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農薬が子どもの発達障害の原因か?

2019-03-27 10:41:33 | 
発達障害の子供が増加していますが、この原因として注目されているのが農薬との関係という説があります。

食べ物に含まれる化学物質が、子どもの脳の発達に悪影響を与えるという説です。あまり科学的根拠はないような気がしますが、紹介してみます。

文部科学省が2012年に公表した調査によれば、全国の公立小中学校に在籍する児童生徒のうち、コミュニケーションがうまく取れないなど発達障害の可能性がある子供は6.5%で15人に1人となっています。

文科省の資料によると、発達障害で特別支援教育を受けている児童生徒数は、06年度に6894人であったものが年々増え続け、17年度には5万4247人と8倍近くまで達しています。

この発達障害の原因について、かつては遺伝による要因が強いとされていましたが、現在では環境的な要因が注目されています。2011年に大規模な疫学調査が実施され、発達障害の遺伝性は約37%で、約63%は環境要因となる結果が示されました。

原因としてここ数年指摘されているのが、環境中に蔓延している化学物質による影響で、中でも農薬の危険性が焦点となっています。一例として農地1平方キロ当たり何トンの農薬が使われているかを、OECD加盟国で比較したデータがあります。

これは湿潤で虫や病気が発生しやすい日本や韓国では、農薬が大量に使われています。これを自閉症、広汎性発達障害の国別有病率と見比べてみると、数値が高い方から4番目までの順位が一致し、日本と韓国が抜きんでています。

この農薬のうちネオニコチノイド系農薬が発達障害急増の一因となっていることが予想されています。これは殺虫剤として使われるもので、それまでの有機リン系農薬に代わって90年代から世界で急速に広まったものです。

神経細胞のメカニズムは、情報がアセチルコリンという神経伝達物質によって次々と伝えられていきます。このネオニコチノイド系農薬は、アセチルコリン受容体に結合して、ニセモノの神経伝達物質として作用します。つまり神経へ誤った情報を流すのです。

この誤った情報によって、脳細胞の発達が最も著しい胎児期から幼少期の子供の神経細胞が、正常に分裂していかなくなる危険性があるとしています。

日本でも国立環境研究所が、ネオニコチノイド系農薬の発達期暴露が成長後の行動に影響を与える可能性を動物モデルで示差という論文を2016年に発表しています。こういったことから農薬と発達障害が結びつけられているようですが、現行の非常に厳しい農薬の残留規制から考えると、私はほぼ無関係と感じます。

このように何かの病気の原因を化学物質に押し付ける風潮は、最近増えていますがほとんど科学的根拠のないものであり、単なる言葉遊び程度ではないかと思っています。

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