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ガンの放射線治療、最新装置イーソスセラピーの実力

2024-10-29 10:35:43 | 健康・医療
ガン治療においては、日本は手術第一主義がまだまだまかり通っているようです。患者に持病などがあって手術ができない場合を除いて、ほぼすべてに切除が第一選択肢となっています。

近年放射線治療の装置が大幅に進化し、手術に代わるともいわれています。正常細胞を避け、ガンにピンポイントで放射線を強く照射できる高精度放射線治療の登場で、放射線治療の成績は向上してきました。

予後が非常に悪い進行ガンでも、薬物療法との併用で生命予後が劇的に伸びています。放射線治療の成績向上に一役買っているのが「画像誘導放射線治療(IGRT)」とさらに進んだ「即時適応放射線治療」です。

従来の放射線治療では、まず治療計画用のCT検査を行い、その画像情報を基にどこへ照射するか、1〜2週間かけて治療計画を作成します。ただガンの病変や臓器は体内で日によって変動しています。

そこで放射線治療時は、CTなどでガンの位置を確認し、ガンの位置が変動している場合は照射範囲の中心軸をずらします。位置再現精度は向上しており、IGRTが登場したことでガンの位置が変動しても適切に治療を行えるようになっています。

ただガンによっては位置だけでなく、臓器が大きく変動するものもあります。例えば膀胱ガンでは、尿量によって1センチ以上変動することは珍しくありません。そこで即時適応放射線治療が開発されました。この治療法はガンの位置の変動だけでなく、形状の変動にも対応できます。

AIを用いた専用の装置によってその日の臓器の位置関係や状態に合わせて照射範囲を調整し、即時に適応させた放射線治療を行えます。膀胱ガンに対する即時適応放射線治療の有効性を示した研究では、病変を狭く照射でき周囲の臓器の線量も低減するとの結果が出たと報告されています。

即時適応放射線治療は、それに応じたCTまたはMRIが必要で、新しいイーソスセラピーという装置が開発されました。この治療の周囲の臓器の線量低減とは、周囲の臓器の損傷が少ないことで、高精度放射線治療の本領がもっと発揮できるという事になります。

放射線治療は治療機器も吟味して選ぶ時代がやってきたようで、できる限り情報を集めてどの病院で受けるかを決める時代になったといえそうです。このイーソスセラピーでは、CTの高画質に加え、画像撮影が非常に早いことも大きなメリットです。

治療までの時間、撮影時間の苦痛時間を低減できるとしています。高精度放射線治療には、定位放射線治療(SBRT)や強度変調放射線治療(IMRT)といった治療法も出てきているようです。

ただ問題はこういった装置がごくわずかの治療機関にしかなく、高価になってしまうことかもしれません。



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