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女性は入社1年目で昇進をあきらめる

2019-09-15 10:25:14 | 時事
女性社員の昇進意欲が低いことを嘆く人事部や経営者は多いのですが、最初から女性の意欲が低いわけではないようです。

学生時代は男性と同等にリーダー経験を積み、上昇意欲をキープしています。何をきっかけに昇進したくない女性が増えるのかという解説記事を紹介します。

広島大学のグループは調査によって、小学校、中学校、高校・大学のリーダー経験は男女で有意差がないことを明らかにしています。学生時代は女性も学級委員やクラス委員、各種委員会の委員長、部活動の部長などになろうとする意欲が高いのです。

ところが社会に出た途端、男女の管理職の比率がひっくり返ってしまいます。これは生得的な問題ではありませんし、リーダー経験が不足しているというわけでもありません。また女性が優秀でないからというのも当たっていないようです。

多くの教育機関では、学生の成績評価で用いられるGPAの数値は女性の方が高いことがほとんどです。大学生研究を調べてみても、女性の方がキャリアへの関心が高く、社会に貢献したい意欲を持っています。

すでに女性の方が優秀であることが証明されているような気がします。では女性が単純に長く働く意欲がないからかというと、そうでもないようです。

昔はM字カーブといって、就職してから結婚・出産まで働き、育児のためにいったん家庭に入り子育てが一段落すると又働き始める傾向がありました。今はこのMの谷が穏やかになっており、女子学生も企業を選ぶ際長く働けるかを一番に考えて就職活動をしています。

昇進意欲の差は社会に出てから生まれ、それは元々の女性の能力や仕事のやる気とは無関係であると結論付けられます。入社1年目から2年目にかけての管理職志向の変化を調べたデータがあります。

まず1年目の管理職志向が「ある」人は、男性で94.1%、女性では64.7%で、男性の方が30ポイントも高いので、確かに男性の昇進意欲は女性よりも高くなっています。しかし問題はたった1年で意欲を失った人たちの割合です。

男性は9ポイント程度しか減っていませんが、女性は20ポイントも下がり5割を割ってしまいます。この問題は職場の長時間労働、働き方で、日本の職場では働き方改革の大号令もむなしく、未だに職場の長時間労働体質が抜けていません。

長時間労働が横行している職場では、女性は「将来子供を産んだ時、仕事と家庭の両立ができないだろう」と考えるわけです。その他現在の管理職のほとんどが男性である現実なども意欲低下につながるようです。

政府は働き方改革や女性が活躍できる社会といったことを進めていますが、現実は20年前とほとんど変わらず長時間労働の男性社会のようです。これではすぐに女性の意欲が落ちてしまうのは当然のような気がします。