ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

失明原因の上位となる「網膜色素変性症」

2022-05-15 09:57:14 | 健康・医療
現在はほとんどの情報が眼から入ってきています。このブログ原稿を書くときでも、ネット情報はすべて視覚によります。

私はPCの動画(テニスの中継が多いのですが)をHDMIでテレビにつなぎ観戦するのも楽しみのひとつです。

従って目を健康に保つことは非常に重要になっていますが、私は10年以上前に老眼が進み始めたころ弱い近視(裸眼0.5程度)が良くなり、現在でも1.0ぐらいの視力があります。

日本人の失明の原因の上位を占める疾患の中で、近年2位または3位となっているのが「網膜色素変性症」です。この病気は難病とされ、その患者数は2万7千人とされています。

この病気はそれ以外の失明原因疾患とは異なり、家族性、遺伝性に発症するという特徴があり、発症に関連する遺伝子も国内外で大規模に調査され新たな知見が得られています。

網膜色素変性症は、遺伝子変異が原因で眼底にある網膜の視細胞及び色素上皮細胞と呼ばれる細胞層が変性する病気です。初期には夜盲と視野狭窄を自覚し、徐々に進行するのが一般的です。

高齢で両眼が矯正視力が0.1以下の社会的失明となる例もありますが、生涯良好な視力を保てる例もあり進行には個人差が大きいようです。発病のメカニズムはまだ分かっていませんが遺伝子変異が原因とされ、国内でも遺伝子の検索調査が行われています。

同じような症状を示す患者でも、異なった種類の遺伝子変異が多数見つかっています。遺伝子の変異で、網膜の視細胞及び色素上皮細胞が広範に変性死滅して網膜に色素が沈着します。

初期には暗いところで見えない夜盲や視野の中心部は見えますが周辺部が見えなくなる視野狭窄、さらに病状が進むと視野の中心部も見えにくくなって視力が低下します。また羞明(または明るいところで見にくいという昼盲もあり、後期には色覚異常や光視症、羞明などが強まるとされています。

残念ながら現時点では確実な治療法はないようです。診療の現場では、網膜で光を感じる作用に必要な視物質の前駆体であるアダプチノールという薬剤の投与が行われています。その他まぶしさを軽減させたり、網膜保護のために遮光眼鏡も有効です。

この病気はすべての例が両眼進行性で、早い場合は40代で社会的失明状態になります。60代でも中心に視野が残って視力が良好な例もありますが、視野狭窄のために「視野を必要とする動作」が困難となって、生活に支障をきたすケースも多いとされています。

私も最近は暗いところでよく見えないという感じはありますが、これは多分歳のせいと考えています。現在のように医療が発達していても、有効な治療法がない眼の病気が存在するというのはやや恐ろしい気がします。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿