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うつ病や自閉症は脳で炎症が起きている説

2023-12-24 10:37:16 | 健康・医療
私の周りにはうつ病などの人はいませんので、あまり身近な病気と感じてことはないのですが、研究所の若手がうつ病になったことがあります。

ほとんど接点はなかったのですが、本人はもちろん周りもかなり大変だったようです。ここではうつ病などの疾患が脳の炎症で起こり、免疫と深い関係があるという話しです。

脳神経系と免疫系は全く関係がないと思われがちな2つの生体システムですが、実は深いつながりがあることが分かってきました。ストレスを受けると、主にアドレナリンや副腎皮質ホルモンによって免疫細胞は抑制を受けます。

逆に免疫が脳神経系の病気に大きな影響を与えることも分かってきました。脳神経の病気としては大きく分けると、うつ病や自閉スペクトラム症、統合失調症などの精神疾患と、アルツハイマー病やパーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患があります。

そのどちらにも免疫が関与していることが次第に分かってきています。神経変性疾患は、様々な要因で神経細胞が死ぬために起こります。異常タンパク質の蓄積や神経細胞死に伴って炎症が起きます。これは体の他の組織で細胞が死ぬことによって炎症が起きるのと同じです。

脳以外の体の組織では、マクロファージが炎症に関わっていますが、脳ではミクログリアと呼ばれる細胞が大量に存在し、老廃物や死んだ細胞の処理にあたると同時に炎症を起こします。うつ病などの精神疾患の原因として「炎症仮説」が提唱されています。

これは炎症性サイトカインやインターフェロンが精神疾患患者の血液や脳脊髄液で増加していることなどから示唆されています。またインターロイキン6は、統合失調症や自閉症スペクトラム症を含む神経発達症群に関与する脳の領域に影響を与える可能性があることが示されています。

赤血球をつくる造血因子であるエリスロポエチンというサイトカインには神経保護作用、神経再生作用があり、うつ状態を改善することも報告されています。ミクログリアは、脳内の免疫担当細胞として知られています。

胎児期に脳内に住みついたマクロファージの前駆細胞に由来し、原則的に脳の外のマクロファージとは入れ替わらないとされています。つまり脳内で自己複製する、寿命の長い細胞です。

このように炎症・免疫と神経・精神疾患に深い関係があることが明らかにされつつあり、今後「脳神経と免疫系」は極めて重要な研究領域になると考えられています。

若干分かり難い文章になってしまいましたが、脳の疾患を免疫細胞で治療できる可能性なども出てきており、新たな治療法の開発が可能になるのかもしれません。


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