ごっとさんのブログ

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糖尿病患者の「シックデイ」とは

2020-09-13 10:30:18 | 健康・医療
糖尿病の患者が風邪などの他の病気にかかると、血糖のコントロールがうまくいかず、急激に体調が変わることがあるようです。

これを「シックデイ」(体調が悪い日)と呼ばれる状態で、かかりつけの医師とあらかじめよく相談して対応を考えておく必要があります。私の歳になると友人のなかで糖尿病薬を飲んでいるのがかなり多くなり、身近な病気といえます。

シックデイは糖尿病患者が、風邪や胃腸障害などで、熱や下痢、吐き気があり食欲がなくて食事がとれないような状態です。普通はすぐに治るような症状でも、急激に体調が悪化して入院が必要になったり、命に係わる状態になったりすることがあるので注意が必要です。

熱や痛みによってストレスに関わるホルモンが分泌され、その影響で血液中のブドウ糖を細胞に取り込むインスリンが足りない状態になります。インスリンが極端に不足すると高血糖になります。

さらに細胞に取り込まれる糖が足りなくなり、エネルギー不足を補うため脂肪が分解され、酸性の「ケトン体」が血液中に増えてきます。血液が酸性に傾くと、吐き気や腹痛が起こります。食欲がなくなるとますますエネルギーが不足し、ケトン体が増えてしまいます。

重症の場合「糖尿病性ケトアシドーシス」と呼ばれる状態になり、意識障害や昏睡に陥ることがあります。体内でインスリンが作れない1型糖尿病患者は特に注意が必要となります。

下痢や吐き気などで脱水症状になると、高血糖になり脱水が進む悪循環が起こり「高浸透圧高血糖症候群」と呼ばれる状態で、昏睡に陥ることもあります。脱水を起こしやすい高齢者は気を付けなければならないようです。

一方食事がとれなくて血糖が下がっている状態で、さらに血糖を下げる薬を使うと、血糖値が低くなりすぎて意識障害や昏睡に陥る危険もあります。高血糖になるだけでなく、薬の使い方によっては低血糖にもなる可能性もありいずれも危険なようです。

こういった症状は命にかかわることなので、体調が悪い時はすぐに主治医に連絡する必要があります。糖尿病のタイプ、重症度、使っている薬は患者によりさまざまです。体調悪化の原因や食事がどれくらいとれているかででも対応法が異なります。

食べられない時に薬をどうするかなど、あらかじめ相談しておくことも必要ですが、状況に応じて対応は変わります。状態を説明して相談した方が良いようです。シックデイで合併症が悪化することもあります。

たとえば糖尿病に加えて慢性腎臓病があると、脱水で腎臓の働きが急激に悪くなることがあります。腎臓の働きが悪くなると副作用が起こりやすくなり、薬によっては中止する必要があります。

このようにシックデイは対応が非常に難しいので、ちょっとした不調でも早めに医師にかかることが重要なようです。