平均値みたいなもので、揺れ方は非常に複雑なものだと感じています。どこの大地震だったかわかりませんが、道一本を隔てた一方ではほぼすべての家が倒壊したのに、反対側はほとんど壊れた家がなかったというような状況が起きています。つまりその土地の地盤がどうなっているかとか、揺れがどのように伝わるかによって、ある区画には非常に強い力が加わったり、そのすぐ近くであってもほとんど揺れないといった現象が起きるもののようです。自分の関連する建物が、どの程度の力を受けるのかを前もって知ることは不可能ですので、運を天に任せて過ごすのが正しいと思っています。

この杭偽装問題のような事件がなぜ起きてしまうのか、これからいろいろ追及されることと思いますが、根本的になくすことは難しいのではと感じています。

日本は規則や規定を作れば、全員がそれを守るという、いわば性善説に立って運用されています。この基本が間違っているわけではないのですが、中には少し儲けようとか、このくらいならいいだろう的な発想をする人も出てしまいます。それが絶対的安全を求める住居に出てしまったのが、耐震偽装や今回の問題だと思います。今回の被害者が、たまたまそういった悪質業者に当たってしまったでは気の毒ですが、実質的には建築業だけではなく、あらゆる業種に出る可能性がある事項といえます。

ですからそれほど大騒ぎせず、自分の住居は安全なはずだと信じることが必要だと思います。今回の問題で、しばらくは建築業界も規制に従うはずですが?