ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

2020年人口動態のやや恐ろしい数値

2021-09-25 10:26:47 | 時事
9月10日に厚生労働省から2020年の人口動態統計(確定数)の一部が発表されました。

すべての数値を細かく見たわけではありませんが、出生数や婚姻数などは今後が恐ろしい感じがします。

まず出生数ですが、84万835人で前年から約2.4万人の減少で増減費が-2.8%となっています。これだけ少ないのは、明治6年(1873年)の84万2千人以来となり、150年前と同じまで減少したことになります。

昨年はコロナ禍ではありましたが、あまり出生数には影響がないと思われますので(むしろ今年には影響しそうです)、このところ続いている出生数の減少がそのまま出た感じです。

この出生数の長期推移を見てみますと、1873年以後我々団塊の世代の時期である1949年の約270万人をピークに、第二次ベビーブームの1972年に若干増加はしていますが、まるで正規分布のような曲線になています。

およそ70年前から同じように減少している出生数は、今後増加に転ずる兆しはまるで見えていません。この少子化という問題は最優先で取り組むべき課題のような気がします。

2020年の死亡者数は、前年より8千人ほど減少し、137万2755人で、死亡者数が前年を下回るのは11年ぶりとなっています。新型コロナによる死亡数は3466人であり、感染対策のおかげか肺炎は前年比18%減、インフルエンザは73%もの大幅減となったことが原因のようです。

コロナのため通常の医療が制限され、死亡者数が増加するという専門家の心配が杞憂に終わったことは良いことですが、今年あたりはその影響が出るのかもしれません。出生者数との比較でわかることですが、人口は自然減となっています。

2004年までは増加していたのですが、ここで減少に転じ年々減少幅は大きくなっています。今後高齢化に伴い死亡者数は増加しますので、日本の人口減少はますます加速するのかもしれません。

2020年の婚姻数は52万5507組で前年比12.3%の減少でした。これにはコロナの影響もあり、2019年が令和婚効果があったようで増加しましたので、よけい減少幅が大きくなっています。

この婚姻数は多かった第二次ベビーブーム期である1972年の約110万組の半分以下となっています。結婚適齢期といわれる20〜30代の人口そのものが減っていることから、この婚姻数も今後上がる見込みはないようです。

現在結婚したくても、340万人の未婚男性に相手がいない男余り現象があるといわれています。当然男女比率が変わっているわけではないのですが、なぜこのような現象が出て来るのか、何か対策はあるのかの検討が重要な時期になっていると考えられます。

デルタ株に4つの変異でワクチン効果減

2021-09-24 10:25:42 | その他
新型コロナウイルスは変異しやすいことが知られており、現在は感染力の強いデルタ株にほとんど置き換わっているようです。

南米で猛威を振るっているミュー株などもすでに国内に入っているという報道もあります。ウイルスが感染力の強い変異株に置き換わっていくことは自然なことであり、対処法があるわけではないのであまり調べる必要はないような気がします。

大阪大学の研究グループが、現在のデルタ株にさらに4つの変異が加わると、現在のワクチンの効きめが大幅に弱まる恐れがることを発表しました。新たな変異の出現を想定したワクチン開発の必要性を訴えています。

ただ私はこういった新たな変異株についてはあまり心配していません。今回の新型コロナウイルスは、名前の通り従来の軽い風邪を引き起こすコロナウイルスが変異したものです。

そこでこの変異はどの程度のものかを調べてみましたが、あまり正確には分かりませんでした。非常に単純化すれば、従来のコロナに対して11の領域が変異したものが今回の新型コロナのようです。

この11の領域は単純にアミノ酸が置き換わったものや、新たな遺伝子が挿入されたものがあるようです。こういった変異はすべて偶然の突然変異によるものですので、特定の変異が4つも重なることはほぼあり得ないと思っています。

さて研究グループは、ファイザーのRNAワクチンを接種した20人の血液で感染を防ぐ効果を調べ、デルタ株に対する感染を防ぐ効果があることを確認しました。ただし従来のウイルスに対する効果よりも、若干下がっているとしています。

デルタ株にさらに変異が生じると、抗体の効果がどうなるかを調べました。これまでに見つかった変異などから、デルタ株に新たに加わる可能性がある4つの変異を選び、病原性がない人工的な実験用ウイルスを作って調べました。

ひとつずつ単独で変異を追加した場合は、感染を防ぐ効果がありましたが、同時に4種類すべての変異を入れると、抗体の多くが結合しなくなり、大幅に効果が下がることが分かりました。

対抗策として、従来の株でなくデルタ株をもとに抗体を作れば、4種類の変異を入れたデルタ株に対しても感染を防ぐ効果があることを確認しました。

この研究結果では触れていない、4重変異株の感染力がどうなっているかが問題だと思います。感染力が高ければ子孫を残す可能性が高くなるため置き換わりますが、その他の性質があっても生き残る理由がありません。

特にワクチンはこの感染力を示すタンパク質に結合しますので、ワクチンの効力が無いような株は置き換わる理由がないような気がします。変異株の心配をするより、ワクチン接種率を如何にあげるかが課題ではないでしょうか。

スキルス胃ガンの遺伝子異常を特定

2021-09-23 10:26:13 | 健康・医療
近年胃ガンは減少する傾向が出ていますが、ピロリ菌の除菌率が上がっているためという説はあまり賛成できません。

私の知人は数年前に胃ガンが見つかったのですが、スキルス性の胃ガンですでにリンパにも転移しており、手術ができず1年後には亡くなってしまいました。

このスキルス性胃ガンに特徴的な遺伝子異常を、国立がんセンターと慶応大学の研究グループが見つけたことを発表しました。スキルス胃ガンは胃壁や胃の組織に染み込むように進行し、通常の胃ガンのような判別しやすい病変を作りません。

このため内視鏡検査でも発見が難しく、進行が早くガン細胞は悪性度が高い「低分化型」に分類されます。発見時にはすでに腹膜などに転移していて、多くの場合手術は不可能で治療成績が悪くなっています。

国立がんセンターなどによると、スキルス胃ガンは胃ガン全体の5〜10%を占めています。5年生存率はいくつかの統計で10%前後で、まれに手術可能例でも20%未満となっています。

胃ガン全体の5年生存率が70%を超えていますので、スキルス胃ガンの治療の難しさを表しているようです。発ガンの仕組みなど詳しいことは未解明で、治療法は確立しておらず膵臓ガンなどと共に「難治ガン」と呼ばれ、対策がガン研究上の重要課題となっていました。

研究グループは、スキルス胃ガンに特徴的な症状である「腹膜播種」によって腹水が溜まった患者98人の腹水からガン細胞を採取し、遺伝情報を網羅的に調べる「全ゲノム解析」を行いました。

その結果細胞増殖に関係する遺伝子の異常が解析対象者の半分から見つかり、その遺伝子異常は7種類あることが判明しました。スキルス胃ガンの発症に遺伝子の構造異常が大きな役割を果たしていることが明らかになりました。

研究グループは見つかった遺伝子異常7種類のうち3種類の遺伝子異常がある細胞株を実験用マウスの腹部に接種しました。そのうえでガン細胞の表面にあるタンパク質などを狙い撃ちする既存の「分子標的薬」を経口投与しました。

するとガン細胞の増殖が抑えられたり、腹膜播種が消えたりしました。この結果より研究グループは、スキルス胃ガン患者の約25%で既存の分子標的薬の効果が期待できるとしています。

この成果はスキルス胃ガンの新たな治療法を開くものですが、現在ではまだ遺伝子変異に対応する分子標的薬は少なく、今後この分野の進展を期待しています。

こういったガン遺伝子の解析から、それに基づいた分子標的薬による治療という流れは、ガンの個別医療という新しい道を開くものです。ただしこういった流れが一般的になるまでにはまだかなり時間がかかりそうな気もします。

自民党総裁選挙の行方は

2021-09-22 10:28:26 | 時事
自民党総裁選挙は、立候補者も出そろい選挙活動真っ盛りとなっています。

私は投票権もなく、政党の党首を決める選挙ですが、たぶんそのまま総理に就任しますので、いわば次のリーダーを決める選挙として注目しています。

このブログでもそろそろ新しい首相になって欲しいという意味を込めて、自民党には総裁候補はいないのかということを書きました。ここではこの総裁選がどうなるのかの予想を書いてみます。敬称は省略します。

前回書いたときは菅続投でほぼ決まっていたような感じでしたが、突然の不出馬表明で全く状況が変わってしまいました。

立候補の届け出が終了する前から、メディアでは連日大きく取り上げ、どこのチャンネルでも総裁選が出てきますので、最初は注目していましたが早くもやや飽きてきた感じがします。

立候補者は早くから出馬を決め活動を始めていた岸田、女性として意欲を示していた高市、菅不出馬で急遽出馬してきた河野、最後に名乗りを上げた野田の4名となりました。ここでは私が誰になって欲しいかではなく、あくまでも予想を書いていきます。

この選挙はあくまで自民党という政党の党首を決める選挙ですので、公職選挙法は適用になりません。そういうこともあって、多くのメディアが取り上げやすいのかもしれません。最近のメディアの調査では河野、岸田、高市の順で人気があるようです。

実は私は河野一族の地元であり、応援はしていませんでしたが河野一郎、河野洋平、そして河野太郎という三代を見ています。実力者であるものの誰も総理まではやっていませんので、そろそろ総理になって欲しいという気持ちはあります。

さて今回の選挙で注目すべきは、石破の動向でした。最後まで意向を示さず含みを持たせていましたが、結局河野支持に回りました。これで党員票はかなり河野に集まる可能性が出てきました。

そこで最後に立候補した野田の存在です。彼女は何のために立候補したのか、推薦人に二階派が多いことなどから自民党の意向となるでしょう。つまり岸田、河野、高市では、1回目の投票で党員票などが河野に集まり、過半数になる可能性があると読んだのではないでしょうか。

つまり野田は票を分散させ、過半数を阻止し決選投票に持ち込ませるための立候補と考えられます。そして決選投票になれば、党員票が少なくなりますので、議員による派閥投票となりそうです。

そう考えると現在の自民党のおえらいさんたちは、河野ではなく岸田を総裁にするよう画策していると思われます。

結局1回目の投票で過半数を取らない限りは、河野の目はなく「岸田総裁」で決まるのではないでしょうか。なお現在では女性首相が実現する環境にはないと考えています。

「かかりつけ医」の根本的な問題

2021-09-21 10:29:20 | その他
このところ新型コロナの感染者数は順調に減少しています。

ただし急激に拡大した頃と現在で対策が変わっているわけではないのに、なぜ減少しつつあるのかわからないところがやや不気味でもあります。

コロナに感染したかもしれないというときに、どこに相談すればいいのかが問題です。国や自治体、その専門家は「かかりつけ医」を推奨していますが、かかりつけ医とは何か、どこにあるのか分からない人が大部分ではないでしょうか。

私自身を考えても、子供のころはよく病気になりかかりつけ医は確かに存在していました。しかし中学高校と大きくなるにつれ、病院に行くような病気にはならなくなりました。

結婚して子供ができてから、子供が病院に行くことは増えましたが、近所の小児科医でありとてもかかりつけ医とは呼べない気もします。

60代になってから喘息になり、近くのクリニックで吸入薬をもらっていますので、現在はかかりつけ医と言えそうです。つまり20代から50代ぐらいはかかりつけ医がいなかったのですが、多くの人が同じではないでしょうか。

日本医師会はホームページで、国民にかかりつけ医意を持ちましょうと呼びかけています。またその定義として、「何でも相談できるうえ最新の医療情報を熟知し、必要なときには専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健福祉を担う総合的な能力を有する医師」としています。

難しそうなことが書いてありますが、要は医師であればだれでもこの定義に当てはまりそうです。コロナの現状は、相変わらず自宅療養者の数は多く、これにいかに対処するかで国などもかかりつけ医を曖昧なものから制度化しようという動きもあるようです。

政府が6月にまとめた骨太の方針21(経済財政運営と改革の基本2021)には、感染症を機に進める新たな仕組みの構築という項目で、「かかりつけ医の機能の強化・普及などによる医療機関の機能分類・連携の推進」という文が入っています。

日本医師会も「かかりつけ医研修制度」を実施しており、こういた制度がしっかりしつつあります。しかしこの方向が変に進むと、患者があらかじめ登録した医療機関に受診が限定されるといった、いつでもどこでも受診できるという現在の保険制度のメリットを損なう恐れもあるような気がします。

こういった制度がすべての国民を対象に進むとは思えませんが、コロナ禍といういわば非常事態ですので、かかりつけ医制度を進める良い機会なのかもしれません。

それでも何の病気もない若中年層が、医師に相談しに行くということも考えにくい気もしますので、どう進めていくのか注目したいと思っています。