京都大学と化学系企業との研究グループは、糖尿病などでできる難治性の皮膚潰瘍について、人工タンパク質を使ったスポンジ状の治療剤を開発したと発表しました。
患部に貼ると細菌感染が抑えられ、傷の治癒が促されるようです。京都大学病院で行われた医師主導治験で安全性を確認しており、臨床試験を経て医療機器としての承認を目指しています。
難治性皮膚潰瘍は血流の悪い部分などに起きやすく、糖尿病患者によく発症します。治療には傷を乾燥させないよう毎日傷を洗ったり、軟膏を塗ったりする必要があります。
研究グループは人の皮膚などから作製した人口タンパク質「シルクエラスチン」を利用し、スポンジ状に加工した治療剤を開発しました。
シルクエラスチンは、天然由来のタンパク質であるエラスチン(皮膚を構成するタンパク質)とシルクフィブロイン(絹を構成するタンパク質)を模倣し、遺伝子組み換え技術によって作製された人工タンパク質です。
この特徴として分子内にエラスチン配列を多く含むため、細胞親和性が高く弾性に富むことから、創傷治療剤などに適しています。また容易にスポンジ状に加工でき、条件により簡単にゲル化することも用途を広げることに役立っているようです。
これは2009年に開発されたもので、この特性を生かした用途開発が進んでいました。シルクエラスチンを使用すると、傷口から出る体液によってスポンジが溶けてゲル状になって患部を覆うため、細菌感染を助長しないうえもともと体液に含まれる細胞による治癒力を保つことができるとしています。
この研究プログラムでは、シルクエラスチンの移植基盤としての機能評価、最適な材料の選定、作用機序の明確化及び生物的有効性の検証および臨床上の問題点の抽出と解決方法の立案などが行われてきました。
またこのシルクエラスチンは、膝疾患の治療への応用も進んでいるようです。京都大学病院では2018年、難治性皮膚潰瘍の患者6人に2週間の医師指導治験を行い、安全性を確認しました。
2020年中に企業治験を始めて有効性を確かめたのち、2021年度中に医療機器の承認を申請する予定としています。研究グループは、この手法により難治性の皮膚潰瘍の治療法が確立できれば、糖尿病患者の重篤な合併症を防ぐことができるとしています。
こうした天然のタンパク質を融合し、新たな特性を持ったタンパク質を合成する遺伝子技術は非常に進歩していますので、課題として残るコストをいかに下げるかもクリアできそうな段階に進んでいるといえそうです。
患部に貼ると細菌感染が抑えられ、傷の治癒が促されるようです。京都大学病院で行われた医師主導治験で安全性を確認しており、臨床試験を経て医療機器としての承認を目指しています。
難治性皮膚潰瘍は血流の悪い部分などに起きやすく、糖尿病患者によく発症します。治療には傷を乾燥させないよう毎日傷を洗ったり、軟膏を塗ったりする必要があります。
研究グループは人の皮膚などから作製した人口タンパク質「シルクエラスチン」を利用し、スポンジ状に加工した治療剤を開発しました。
シルクエラスチンは、天然由来のタンパク質であるエラスチン(皮膚を構成するタンパク質)とシルクフィブロイン(絹を構成するタンパク質)を模倣し、遺伝子組み換え技術によって作製された人工タンパク質です。
この特徴として分子内にエラスチン配列を多く含むため、細胞親和性が高く弾性に富むことから、創傷治療剤などに適しています。また容易にスポンジ状に加工でき、条件により簡単にゲル化することも用途を広げることに役立っているようです。
これは2009年に開発されたもので、この特性を生かした用途開発が進んでいました。シルクエラスチンを使用すると、傷口から出る体液によってスポンジが溶けてゲル状になって患部を覆うため、細菌感染を助長しないうえもともと体液に含まれる細胞による治癒力を保つことができるとしています。
この研究プログラムでは、シルクエラスチンの移植基盤としての機能評価、最適な材料の選定、作用機序の明確化及び生物的有効性の検証および臨床上の問題点の抽出と解決方法の立案などが行われてきました。
またこのシルクエラスチンは、膝疾患の治療への応用も進んでいるようです。京都大学病院では2018年、難治性皮膚潰瘍の患者6人に2週間の医師指導治験を行い、安全性を確認しました。
2020年中に企業治験を始めて有効性を確かめたのち、2021年度中に医療機器の承認を申請する予定としています。研究グループは、この手法により難治性の皮膚潰瘍の治療法が確立できれば、糖尿病患者の重篤な合併症を防ぐことができるとしています。
こうした天然のタンパク質を融合し、新たな特性を持ったタンパク質を合成する遺伝子技術は非常に進歩していますので、課題として残るコストをいかに下げるかもクリアできそうな段階に進んでいるといえそうです。
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