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高齢者に多い骨髄異形成症候群とは

2024-09-20 10:32:47 | 健康・医療
高齢になるといろいろな病気を発症しやすくなるのは避けられないようです。何度も書きましたが、私も2月に新型コロナに感染し間質性肺炎となり入院生活を送りました。

その時かなり体重が落ちてしまったのですが、すでに半年以上たっていますがまだ以前の体重には戻っていません。

血液細胞を作る造血幹細胞に異常が起きる病気が骨髄異形成症候群(MDS)です。症状は多様で、めまいやだるさ、動悸などと言った貧血症状をはじめ、肺炎などに感染しやすくなったり、出血が止まりにくくなったりします。

MDSは加齢とともに増加し、高齢者に多いとされています。MSDは年間に1万人程度発症するようで、それほど珍しい病気ではありません。専門家によると、症状や病像が非常に多様であり、症候群と呼ばれています。

タイプによって異なりますが、急性骨髄性白血病に移行する可能性もあるようです。MDSの検査は問診や血液検査に加え、腰の骨や胸の中央にある骨からとった骨髄液を採取して調べます。検査を基に低リスクの患者と高リスクの患者に分けて治療方針を立てます。

進行を完全にストップする治療薬はなく、完全に治すことができるのは造血幹細胞移植だけのようです。しかしこの移植は副作用が大きく、移植を受ける患者の割合は5〜10%に留まっています。MDSの発症リスクは、抗ガン剤治療や放射線治療を受けた人で上昇します。

「治療関連MDS」と呼ばれるタイプで、MDS全治の10%程度とされています。最も多いのは原因がよく分からない「初発MDS」タイプで、高齢者に多いようです。加齢によって遺伝子の変異が蓄積されて発症するのではないかと考えられています。

しかし変異している遺伝子は分かってきているものの、遺伝子変異がどういった機序でMDSを起こすのか、どのくらいの遺伝子変異が発症に結びつくかなど分かっていないことは多いようです。

体がきつかったり、息切れをしたりする高齢者がかかりつけ医を受診すると、鉄分やビタミン不足がもたらす貧血であることがよくあります。しかし鉄分もビタミンも足りているのに貧血が改善しないケースもあり、こういったときは専門医に見てもらった方が良いようです。

低リスクの患者に対しては、赤血球のもとになる細胞に働きかけ、赤血球を増やして貧血を改善する薬や、白血球や血小板を増やす薬などがあります。高リスクの場合は、体に負担のかかる薬を用いることもあります。

2024年に国内で発売が開始された新薬は、特定の遺伝子変異があるタイプや鉄芽球性貧血などのへの効果が高いことが謳われています。こういった新薬開発によってMDSも根治可能な病気へと変わっていくのかもしれません。


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