喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

生まれ育った家

2012-02-02 | ブログ


 写真の家は、平礒喜久家の離れにある小屋。
記憶をたどると、物置小屋として使っていた。
農作物を乾燥させたり、保管したり、道具を置いていた。
雨降りの内職として、おセキばあちゃんが作業していたことを思い出す。

 あれから、30年以上が経つ。
小屋にはツタがからまり、「ツタのからまる小屋」となっている。
おまけに屋根から雨もりがしていて、このままだと崩れ落ちてしまいそう。

 地区には、空き家がありその結末は何ともさびしい。
かつては、そこにもにぎやかな家庭があった。
家族の笑い声がこだまする。

 喜久家もそんなさびしさがただよう一軒だったが、
喜久家プロジェクトを起こすために、5年前持ち主の河野喜久雄さんに相談した。
「過疎化する平礒の将来が心配なんよ。
国内外の若者ボランティアに来てもらって、地域に新しい風を吹かせたいんやけど、
そのために空き家を貸してほしい。」

 返事は即答で、
「うん、わかった。どうぞ、使ってくれ。」

「喜久家」はこうして始まった。
喜久雄さんの気持ちを大切にしたく、
ボランティアが生活する家を「喜久家」とした。
喜びがずっと続く家という願いもこめて。
 喜久家の命名には、そんな秘話があった。

 喜久雄さんが昨年末ボランティアがいなかった時期に、家や小屋の様子を見に帰り、
いたみがひどくなった小屋をながながと見ていた。

 そして喜久雄さんが出したこたえは…。