私が最も興味を持っているのが「生命の起源」ですが、あまりこの仮説の進展がないように感じていました。多分私が生きている時間では解明されそうにないと、半ばあきらめていました。
ところが最近リン脂質の膜の研究が進み、この「脂質二重膜層」が生命の起源の解明に進展しそうな気配が出てきています。
細胞を包んでいる細胞膜はリン脂質という分子が2層にぎっしりと並んでできた袋です。身近なところではシャボン玉のようなものですが、はるかにしっかりした壊れにくいものです。
このリン脂質さえあれば膜を作るということは、自然の反応であり生命とは関係ありませんが、非常に面白い性質が分かってきました。さて地球上の生命はどこで誕生したのかについては、彗星の上から地の底まで諸説ありますが、有力な候補は温泉です。
これも陸上派と海底派に分かれており、海底の温泉は熱水、吹き出し口は熱水噴出孔、あちこちから熱水が吹きだしている場所を熱水噴出域と呼ばれています。「生命は海で誕生した」と聞くことが多いのですが、これはオパーリンの「コアセルベート説」がいまだに残っているためと思われます。
私も若いころこのコアセルベートに感心したのですが、その後50年以上たっても進展がなくさすがに色あせてきているようです。現在では生命の「熱水噴出域」起源説には、物質の濃縮という点で弱点があります。
化学反応はどこか区切られた場所に一定以上の分子が集まらないと始まりません。その点陸上の温泉で誕生したと考えれば、この「分子濃縮」の問題は解決できます。特に「間欠泉」がこの問題を解決しており、勢いよく吹きだしては止まるという状況が化学反応の開始には適しているようです。
化学反応には間欠泉の熱もあり、噴き出した中には物質や金属が含まれており、蒸発によってそれが濃縮され原始的なタンパク質や核酸などが生まれたのかもしれません。さらにいいのはそれが膜につつまれていく可能性もあることです。
生命が誕生する前にはリン脂質はなかったかもしれませんが、それに近い性質を持つ「脂質」はあった可能性は高いようです。そういった分子が水たまりに交じっていた場合、タンパク質や核酸のような物質を包んで、細胞に似た袋になったかのしれないのです。
ここではこの脂質膜の面白い性質や、この袋が生命誕生のカギになったことを書くつもりでしたが、長くなってしまいますので次回この続きを書くことにします。
ところが最近リン脂質の膜の研究が進み、この「脂質二重膜層」が生命の起源の解明に進展しそうな気配が出てきています。
細胞を包んでいる細胞膜はリン脂質という分子が2層にぎっしりと並んでできた袋です。身近なところではシャボン玉のようなものですが、はるかにしっかりした壊れにくいものです。
このリン脂質さえあれば膜を作るということは、自然の反応であり生命とは関係ありませんが、非常に面白い性質が分かってきました。さて地球上の生命はどこで誕生したのかについては、彗星の上から地の底まで諸説ありますが、有力な候補は温泉です。
これも陸上派と海底派に分かれており、海底の温泉は熱水、吹き出し口は熱水噴出孔、あちこちから熱水が吹きだしている場所を熱水噴出域と呼ばれています。「生命は海で誕生した」と聞くことが多いのですが、これはオパーリンの「コアセルベート説」がいまだに残っているためと思われます。
私も若いころこのコアセルベートに感心したのですが、その後50年以上たっても進展がなくさすがに色あせてきているようです。現在では生命の「熱水噴出域」起源説には、物質の濃縮という点で弱点があります。
化学反応はどこか区切られた場所に一定以上の分子が集まらないと始まりません。その点陸上の温泉で誕生したと考えれば、この「分子濃縮」の問題は解決できます。特に「間欠泉」がこの問題を解決しており、勢いよく吹きだしては止まるという状況が化学反応の開始には適しているようです。
化学反応には間欠泉の熱もあり、噴き出した中には物質や金属が含まれており、蒸発によってそれが濃縮され原始的なタンパク質や核酸などが生まれたのかもしれません。さらにいいのはそれが膜につつまれていく可能性もあることです。
生命が誕生する前にはリン脂質はなかったかもしれませんが、それに近い性質を持つ「脂質」はあった可能性は高いようです。そういった分子が水たまりに交じっていた場合、タンパク質や核酸のような物質を包んで、細胞に似た袋になったかのしれないのです。
ここではこの脂質膜の面白い性質や、この袋が生命誕生のカギになったことを書くつもりでしたが、長くなってしまいますので次回この続きを書くことにします。