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健診前の禁酒・運動に意味があるのか

2020-04-14 11:12:00 | 健康・医療
会社が新年度を迎える4月になると、今年も健康診断の時期が来たとして、慌ててジムに通ったり禁酒禁煙をして少しでも数値を良くしようと奮闘する人も多いかもしれません。

普通に考えると、そんなことをしても全く意味がないと思われますが、何となくやりたくなるのは分かります。

実際問題としては、短い期間でも禁酒すると肝臓のGTPはかなり下がりますし、ひと月前ぐらいから節食すると、体重は少しは落ちるようです。

やや太り気味でメタボだといわれている人は、BMIを25以下に落とそうとしますが、この25という基準が問題とする説もあります。男性の場合30以上あるとややまずいようですが、25以上のほうがかえって死亡率が低いというデータもあるようです。

欧米ではBMI30以上が肥満となっていますが、日本では25が基準値で、これは30以上にすると日本人は肥満が3%しかいなくなるためという説があります。25以上だと30%ぐらいになりますので、これを肥満だ病院に行けというためという陰謀説もあるくらいです。

血圧にしても昔は上が180以上ならば病院にといわれていたものが、降圧目標値はどんどん下がり、一昨年までは140/90だったのが、去年から130/80にまた下がっています。

この基準値の決め方は、「健康な人」の1万人分ぐらいの検査値をグラフ化し、低い方と高い方の2.5%を切り、釣り鐘状の残り95%から決めています。もともと健康な人の平均値みたいなものですので、基準値から少々外れても病気という事にはならないものです。

さらに高血圧、高血糖、コレステロールなどの生活習慣病にいたっては、統計学的な決め方はされていません。専門家たちが集まって、これ以上はおかしいことにしようと決めているようなものです。

本当に製薬会社の意向が入っているかは分かりませんが、一部の人が「基準値決定権」という打ち出の小槌を握っているような形といわれています。

現在の血圧の基準値から行くと、高齢者の7割が異常値となり薬が処方され、降圧剤の売り上げが年間1兆円を超えるというと、基準値ビジネスの闇といえるのかもしれません。

私はもともと健康診断不要論ですが、これを裏付けるような研究がフィンランドで行われました。

生活習慣病になりやすい危険因子を持つ40〜55歳の男性1200人を選び、2班に分け片方は「放置群(本人に自由にさせる)」、片方が「医療介入群(医師が生活習慣をこまめに指示)」として15年間全員の生死を調査しました。

その結果、総死亡数は放置群が45人、医療介入群が67人という数字が出ました。日本人は世界一長寿で、なにもしないと患者が病院に来ないため、自分は病気だと自覚させる手段が健康診断という意見に納得しています。


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